西川善文のレビュー一覧
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ジジイの回顧録と読むか、日本生粋の銀行マンのありがたい言葉と読むか、それで評価は真っ二つに分かれるだろうと思うが、概ね、良い本だった。
いわゆる団塊世代より上の戦前生まれで、バブル期のころに最も高い役職にいた世代。つまり崩壊後の不良債権や合併など、銀行の地位は地に落ち、あらゆる株価がさがり、不良債権の連続のなかで、銀行としてどう生き抜いてこられたかというところが話の筋だが、
本の趣旨としては、仕事のできるやつの器の広さを、自分の経験から語っている感じ。
自慢話に近いが、日本に生きるひとのなかでも屈指の偉い人の話なので、特別なものを感じる。 -
Posted by ブクログ
1.頭を整理して、ポイントを絞って本質を見抜く。
ポイントは多くても2つか3つ。
2.瀬島龍三、3つに絞る。明快にして、十分。
3.60点が当落ならば70点で手を打つ、スピードが大事。80%の確信なら大抵大丈夫。
4.他人の力を借りる。
5.本人が失敗の原因をわかっていれば良い。
6.スピードは競争力そのもの。
スピードとは他のどんな付加価値よりも高い付加価値だ。
7.お客様へに対応の要諦はお客様を知ること。
だから、こちらから一方的に喋ってはいけない。
相手が何が得意か。
8.この人が上にいれば大丈夫という安心感。
物事をシンプルに捉え、核心を掴む。
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Posted by ブクログ
不良債権と寝た男の物語が動き出すのは1975年の安宅産業危機、石油取引を拡大しようとする安宅産業のアメリカ子会社が与信限度額のわずか3%の保証でNRCと言うリファイナリーに中東から買った石油を売る取引からだった。第一次オイルショックで中東の原油は4倍に値上がりし、NRCと安宅アメリカは膨大な赤字を抱え赤字状態に陥った。安宅アメリカの債券総額3億3千万ドル、当時のレートで1000億円にのぼり、95%が無担保で安宅産業本体の保証がついていたが安宅の返済能力を超えていた。安宅産業の負債総額は1兆円あり2万人の従業員が仕事を失い、3万5千社の取引先に連鎖倒産を及ぼしかねない。Too BIG to Fa
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Posted by ブクログ
読み物としては面白かった。
内容としては、特に住銀頭取に就任された辺りから何かがおかしくなっているように思えた。
自己の採った方針と根拠への言い訳と自己肯定の嵐で、最終的に何事も成しえず中途半端に日本郵政社長を辞任した、というと言いすぎだろうか。
この本の前に読んだユニクロの柳井社長の主張と共通する点は、「立ち止まれば即死する」という点。
異なっていたのは、「衰弱した企業を維持するべきか否か」という点だと感じた。
企業の寿命をできるだけ維持しようとするのは、やはり金を貸している立場だからだろうか。
それにしても何兆何千億の債権放棄のニュースが乱れ飛ぶ時代、人々がたかだか数十万数百万のローンに