笹山敬輔のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
明治、大正、昭和の時代に活躍あるいは暗躍した有名興行師の栄枯盛衰を簡単に記した本。近代芸能史の入門本と言える。
紹介されている興行師たちは、十二代目守田勘弥、大谷竹次郎(松竹)、吉本せい(吉本興業)、永田雅一(大映)、小林一三(東宝)の5人。
大映を除いては、現在もトップクラスのエンタメ企業として営業を続ける企業の立ち上げから現在に至るまでのストーリーは強烈でかつ、魅力的。
私は本書でなぜ松竹が歌舞伎座を所有し、かつ歌舞伎興行を行っているのかを初めて知った。
その他、上記企業、興行師にまつわるドラマチックなエピソード満載。
巻末には参考文献&ブックガイドとして、さらに興味がある人のた -
Posted by ブクログ
ネット配信が当たり前になる前のメディアの王さまはテレビだった。しかし、その前には映画の時代があり、さらには舞台の時代があった。
歌舞伎座、松竹、吉本、大映、東宝、宝塚の始まり。それぞれ新旧の激しい戦い、かつての開拓者はいつしか慢心し既得権益を守ろうと新しい可能性を排除しようとする。その繰り返し、興行と任侠の不可避な関係性、演劇だけではなく映画なんかのメディアに従事する人たちも知らないような、かつての歴史。
当然ながら興行師たちは死んでいき、意志は引き継がれず、大きな組織はもはや先達のような興行師を必要とはしなくなる。
ただ、彼や彼女たちが作り上げた文化から派生したものが続いてる。例えば宝塚がな