福留真紀のレビュー一覧
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ネタバレ時代により側近の概念が変化していく
①出頭人という存在から年寄、本多正信・正純、大久保忠隣(初代家康)土井利勝(2代秀忠)松平信綱(3代家光)側近老中牧野親成(4代家綱)
②「外から来た将軍」を支えた柳沢吉保( 5代綱吉)
二代の将軍に寄り添った間部詮房( 6代家宣 7代家継)
御側御用取次小笠原胤次(8代吉宗)
③側用人と老中を兼ねた田沼意次 (9代家重 10代家治)
※職務をわきまえぬ有馬氏倫・加納久通
最長政権の実力者松平定信、松平信明、水野忠成 (11代家斉)
④幕末の将軍と幕閣の変質、御側御用取次は三侫人林忠英・水野忠篤・美濃部茂育(12代家慶)裏切り取次本郷泰固(13代家定)ある意味側近勝海舟(14代家茂15代慶喜) -
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権力は誰のものか。一人の儒学者の目を通すことで、江戸の政治が生き生きとよみがえる。本書の目的は、幕府の儒学者という比較的将軍に近い位置で幕府政治を見つめてきた「室鳩巣」という一人の人物の目を通して、政治家たちの人間模様を見ていくことにある。(2014年刊)
・プロローグ
・第一部 徳川家宣・家継の巻
第一章 理想論者・徳川家宣
第二章 幼少将軍徳川家継
第三章 儒者たちの闘いー新井白石と林信篤
第四章 老中と間部詮房
・第二部 徳川吉宗の巻
第一章 「八代将軍吉宗」の誕生
第二章 前代からの老中と吉宗側近
第三章 吉宗が信頼した家臣・吉宗が疎んだ家臣
第四章 吉宗が目指した幕府財政立て直し
・あとがき
面白い本である。室鳩巣の弟子が残した史料「兼山秘策」をもとに、幕府の権力構造に迫っている。新書ながら充実しているとも言えるし、新書の限界を露呈しているとも言えるが、読みやすく、取っ付き易い内容である。
室鳩巣の名前は知っていたものの、どういう人かは知らなかったが、新井白石とも親交があり、吉宗のブレーンとなった儒者であるという。「兼山秘策」には室鳩巣からの手紙なども収録されており、それにより、プレーンとしての活躍の一端が窺えるという。
徳川家宣・家継と徳川吉宗。それぞれに政治手法は異なるが、どの様な政治を行おうとしたのか、興味深く読むことが出来た。もっと掘り下げて欲しい内容である。 -
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先日観た大河ドラマ「元禄太平記」総集編で柳沢吉保が気になり、その延長線で購入。(笑)
「悪役」イメージの「側用人」柳沢吉保の実像を、限られた史料の中からわかりやすく再現を試みる。
まず、「側用人」という制度としての役職は綱吉期にはまだなく、綱吉の側近として、綱吉の政治的意思を尊重し、また綱吉の日常空間を管轄する存在であったということである。時には綱吉へ何度も諫言したということだが、その権勢は綱吉との個人的関係のものであるため幕府政治への直接関与はできず、むしろ、「新興大名」として驕らないようにし、「慎み」をモットーとしたということである。
悪役イメージは、すでに綱吉亡き後から形作られ、現政権(家宣)が前政権(綱吉)を批判したのが、庶民向けの本や演劇も加わって後世にまで伝えられたということ。息子吉里のご落胤伝説もそうした創作世界での話ということだが、そうした史料は伝えられるものではなく、そこは少々歯切れが悪いように感じた。(笑)
綱吉小姓530石から、破格の15万余石の大名にまで上り詰めた吉保がいかに慎み深く、文武両道の藩構築を目指そうとも、所詮、綱吉最側近が故に、やっかみ半分、政治的宣伝半分として綱吉政権時の負の側面を全て背負い込む結果となったのであろうか。
公的な立場でないがため綱吉政権内部の関与のほどを知る詳しい史料は残されていないようで、柳沢家家老の薮田が遺した史料に大きく依拠している本書でもあり、いかに本人が慎み深くしていようとも、実際問題として「悪」の存在であったのかは今後気になるところだ。(笑)