福留真紀のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
権力は誰のものか。一人の儒学者の目を通すことで、江戸の政治が生き生きとよみがえる。本書の目的は、幕府の儒学者という比較的将軍に近い位置で幕府政治を見つめてきた「室鳩巣」という一人の人物の目を通して、政治家たちの人間模様を見ていくことにある。(2014年刊)
・プロローグ
・第一部 徳川家宣・家継の巻
第一章 理想論者・徳川家宣
第二章 幼少将軍徳川家継
第三章 儒者たちの闘いー新井白石と林信篤
第四章 老中と間部詮房
・第二部 徳川吉宗の巻
第一章 「八代将軍吉宗」の誕生
第二章 前代からの老中と吉宗側近
第三章 吉宗が信頼した家臣・吉宗が疎んだ家臣
第四章 吉宗が目指した幕府 -
Posted by ブクログ
先日観た大河ドラマ「元禄太平記」総集編で柳沢吉保が気になり、その延長線で購入。(笑)
「悪役」イメージの「側用人」柳沢吉保の実像を、限られた史料の中からわかりやすく再現を試みる。
まず、「側用人」という制度としての役職は綱吉期にはまだなく、綱吉の側近として、綱吉の政治的意思を尊重し、また綱吉の日常空間を管轄する存在であったということである。時には綱吉へ何度も諫言したということだが、その権勢は綱吉との個人的関係のものであるため幕府政治への直接関与はできず、むしろ、「新興大名」として驕らないようにし、「慎み」をモットーとしたということである。
悪役イメージは、すでに綱吉亡き後から形作られ、現政権(