家近良樹のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ理路整然とした文章で読みやすい!
1日で読破。構成もわかりやすく、西郷隆盛の人生を一通り知っている人であれば誰でも楽しめる1冊。
どの章も魅力的でわかりやすいけど、特に惹かれたのは西郷の7つの謎のうち、
何故早い段階で自決しなかったか、という点を
自分のために死んでくれる者がいることを無上の名誉だと思っていたのでは、という
筆者の見解。
正しいか正しくないかは置いといて、いやー面白いし正直、ありえない話ではない。
筆者が述べている通り、西郷隆盛はただ単なる豪胆なヒーローではなくて、繊細、人間嫌いな面もあり自分を好んでくれる人間には優しくする。
そう考えると、とんでもなく歪んだ自己肯定感として -
Posted by ブクログ
[もう1つの主役]対外的な危機を背景として薩長を筆頭とする雄藩が倒幕に乗り出すという、巷間に溢れる幕末史の見方に新たな視点をもたらす意欲作。これまであまり注目を集めてこなかった、強硬な攘夷論者の孝明天皇、そしてその背後に控えた「一会桑(一橋慶喜(注:後の徳川慶喜)、会津・桑名両藩)」の動きとその役割に光を当て、知られざる歴史の一面を明らかにしていきます。著者は、中学・高校の先生を勤めながら歴史を学んだという家近良樹。
取り上げられた対象が素晴らしければ、その時点で本の面白さが一定程度は保証されるといっても過言ではないと思っているのですが、孝明天皇という対象はまさにそのような一例なのではない -
Posted by ブクログ
[ 内容 ]
孝明天皇といえば、近年の研究では、朝廷の実権を握る摂関家や、開国を迫る幕府に、敢然と立ち向かった豪胆な性格の人物とされる。
しかし史料から浮かび上がるのは、周囲への配慮と優しさをみせ、重大な決断を迫られて苦悩する姿である。
孝明天皇の実像とは?
なぜ岩倉具視ら中下層公家集団が発言力を持つようになったのか?
本書では、考明天皇や関白鷹司政通らの動向を中心に、公家社会の実態に迫り、幕末史の新たな視点を示す。
[ 目次 ]
第1章 孝明天皇は豪胆な性格の持ち主か
第2章 幕末期的状況とは何か
第3章 ペリー来航とその影響
第4章 ペリー再航後の朝廷
第5章 孝明天皇はなぜ開国路線の前 -
Posted by ブクログ
ネタバレ幕末は好きだけど、土佐のことは詳しく知らないなと思い手に取った一冊。
著者の別本を読んだことがあって非常に読みやすかったのですが、今回もハズレなし!
史料引用の後にはつまり、とまとめてくれてるので理解がしやすかった。
それにしても、著者も書いているが
山内容堂の「チャンスの逃し方」と「粘り強さの無さ」。後藤象二郎らが悔しがったらしいが、私も読んでて思わず悔しくなりそうだった(笑)
大政奉還後の小御所会議なんて、最初は岩倉具視とバトルが出来るくらい、徳川家だけの納地返官に大反対してたのに、再開したらだんまりなんて(笑)
著者も書いていたが、本当に酒の力もあったら面白いけど……
ただ、そこにも実 -
Posted by ブクログ
何かで読んだのだけど、日本人は「覇」という文字を、例えば「〇〇高校甲子園制覇」」のようにいい意味として使う傾向があるが。漢字の本家、中国では「覇」はいい意味の文字ではないらしい。
「覇」というのは、国を力で治める(だったか?)みたいな時に使う言葉で。
国は「徳」で治めなければならないとする中国の価値観では、力で治める「覇」は卑しいみたいな感覚があるらしい。
それを知った時、『三国志』の主人公が、物語の主人公としては大よそツマンナイ劉備玄徳と諸葛孔明なのはそういうわけなのか!wと大いに納得したというのはさておき(^^ゞ
つまり、私たち日本人が西郷隆盛(の価値観)を理解できないのは、そういうことな