中島真志のレビュー一覧
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フェイスブックが進める、新デジタル通貨「リブラ」の発行計画。それに対抗する世界各国の金融当局。デジタル通貨を巡って繰り広げられる覇権争いの様相を解説した書籍。
フェイスブックが発行の意向を表明したリブラは、主に以下のような特徴を有したデジタル通貨である。
・「リブラ協会」が中央の管理者および発行主体となる。
・「100%の裏付け資産」を持つ。そのため価格が安定する。
・主要5通貨からなる「通貨バスケットにリンク」することで、通貨価値が固定化(ペッグ)される。
リブラ構想は各国の危機感を煽った。その要因は以下の通り。
・通貨価値が安定しており、支払手段として使いやすい。
・27億人に及ぶフェ -
Posted by ブクログ
デジタル通貨はマイナス金利がつけられる。
ビットコインは生き残らないがブロックチェーン技術は使える。
マイニングによって、取引の承認が行われる結果、安全性が確保される。発行上限が決まっている=インフレに強い、デフレになりやすい。マイニングがとまると破壊的。
マイニングのリワードは4年ごとに半減する。2140年にはラストデイを迎える。
貨幣の三大機能=一般的交換手段、価値の尺度、価値の保蔵手段
シルクロード事件、マウントゴックス事件、ランサムウェア事件の身代金支払い手段として。
中国が取引のほとんどを占める。外貨交換規制の抜け道として使っている。
ICOは多額の資金が集まる。イーサリアム -
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決済のすべて系の本を書いている著者。
決済リスクをいかにCLS銀行がmitigateしているかを書いている本。
決済リスクの関連リスクとしては、オペリスク、信用リスクなどがある。
決済リスクは確かにテールリスクではあるが、いざ起きた時の損失は計り知れないとはまさにその通り。
この決済を、民間期間であるCLS銀行が担っているのだからすごいとしか言いようがない。
PVP決済をすることで実質決済リスクをゼロにしているわけだが、独占以外のなにものでもないと思うのは自分だけだろうか。
ただ、ライバルが出てこないのは、決済という信用が物を言う世界で、CLS銀行は実績があるし、各中央銀行も半民半官の扱いをし -
Posted by ブクログ
ブロックチェーンの本。著者は日本銀行出身。ビットコインの問題点、ブロックチェーンについての基本的内容と金融分野での応用状況(デジタル通貨、国際送金、証券決済)について書かれている。
金融分野に特化した本なので、ブロックチェーンのビジネスへの応用可能性を探るには向いてない。細かい話も多い。金融関係の人にはおもしろいかもしれない。ビットコインが非常に偏った運用に陥っていること、各国の金融分野でのブロックチェーンに対する実証実験への積極性などの部分は参考になった。
以下、主なメモ。
■ブロックチェーン
・ブロックチェーン=分散型台帳技術、DLT、Distributed Ledger Techn -
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「アフター・ビットコイン 仮想通貨とブロックチェーンの次なる覇者」 中島真志 ★★★☆☆
すごくニッチです。
ビットコインを投資(投機)ととらえている人には役に立たず、
ブロックチェーンをシステムとしてとらえている人にも役に立ちません。役に立つのは、金融業界にいる人で、ブロックチェーンに係わりそうとかシステム部門の人だけでしょうか。
ビットコインの光を謳う書籍が多い中で、ビットコインの闇を扱う点で価値があります。
なのでそこは面白いです。
一方で、著者の専門分野である、銀行の取引の部分になると急につまらなくなります。
ただ、銀行間のやりとりとか国際送金の仕組みなど知らなかったので非常に勉強に