中島真志のレビュー一覧
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フェイスブックが進める、新デジタル通貨「リブラ」の発行計画。それに対抗する世界各国の金融当局。デジタル通貨を巡って繰り広げられる覇権争いの様相を解説した書籍。
フェイスブックが発行の意向を表明したリブラは、主に以下のような特徴を有したデジタル通貨である。
・「リブラ協会」が中央の管理者および発行主体となる。
・「100%の裏付け資産」を持つ。そのため価格が安定する。
・主要5通貨からなる「通貨バスケットにリンク」することで、通貨価値が固定化(ペッグ)される。
リブラ構想は各国の危機感を煽った。その要因は以下の通り。
・通貨価値が安定しており、支払手段として使いやすい。
・27億人に及ぶフェイスブックユーザーという、膨大な数の「潜在的な利用者」を擁している。
・世界の有力企業がリブラ協会に参加しており、モノやサービスの決済通貨としてすぐに使われる可能性がある。
各国から批判を受け、リブラは「単一のグローバル通貨」の発行という方針の転換を余儀なくされた。リブラの実現に向けては、今後、各国当局との交渉に相当な時間を要することが見込まれ、目標とされる2020年中の導入は困難とみられる。
価格の変動が大きい仮想通貨市場では、価格の安定化を図った「ステーブルコイン」が登場している。だがそれも、価格の振れを完全にゼロにできる訳ではない。こうした点のさらなる改善を目指して出てきたのが、デジタル通貨である。
今、世界の中央銀行は「中央銀行デジタル通貨」(CBDC)の発行に向けて動いている。いくつかの中銀は、現在の銀行券に代わる「小口決済用CBDC」の発行を3年以内に見込むなど、中銀デジタル通貨の発行はすでに秒読み段階に入っている。 -
Posted by ブクログ
デジタル通貨はマイナス金利がつけられる。
ビットコインは生き残らないがブロックチェーン技術は使える。
マイニングによって、取引の承認が行われる結果、安全性が確保される。発行上限が決まっている=インフレに強い、デフレになりやすい。マイニングがとまると破壊的。
マイニングのリワードは4年ごとに半減する。2140年にはラストデイを迎える。
貨幣の三大機能=一般的交換手段、価値の尺度、価値の保蔵手段
シルクロード事件、マウントゴックス事件、ランサムウェア事件の身代金支払い手段として。
中国が取引のほとんどを占める。外貨交換規制の抜け道として使っている。
ICOは多額の資金が集まる。イーサリアムが使われるのでビットコインより上昇率が高い。
中央銀行がこのような仮装通貨を発行する。貨幣は時代とともに変化した。貝殻から穀物、金属貨幣、兌換紙幣、不換紙幣、電子マネー、デジタル通貨?
スウェーデンはeクローナを目指している。しかし国民は気乗り薄。すでに多くの小口取引で、スィッシュというサービスが普及している。
現金の転々流通性をどのように確保するのか。=オープンループ型。
電子マネーはクローズドループ型でその都度発行体に戻す仕組み。
現金の持っている匿名性をどこまで確保できるか。中央銀行が支払いデータを持っていていいか。
中央銀行マネーは現金と当座預金の2種類。
銀行券を電子化する現金型デジタル通貨=現金の代わり。
デジタル通貨はコピーが可能。この点、ブロックチェーンが有力な選択肢になる。
誰がマイニングを行うか。取引承認に時間がかかると実用にならない。
銀行の中抜きの発生。中央銀行から直接供給されれば銀行の為替業務が必要ない。
現実性は乏しいのでは。
中央銀行が民間銀行に発行し、それを個人が利用する。RSコイン。
ゲゼルのスタンプ付き紙幣=地域通貨では使われたことがある。マイナス金利付き紙幣。
国際送金の問題。SWIFTを使ったものとリップルの送金モデル。リップルは早くて安い。国内送金も一緒にできる仕組み。 -
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決済のすべて系の本を書いている著者。
決済リスクをいかにCLS銀行がmitigateしているかを書いている本。
決済リスクの関連リスクとしては、オペリスク、信用リスクなどがある。
決済リスクは確かにテールリスクではあるが、いざ起きた時の損失は計り知れないとはまさにその通り。
この決済を、民間期間であるCLS銀行が担っているのだからすごいとしか言いようがない。
PVP決済をすることで実質決済リスクをゼロにしているわけだが、独占以外のなにものでもないと思うのは自分だけだろうか。
ただ、ライバルが出てこないのは、決済という信用が物を言う世界で、CLS銀行は実績があるし、各中央銀行も半民半官の扱いをしているのだから安泰なんだろう。 -
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ブロックチェーンの本。著者は日本銀行出身。ビットコインの問題点、ブロックチェーンについての基本的内容と金融分野での応用状況(デジタル通貨、国際送金、証券決済)について書かれている。
金融分野に特化した本なので、ブロックチェーンのビジネスへの応用可能性を探るには向いてない。細かい話も多い。金融関係の人にはおもしろいかもしれない。ビットコインが非常に偏った運用に陥っていること、各国の金融分野でのブロックチェーンに対する実証実験への積極性などの部分は参考になった。
以下、主なメモ。
■ブロックチェーン
・ブロックチェーン=分散型台帳技術、DLT、Distributed Ledger Technology
・応用分野: 仮想通貨(1.0)、金融分野(2.0)、非金融分野(3.0)
・特徴: 改ざん耐性が高い、可用性が高い、運用コストが低い
・オープン型: 取引の自由、参加の自由に主眼。ビットコインはこっち。中央管理者を設けないため、構築に手間がかかる
・クローズド型: 取引の安全性や信頼性、取引のリアルタイム性、早期の決済完了性に主眼。主流となる可能性が高い
■ビットコイン
・ビットコインを支えるしくみ: ブロックチェーン、プルーフ・オブ・ワーク(複雑な計算をさせることで、取引データの改ざんを防ぐ)、マイニング(通貨の発行。複雑な計算の最初の正解者に報酬として与えられる)
・通貨の三大機能は、①一般的交換手段、②価値の尺度、③価値の保蔵手段。ビットコインは、①②を限定的に満たすが、投機対象として③が中心
・ビットコインの問題点: 匿名性から闇取引に利用されやすい、取引所など流通経路や管理体制が確立されていない、マイニングの集中化(中国)、発行上限→ビットコインの将来性は厳しめ
■その他応用
・中央銀行によるデジタル通貨。主な課題は、転々流通性、匿名性、偽札リスク大(データは複製可能)
・媒介通貨による国際送金の高速化、低コスト化
・証券決済の低コスト化 -
Posted by ブクログ
「アフター・ビットコイン 仮想通貨とブロックチェーンの次なる覇者」 中島真志 ★★★☆☆
すごくニッチです。
ビットコインを投資(投機)ととらえている人には役に立たず、
ブロックチェーンをシステムとしてとらえている人にも役に立ちません。役に立つのは、金融業界にいる人で、ブロックチェーンに係わりそうとかシステム部門の人だけでしょうか。
ビットコインの光を謳う書籍が多い中で、ビットコインの闇を扱う点で価値があります。
なのでそこは面白いです。
一方で、著者の専門分野である、銀行の取引の部分になると急につまらなくなります。
ただ、銀行間のやりとりとか国際送金の仕組みなど知らなかったので非常に勉強になります。
金融系のエンジニア1年生に読ませたいです
#引用
・ビットコインについては、下記などの様々な課題や問題点があり、これらを総合的に考えると、ビットコインの将来については厳し目に見ておいた方がよい ・ダーティなイメージの広がりと信頼の低下
・保有・採掘・取引構造の偏り
・発行上限やりワード半減の仕組みの持つ弊害
・ブロックサイズ問題と分裂騒動
・仮想通貨に対する規制導入の動き
・健全なコミュニティつくりの失敗
・バブル的な兆候
・ブロックチェーンの応用分野 ・仮想通貨に応用する→「ブロックチェーン1.0
・金融分野に応用する→「ブロックチェーン2.0
・土地登記、資産管理、商流管理、医療情報、投票管理など非金融分野に応用する→ブロックチェーン3.0
・金融分野にブロックチェーンを導入する場合は下記の方向性が明らか ・参加者の範囲を絞り込むクローズ型とする
・合意形成は、取引の高速処理が可能な「実用的ビザンチン・フォールト・トレランス(PBFT)」系のアルゴリズムや当事者間による取引承認を行う
・必要な場合には、ノードによって役割を分ける
・トランザクションの検証・承認には特にリワードは与えない
・取引当事者以外には取引内容が見られないようにプライバシーの制限を行う