野口旭のレビュー一覧
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本書の意義を見るには当時の小泉政権発足当初のマスコミやその政権に対する過剰な政治「期待」の一億総ヒステリー状況があったことを認識しておく必要がある。9月30日、 小泉改造内閣が発足。柳沢伯夫金融大臣を更迭して、竹中経財相に兼務させた。これにより以後は不良債権処理の強硬策を主張する竹中が小泉政権の経済政策を主導した。当時はデフレ下で、当時は株価が7000円台にまで落ち込み、住宅価格も落下していた。すなわち資産価格の下落が激しかったのである。そこで、金融機関の貸し渋りと不良債権が問題視され、株価の下落は金融機関の含み益の減を通じて、自己資本比率8パーセントも割り込む事態が発生しつつあった。こう
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「アンチ・リフレ派によるリフレ派批判その2
筆者が注目したもう一つのリフレ批判は、松原隆一郎氏(東京大学教授)のウエブサイト「思考の格闘技」に掲載されている、二〇〇四年七月六日付けのコラム的論考「バカさえ…」である。木村剛氏の場合とは異なり、この松原件の批判は、その対象はリフレ派であり、とりわけ『エコノミスト・ミシュラン』の三人の編者でえることを明示した上でなされている。それは形式的にも、それ以前に展開された一連の応酬、すなわち松原氏の同「思考の格闘技」における『エコノミスト・ミシエラン』批判「『バカの壁』について」(二〇〇四年二月一七日付)、それへの『エコノミスト・ミシュラン』の三人の編者 -
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著者の新書版「経済対立は何故起こるのか」の改訂版らしい。というのも、野口旭の前著は、絶版扱いであって筆者は読んでいなかった、読めなかったのである。
野口には、基本から解き明かし理詰めで説明してくれる分りやすさがあって筆者好みの論述がいいのである。扱っている内容は、グローバリズムのことだが、グローがリズムの肯定面を貿易の観点から、比較優位説に従って述べてあって素人の筆者にも理解しやすい。グローバリズムという言辞を表題に持ってくるというのも中々に挑戦的今日的だが、「景気拡大」が持続しており、その恩恵を受けている上場企業では、グロバーリズムの否定面を見る向きは少なくなっているだろう今日、出版のタ -
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日本経済はなぜ回復したのか? 逆から言えば、なぜ15年もの長きにわたって低迷したのか?
経済停滞は何よりもデフレのせいであり、歪んだ政策思想に基づく阿呆な経済政策でデフレを放置しつづけた結果であるというのが本書。この本はいわば、リフレ派による「戦後総括」であり、デフレが猖獗を極めた2002年頃からの経済論争を振り返って、なにが正しくて、なにが間違っていたのかということを浮き彫りにしている。
じゃあ、2002~2003年以降、日本経済が回復基調に乗った原因はどこにあるのか?
「まず、その最大の牽引車は、外需の拡大であり、それをもたらした世界的な景気拡大であった。しかしながら、国内のマク -
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自分の頭ではどうも理解できない部分もあった。
例えば、比較優位産業は労働集約的産業→資本集約的産業→R&D集約的産業に移行していくとあったが、これは為替の問題で解決できるようなことではないのか。例えば、現在中国で繊維産業などが盛んに作られているが、これは中国が為替を固定させているからではないか。日本も円安になりさえすれば、そのような産業も少しは栄えたりもするのではないのでしょうか。
他の歴史的事実などの説明に関してはとても分かりやすく、勉強になりました。
中国に関してはイギリスなどのような通貨危機はないかもしれないが、物価を抑えられなくなってバブルになるってのがオチのような気がしてなりません。 -
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[ 内容 ]
グローバル経済の拡大に取り残されつつあるといわれ続けてきたわが国の経済も、ようやく復調の兆しを見せ始めた。
わたしたちは、改めてグローバル化する市場経済の現実を冷静に見つめなければならない。
貿易、経常収支、為替レートなどの問題は、経済を理解するうえでの必須の基本事項である。
本書では正しい国際経済学の見方を、グローバル経済の現実に即して解説する。
[ 目次 ]
第1章 グローバル経済の虚像と実像(グローバル経済を学ぶ意味 グローバリゼーションの光と陰 「グローバル資本主義の危機」は本当か)
第2章 貿易は何のためにあるのか(国際競争主義はなぜダメなのか 比較優位の考え方 貿易