宮入恭平のレビュー一覧
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最初、書店で見たとき、うわあ、こういう本が出るのか、知りたかったなあと膝を打つ思いだった。一冊の本の中に何人かの論者がいて複数のテーマがあるがひとつの線で統一されている印象。ピアノや楽器の習い事の文化、自ら演奏した発表会のチケットを売るノルマ、けいおん!によるバンドブーム、意外とスパルタな軽音部の体育会系の合宿、芸能人による公募展での評価などなど、なんとなく日本で知られる日常である特異な「習い事の現場」が分析される面白さ。
個人的には、デザインフェスタも出展料を払えばだれでも出られるというハードルの低さ、それは選考がないことによるクオリティを保証しないとう状況でもあり、現在に至っては応募者多 -
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[ 内容 ]
夢追う若者から団塊世代までが集い、音楽でのしあがり、音楽を楽しみ、音楽を介して人と出会うための場であるライブハウス。
ロック喫茶・ジャズ喫茶を出自とし、「政治の季節」にカウンター・カルチャーを支える一方で、1980年代を転換期として高度に商業化・システム化していくライブハウスの歴史を浮き彫りにする。
そのうえで、ミュージシャンに課せられるノルマやチャージ制度の実情、プロフェッショナルとアマチュア、インディーズの差異などをレポートし、アメリカのミュージック・クラブやカラオケとも比較して独自の文化形態を明らかにする。
戦後日本の「生演奏の空間」を担ってきたライブハウスの魅力に迫り、そ -
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下北沢の研究を始めて,ライヴハウスの一般論についてもフォローしなくてはならなくなって急遽購入,読んでいる本を中断して読み始めた本。青弓社ライブラリーの一冊だが,このシリーズを読むのは初めて。このシリーズには第1回から何度か私が聴きにいっていた,多摩市が主催,パルテノン多摩を会場とした連続講演の記録がかなり含まれているがそれらも購入したことはなかった。
著者は1968年生まれで大学在学中から活動するミュージシャン。2003年からハワイ大学に留学して社会学修士を取ったという略歴。研究でももっぱら音楽を対象としている。といっても,本書ではほとんど理論や抽象的な議論はない。ミュージシャンとしての彼が長