アダム・オルターのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
多くがゲームやSNSの依存に対しての研究である。途中で、ベトナム戦争でのヘロイン中毒の話があって、あれあれと思うが、その後は、インタグラムやゲームの依存の話である。他書と異なることは、依存にどう対処するかについて、いろいろと書いていることである。一つがゲーミフィケーションであるが、一方的に推薦するのではなく、その批判も3つ掲載している。例えば、高齢者の認知症進行をおくらせるかもしれないということで行われていたゲーム遊びであるが、実際には効果がないということが明らかにされてたとしている。
依存対策としてどうしたらいいかを考えさせる本えある。 -
Posted by ブクログ
面白い!最近脳科学や人間の仕組みについて知るのが面白くてじっくり読んだ。興味深い。
・依存症になる仕組み
自分の心理的な苦痛を和らげる手段としてそれを利用することを学んでしまったときに人は依存する。人に強要されただけでは依存にならない。
・「欲しい」と「好き」は違う
基本は同じ。しかし一致してないと「やめたいのにやめられない」になる。
好きじゃないのに欲しい=快感を脳が覚えてしまっている。対象の魅力が薄れても執着する
・目標追求はあなたを慢性的な敗北状態にする
成功より成長を目指す
・ギャンブルにおける「当たりを偽装したハズレ」
当たりと当たりを偽装したハズレは、人は同じ興奮を感じる( -
Posted by ブクログ
翻訳本は苦手だが、これは読みやすかった。そしてかなりタメになる本だった。
まず、2007年にiPhone、その3年後にiPadを世に送り出し世界を変えたスティーブ・ジョブズが、自分の子にはiPodなどのデバイスを使わせていなかった、というのが衝撃だった。作った本人が、デバイスが幼少期に与える悪影響や依存性を認識していたといえる。
私がこれを読んで思ったのは、自分が生まれた時にまだこれらのデバイスがなくて良かったということ。最近の子は4歳までに8割がなんらかのデバイスに接するらしく(こういったデータも各所に出ていてわかりやすい)、子育てや教育のひとつに、これらの接し方や使い方をどうするかという大 -
Posted by ブクログ
著者はアメリカの大学で行動経済学、マーケティング、心理学を教える。
「依存症ビジネス」とはスマホアプリやゲームのことを指している。ただ本書ではそのビジネスについて詳しく触れているのではなく、人間がそういったものに惹かれてしまう裏側を書いている。
鍵となるのは「行動嗜癖」。(※英語の原訳は何というのだろう?)これは物質の摂取を伴わずとも、強い心理的欲求を短期的に満たし、その一方で長期的には深刻なダメージを引き起こす行動には抵抗できない状態を指す。
自分の理解が正しければ、ちょっとしたきっかけが脳への電気刺激となり快楽中枢を刺激し、以後のめり込んでしまうとういことだろうか。本書に書かれてあるネズミ -
Posted by ブクログ
快楽中枢を直接刺激するような装置により、延々と動物がそれを操作し続けるという動物実験がある。人間も同じような実験が成り立つかというと、恐らくは成り立たない。そのことはつまり、我々が「快楽だけ」を欲しがる生き物ではなく、どこかに不快や不幸をスパイスとして欲している事の証左ではないかと思う事がある。
でも、不快や不幸なんて、特別それを求めなくたって自然と呼びこんでしまうもの。人は気づくと空腹になり眠くなる。親和欲求もあるだろう。だが、常にそれが満たされるわけではないから、満たされなさとの差し引き、つまりその渇望に「不快や不幸」がペタッと名札がつけられて自覚するのだ。そのため、不幸になるキッカケは -
Posted by ブクログ
・行動嗜癖の6つの要素
1)ちょっと手を伸ばせば届きそうな魅力的な目標があること
2)抵抗しづらく、また予測できないランダムな頻度で報われる感覚があること
3)段階的に進歩・向上していく感覚があること
4)徐々に難易度を増していくタスクがあること
5)解消したいが解消されていない緊張感があること
6)強い社会的な結びつきがあること
・人に行動を促したいなら、太刀打ちできない大きな目標ではなく、具体的でチャレンジしやすい小さな目標を与えるほうが有効なのだ。進歩している実感に励まされるし、ゴールラインが見えているほうが前に進みやすい
・ネットゲームでスペースキーは小さな動きではなく大きな動きに合わ -
Posted by ブクログ
ゲーム、薬物、SNSなど様々な依存症について人に依存させる仕組みや人間の心理の観点から、多くの実験結果を含め多面的に解説されている。
中でも、今まであまり注目されてこなかった行動に対する依存 "行動嗜癖" が本作のテーマである。私たちにとってもっとも身近な行動嗜癖はスマホの長時間利用だろう。
本書を読んでいて、今後の未来が少し恐ろしく感じられる点も多かった。
行動嗜癖を見直し、今後も発展を続けるであろうデジタルへの付き合い方を見直すべきだ。
私自身、スマホのスクリーンタイムが6時間を越える日も多い。平均スマホ利用時間は3時間であり、明らかに使いすぎだ。
今後は週平 -
Posted by ブクログ
マーケティングや行動経済学に精通した大学准教授である著者がスマホやSNSがもたらす行動嗜癖という依存症について書いた一冊。
SNSなどが普及する中で深刻化している依存症についてそのメカニズムや依存症になった者の症状、そして解決法に至るまでを様々な研究結果などから書かれていて勉強になりました。
物質だけでなく行動にも依存症が起きることや苦痛から逃れるために依存症を発症することなど依存症についてのメカニズムを知ることができました。
そして、目標、報酬、クリフハンガーによるビンジウォッチング、他人のと比較などを駆使してネット上の様々なサービスが展開されていることも勉強することができました。
また、