高村透のレビュー一覧
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人間に化けた狐の喫茶店で働くことになった詐欺師の青年が主人公の人情話。
青年の行動には詐欺師としての裏があるのだけど、それとは別にあやかしと人との交流話は個人的には好きなので楽しんだ。
ただ、全体的にしっくりしないところがいくつかあって、評価としてはちょっと微妙かな。
たとえば、せっかく狐が女性に化けているのに物語のなかで重要な役割がほとんどない。
これでは、あやかしの設定がほとんど生かされてない。
それに話口調のせいもあるけど、女性設定も全然活かせてないのは残念。
もっと主人公と一緒に冒険したり、つやっぽい場面がほしいところ。
なので、いまのままならあやかしでなくてもいいんじゃないかな。
あ -
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ネタバレメディアワークス文庫というと、比較的ライトなノベルを出してるイメージがあったので、死生観をテーマにした本作はとても異質に感じられました。そのギャップが気になって手に取ってみたのですが、読後の印象としてはぶっちゃけ微妙なところが…
まず、小説内小説の形を取っていることの意義といいますか、それで読み手にどのように楽しんでもらおうと思ってるのか、が私には理解できませんでした。第一章にあたる「鳩居鵲巣(きゅうきょじゃくそう)」で明日香の大変さや悲痛な気持ちに入れ込んでしまったので、むしろその形式を取っているために、仮に作中における現実をモチーフにしていたとしても、フィクションであることが分かったとき -
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適当に就職したメガバンク。
配属されたのは、車内で内々に不正を追及していく部署。
しかも上司は、やたらにかわったネクタイをする男。
連続短編4作なのですが、当然主人公は配属された女性。
妙な上司は坦々としていているわ、ただの好意なのか
違うのかよく分からない発言をする人。
出てくる人達もヘンな人が多いですが
個性が強いので区別が付きやすいかと。
しかし処分の仕方にものすごくリアルを感じます。
訴えた人は首状態なのに、上司は減俸のみ。
その前の話の、相手を辞職に追い込むやり方は
会社として訴えられたらどうするのか、というのが
気にはなりますが。
敵対する人が出てくるのは当然ですが
ものすご -
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SFではないです。舞台に身を捧ぐ若者たちの物語。
いや、主人公「僕」の物語かな。
「僕」が「君」に語る物語だもんな。
物語は、「金星人」を自称する演技の上手な女の子の入団テストから始まる。
が、彼女の入団後の話よりもまずその劇団が出来るに至るまでを回想する
部分が序盤を占め、そこはどうにもつまんなかった。
あと、これは全体的に言えることなんだけど、区切りが異様に多く
ひとつひとつが短くて、まるでコルクボードに適当に貼られた付箋のよう。
おかげでどれも印象が薄く感じてしまったな。
結局面白かったのは残り4分の1くらいだろうか。
そこだけ切り取って短編でも良かったような。
『シアター!』シリ -
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劇団といえば、若者が青春をぶつける先の代名詞のようなものだと思う。
劇団のメンバーはみんな個性的で、劇団ごとに色も違う。
どの劇団を選ぶのかは人それぞれ。
一度劇団に入ってしまえば、その劇団員として、劇をより良くしていくために青春するのです。
本作もそんなお話。
金星人なんて突拍子のない設定もあるけれど、一言で言えば、劇団での苦みの効いた青春ということに尽きる。
前半は若干単調になるけど、中盤過ぎたあたりから話が動き出し、そのままラストまで突っ走る。
自分の限界を勝手に決めそれ以上のことは見向きもしなかった人たちが、その限界を超えていくあたりはいかにも青春な熱さがあってとてもいい。
読後感 -
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ネタバレはい,そんなわけで読みましたよ.
うん,それなりに面白かったよ.
陸上少年だった直人くんが怪我かなんかでドクターストップで引退して
暇を持て余して書いた妄想彼女がなにやら実体化してて
外見だけ設定して具現化したから中身が残念だった彼女に対して
設定を付け足しながらなんだかんだと彼女を理想の彼女にしていく,と
そういう話でござい.
いわゆるマッチョな話.
基本的にテンションがおかしい人が多いっす.
まぁ,直人君もかなりおかしいんだけどね.
で,そんな直人君みたいな能力を持つ人の集団が居て
人を一人具現化して余りある彼の力を欲しがって…って寸法ですね.
そこらへんの話は