石川大我のレビュー一覧
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この本にはかなりお世話になった。母親や友達にカミングアウトした後、「良かったら読んでみて」と手渡した。なので、自分はこの本を3冊も買ってしまっている。
LGBT、セクシュアルマイノリティに関する本は多くある。この本はイラストが多用されていて、文体も石川大我氏が語りかけるような柔らかい感じで親しみやすい。ページ数も多くない。中学生でも理解できる。普段読書をしない母親でも、これなら読めるかなと選んだ。読みが当たったか、カミングアウトした次の長期休暇で恐る恐る探りを入れると、ちゃんと読んでくれていた。練りに練った自分のカミングアウトは、とりあえず失敗ではなさそうだと安心したのを覚えている。
自分 -
Posted by ブクログ
○○第一世代、になれるチャンスが、だれにでも人生のうちには何度かあるように思います。「第一世代」になれた人は、手さぐりの闇のなか一歩を踏み出したり、一筋の光をひとより先に感じることができた人たちです。
インターネットを使うことで、それまで出会うことのなかった人と知り合うことができるようになりました。
出会うことのなかった、知られないままそこにいた、さまざまな、マイノリティ。いまではLGBT、と表現されるようになったひとびとの中にも、インターネットに光を見いだしたひとがいました。著者の石川さんも、その一人だと思います。
たまたま、自分も世代が同じだったので、教室の中が男性と女性では -
Posted by ブクログ
何年か前にテレビかなんかでこの本を知って、読んでみたいなぁと思っていた一冊。
ちなみに私は「普通の」人だと思う。だから、なるほど同性愛者の人はこういったことに不安を感じるのか、これほど悩むのか、と勉強になった。
私には同性愛者の友人がいる。
だけどその友人は異性と寝ている。同性とは付き合ったことも寝たこともない。じゃああなたは異性愛者なんじゃない?と聞いたことがある。
だけど友人は「本当に好きな人には好きだと伝える勇気がない」のだと困ったように言った。
私はよく理解できなかった。なんちゃってじゃないの?とも思ってしまった。
でも、友人は本当に同性愛者なのかもしれない。繋がる勇気を持てないだけ -
Posted by ブクログ
ゲイであることをカミングアウトし、それを周りに認めてもらい、その立場を活かして活動していく。それを実現のものにしていくまでの著者の体験談が赤裸々に綴られている。ゲイであることに悩み葛藤してきた人、ゲイというものがどんなものか分からない人、色んな人に読んでもらいたい。この作品を通して勇気付けられたり、新しい視点を得ることが出来るのではないかと思う。
ただ、ここで一つ言っておきたいこととして、本書で述べられている著者の意見はあくまで「ゲイの生き方のひとつの形」として、とどめて置いて欲しいということ。この著書を読んでいると、ゲイであることの分析に客観性が足りないと言うか、「ゲイに生まれて良かった!」 -
Posted by ブクログ
小学生でも分かるようにマイノリティについて述べた本。
約30人に1人のセクシャルマイノリティ。
でも、決して少なくはない。
そして、
決して変なことではない。
肌の色や性格や顔が人によって違うように、
性自認や性的指向だって人によって違う。
「異性愛者は普通で同性愛者は異常」
という常識自体が異常なこと。
レズ、ゲイ、バイ、トランスジェンダー(性同一性障害)についてはある程度は知っていたけど、
性的指向をもたない「エーセクシャル」というのがあるのは初めて知った。
こういう本を読んで「同性愛はおかしなことじゃない」と子供ならば素直に受け止めるんだろうな。
こういう本は大人 -
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同性愛者がどのような人々か、また同性愛者がどのように生きているかについて、著者の石川大我さんの同性愛者としてのライフヒストリーを通じて、本。日常生活からの話なのでなじみやすく、すぐに読むことができました。
「ゲイに生まれてよかった」事をやたら推す傾向が強いなど、個人的にはやや首をかしげる部分もありますが、出版から10年経った今も、同性愛について間違った報道がマスコミによってなされる事もある現状を考えると、同性愛者の置かれている状況を的確に述べているという点では、この本の存在は未だに大きいものであると思います。
ただしかし、これは同性愛者をはじめとした性的少数者の状況が、出版から10年経った -
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アイドルの女の子を好きなふりをしたり、気になる男子の名を寝言で呼んだらどうしようと修学旅行で眠れなかったり―著者がゲイであることに悩み、認め、周りにカミングアウトしていく、さわやかで感動を呼ぶ青春記
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キリ教の授業で紹介されてたから読んでみた!
途中やおい本の話が出てきたけど、おたくは割と同性愛者とわかりあいやすい気がするよね
なんかネットで知り合いさがして同志に会えたときの感動、とか書いてあったけどまさに、隠れオタがネットで交流してオフ会して仲良くなっての流れと同じだもんな…笑
私の場合、もうまわりがおたくで固められたからマイノリティにはかんじないけど…いまだ -
Posted by ブクログ
この本が2000年代のゲイ青少年像をつくったといってもいいんじゃないだろうか。そのへんの街にいる、悩んだり苦しんだりしている、オネエってわけでなかったりする、カッコよかったりするんだって。
パソコンとの出会いから世界が広がっている様とその喜びを書いてあるところは胸が熱くなる。若い頃って多くの人が閉塞感に取り巻かれたりするけれど、中身が何であるかに限らずそういう気分でいる人たちには共感をもってもらえると思う。また、同性愛者の権利などに注目しながら法律学者になろうと思っていた大我さんが、そのこと(学者や知識人の立ち位置になること)に逃げのような思いを感じるようになり、市井の人々のなかで生きていこう -
Posted by ブクログ
同性愛を理解してほしい、という筆者の思いはよくわかる。個人的な体験を率直で平易な語り口調で書くことにより、その思いを伝えることにある程度成功しているとは思う。
しかし、なぜだか解らないけれど、この本を読んでも、少なくとも私は何らかの新たな行動を起こそうとは思えない。おそらくは、感情に訴えかける説得力(描写力)だったり、論理構成だったりが弱いのだろうと考える。終始同性愛者としての目線のみで語られているので、「差別する側」の心理にうまく答えを出せていないのではないか。
尚、念のため記載すると、私だって人権問題は大きな問題だと捉えているし、同性愛者が手をつないでディズニーランドに行けない状況は -
Posted by ブクログ
本書は石川大我さん(以下、石川)という方の自伝である。
彼は同性愛者である。そんな彼のゲイとして生きていくことを自覚するまでの過程の話である。
本書の中に、次のような文章がある。
「「タイガくん、彼女いないの?」
日々の生活で何気なく交わされる言葉。こんな質問にも常に気 をはっていなければいけない日々の生活から解放されて、自分 の思うこと、考えることを思う存分話せるようになりたい。」 (P.12)
ここからわかることは、私たちが日常はなす言葉の端にも、性への規範が染みついているということであろう。石川が男であるということで、相手は女性であることが強制されるのである。なぜ相手は女性で