イーヴリン・ウォーのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
1920年代の無軌道な「陽気な若者たち(ブライト・ヤング・ピープル)」を描いた小説。パーティーとゴシップと空騒ぎを繰り返す。
前作『大転落』にも登場したマーゴット・メトロランド夫人(元ベスト=チェットウィンド夫人)とその息子ピーター・パーストマスター、サーカムフェランス夫人、マイルズ・マルプラクティス(『大転落』では下院議員として)も引き続き登場する。
ドタバタやブラックユーモアなど、それぞれの場面は面白いけれど、ストーリー全体としてはとりとめのない印象。作者自身の後年の評価も高くない。
デヴィッド・ボウイの愛読書100冊のなかのひとつ。 -
Posted by ブクログ
ブライズヘッドという広大な邸宅、そこに住む人々――。華麗にして、精神的苦悩に満ちた回想録。
やはりなんといっても、主人公の友人・セバスチアンの人物造詣が魅力的であった。
貴族の次男であり、大変な美貌の持ち主、そして人を魅了せずにはいられない人柄。
そんな彼が、厳重なカトリックの家(この家がブライズヘッドである)にどんどん蝕まれていく様子が読者をひきつける。家族が彼に構えば構うほど、荒廃していくセバスチアン。ああ、なんと繊細でいて純粋な存在。しかも美しいと来た。彼がその生来の魅力ゆえに、家族の影響を受け流すことができずにいる様が、鮮やかに描かれている。
純粋なものがその純粋さゆえに傷つくのを描