コーネル・ウールリッチのレビュー一覧

  • 黒衣の花嫁
    一応ミステリーなのかな?
    謎解き要素は一切ないに等しいんだけどね。

    実際にこの女がなぜ殺人を繰り返したかは
    最後の章になるまで明らかとはなりません。

    最後だけ動きがあるので
    ついにやりよると思えるはずですし。
    実に読者にとっては親切です。

    親切すぎますね。

    ただ、真相はあまりにもやるせない
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  • 黒い天使
    泣けた。静かに泣けた。夜の切なさに包まれたかのようだ。やはりウールリッチはすごい。

    『喪服のランデヴー』に代表される連作短編集のように物語を紡ぎだすウールリッチのスタイルは健在。今回は夫の冤罪を晴らすべく浮気相手の4人の男と妻アルバータの物語として描かれる。
    1人目はミアに魂を抜かれた元夫で人生の...続きを読む
  • 喪服のランデヴー
    詩情あふれる、それでいて抑制された文体でつづられる切ない復讐の物語。
    とってもよかったです。
    よかったことが、記憶に残る。
  • 喪服のランデヴー
    飛行機から投げ捨てられた空き瓶によって、ひとりの娘の命が奪われた。彼女の恋人だった青年はその飛行機と乗客5名をつきとめ、…やがて、その乗客たちの妻や恋人に、次々と死が訪れる。
    『幻の女』や『暁の死線』ほど知られていないように思うが、個人的には最も好きな作品のひとつ。全編にウールリッチ/アイリッシュ独...続きを読む
  • 黒い天使
    ウールリッチ作品(ウィリアム・アイリッシュ名義含む)の中で、一番好きかも!!『幻の女』もいいですが・・・
    ひとつひとつのエピソードが、短編色を帯びていて、おもしろかったです。




    !!注!!以下ネタバレ

    最後はショッキングでした。
    ラッドとのやりとりがすごく好きだったので・・・

  • 喪服のランデヴー
    残るのは無だけなんだよね…
    飛行機から落ちてきたものによって
    愛しい人を失う羽目になった男。

    やがて彼は姿を消し、
    その狼藉に関わったものたちを
    不幸に貶める復讐鬼へと変貌したのです。

    1人を除いては巻き添えですね。
    なぜ一人を除いたかって?
    こいつがバカをやったために
    鬼を目覚めさせたから。
    ...続きを読む
  • 喪服のランデヴー
    いやはやアイリッシュ、もといウールリッチは設定がすごい。発表後60年近く経った今でもその設定は斬新だ。
    ある街で愛し合う若い男女がいる。非常に初々しい二人の間にやがて悲劇が訪れる。ある飛行機から落とされたビンがたまたま彼女に当ったのだ。最愛の女を失った彼は廃人となり、やがて復讐の鬼と化し、同日同時間...続きを読む
  • 喪服のランデヴー
    飛行機から誰かが投げ落としたビンが、最愛の恋人の命を奪った。心を狂わせてしまったジョニー・マーは、その飛行機と5人の乗客を突き止め、彼らに同じ思いを味わわせることだけに人生を使う。止めることの出来ない、綿密に計画された犯罪。一方警察は、僅かな手がかりから次の犠牲者を突き止め、犯行を食い止めようとする...続きを読む
  • 喪服のランデヴー
    翻訳を通しても、都会的で洗練された文体の強度を失わない稀有な作家の一人、ウールリッチ/アイリッシュ。1948年発表、ブラックシリーズの代表作でもある「喪服のランデヴー」では、その耽美なレトリックがすでに完成しており、序章と終章における溜め息が出るような情操の表現を味わうだけでも読む価値がある。上空を...続きを読む
  • 黒い天使
    「幻の女」のコーネル・ウールリッチです。
    この著者、女嫌いだったはず…でも、かわいいキャラのヒロインに好感持てました。
    Mの頭文字を持つ男性に次々挑んで行く~
    かなり古い内容なのに、「幻の女」同様読みにくくは無かったでした。
    読み終えて初めて気が付いたけれど、なんて素敵な表紙!
    (カバー付きのままの...続きを読む
  • 黒衣の花嫁
    さすがアイリッシュ、と稲葉明雄。ムード作りがうまい。筋はまあ普通。ちょっと物足りないところもあるが、それを補ってあまりあるほどムードが良い。
  • 喪服のランデヴー
    それは本当に悲しい偶然だった―
    ある夜、ひとつの街角で愛する人を待っていた可憐な少女は理由もわからぬまま命を落とす。

    原因は遥か上空を飛ぶ飛行機から赤の他人が投げた1本の空き瓶だった。
    不幸にも恋人を失った青年は妄執の鬼と化し、原因を作り出した見知らぬ他人の命を一人ずつ狙っていく―


    サスペンス...続きを読む
  • 黒い天使
    まるでヒチコックを見ているかのよう。プロットに弱点はいくつかあれど、そんなことはまるで気にならない「作り話」の面白さを見せてくれる。時代設定がだいぶ昔なので、現実味など感じようと思ってこの本を選んだわけでなし。少し前のミステリを久々に読んだ。とてもよかった。
  • 黒衣の花嫁
    女は見送りの幼馴染にシカゴに行くと言い残しNYを旅だった。だがすぐに次の駅で列車を降りてしまう。適当に探した宿に落ち着くと、一枚の写真と名前が書かれた5枚の紙を燃やした。そしてしばらくして…ひとり、またひとりと男が不審な事故死で亡くなる。これらの事故に共通するのは黒い衣服を着た謎の女が絡んでいるらし...続きを読む
  • 黒衣の花嫁
    ロマンチックな復讐譚。退場の仕方も昔のモノクロ映画のよう。映画版はほとんどホラー状態で終わってしまった。
  • 喪服のランデヴー
    ドラマ版の方をお薦めしたくて紹介。原作は未見です(おい)。
    自分の地位を守るために1人の女性を殺害してしまった4人の権力者。毎年、彼女の命日に1人ずつ4人の愛する人が殺されてゆく。そこには女性の婚約者であった青年の影があった・・・。まぁ復讐劇ですわ。物凄い切ない。ドラマは全5話で、ちょっと淡白で説明...続きを読む
  • 黒衣の花嫁
    〝第二のフィッツジェラルド〟を目指していた文学青年ウールリッチがミステリ作家へと転身したのちの初長編で1940年発表作。全体の印象と物語の構造は、後の「喪服のランデヴー」(1948)と重なる部分が多い。そして、二作品ともウールリッチの代表作である「幻の女」(1942)に次ぐ名作として評価が高い。

    ...続きを読む
  • 恐怖
    実にウールリッチらしい佳作。
    結婚を間際に控えた花婿が一夜の情事から他の女と遊んでしまう。これが彼にとって破局の始まりだった。その後彼女は彼をゆすり続け、とうとう彼は逆上し、首を締めてしまう。そしてそれから見えない警察の魔の手を恐れるようになり、辺鄙な街へ移り住んでは新たに現れる彼を取巻く不信な人物...続きを読む
  • 黒衣の花嫁
     さりげなくターゲットに接近しなにごともなかったかのように殺していく幻の女。彼女の名前は誰も知らず、ただ黒いドレスを着ていたことだけが手がかりだった。彼女の目的はいったい・・・。
     コーネル・ウールリッチお得意のサスペンス。彼の作品「黒い天使」でも女の執念やそれにあてられる被害者たちの転がり落ちるよ...続きを読む
  • 喪服のランデヴー
     飛行機に乗っていた誰かの、ふとした行動から、一瞬のうちに愛する女性を失ってしまったジョニー。数日後、彼の手にはそのとき飛行機に乗っていた客の名簿が握られていた。彼はその名簿に載っている男の妻や恋人たちを残らず殺そうと計画したのだ。―どんな気持ちかね―というカードを添えて・・・。
     ウールリッチのロ...続きを読む