コーネル・ウールリッチのレビュー一覧

  • 黒衣の花嫁

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    ネタバレ

    一応ミステリーなのかな?
    謎解き要素は一切ないに等しいんだけどね。

    実際にこの女がなぜ殺人を繰り返したかは
    最後の章になるまで明らかとはなりません。

    最後だけ動きがあるので
    ついにやりよると思えるはずですし。
    実に読者にとっては親切です。

    親切すぎますね。

    ただ、真相はあまりにもやるせない
    形にはなってしまっています。
    だけれども、あるものにてさえ出さなければ
    きっとこの女性は復讐の鬼には
    ならなかったはずですよ…

    しかしまさかが隠されていたとはねぇ…

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    2023年10月21日
  • 黒い天使

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    ネタバレ

    泣けた。静かに泣けた。夜の切なさに包まれたかのようだ。やはりウールリッチはすごい。

    『喪服のランデヴー』に代表される連作短編集のように物語を紡ぎだすウールリッチのスタイルは健在。今回は夫の冤罪を晴らすべく浮気相手の4人の男と妻アルバータの物語として描かれる。
    1人目はミアに魂を抜かれた元夫で人生のどん底の貧民街で暮らす男の話。
    次はミアを麻薬の運び屋に使っていた違法医師の話でスリラータッチのこの話がもっともぞくぞくした。
    3人目の男は資産家の遊び人だがとても魅力的な男との話。
    そして最後の男はナイトクラブを経営する裏稼業に足を突っ込んだ男の話。

    最初の2人目まではおろおろしながらも勇気を振

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    2022年03月15日
  • 喪服のランデヴー

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    詩情あふれる、それでいて抑制された文体でつづられる切ない復讐の物語。
    とってもよかったです。
    よかったことが、記憶に残る。

    0
    2010年07月12日
  • 喪服のランデヴー

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    飛行機から投げ捨てられた空き瓶によって、ひとりの娘の命が奪われた。彼女の恋人だった青年はその飛行機と乗客5名をつきとめ、…やがて、その乗客たちの妻や恋人に、次々と死が訪れる。
    『幻の女』や『暁の死線』ほど知られていないように思うが、個人的には最も好きな作品のひとつ。全編にウールリッチ/アイリッシュ独特の空気が濃く漂う。これは、失われた愛を悼む物語。5つのエピソードは、それぞれが完成された短篇小説のようで、何度でも読み返したくなる。

    0
    2009年10月04日
  • 黒い天使

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    ウールリッチ作品(ウィリアム・アイリッシュ名義含む)の中で、一番好きかも!!『幻の女』もいいですが・・・
    ひとつひとつのエピソードが、短編色を帯びていて、おもしろかったです。




    !!注!!以下ネタバレ

    最後はショッキングでした。
    ラッドとのやりとりがすごく好きだったので・・・

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    2009年10月04日
  • 黒衣の花嫁

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    昭和22年の作品&ドラマにも映画にもなったんですね。そんな感じ。女性の話し方が優雅で素敵。雰囲気も好み。情報がすぐに拡散され、写真も出まくりの今では考えられない展開。古き良き時代のミステリを満喫しました。

    0
    2024年07月22日
  • 喪服のランデヴー

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    ネタバレ

    残るのは無だけなんだよね…
    飛行機から落ちてきたものによって
    愛しい人を失う羽目になった男。

    やがて彼は姿を消し、
    その狼藉に関わったものたちを
    不幸に貶める復讐鬼へと変貌したのです。

    1人を除いては巻き添えですね。
    なぜ一人を除いたかって?
    こいつがバカをやったために
    鬼を目覚めさせたから。

    彼だけは相応しい最悪の復讐を
    受けることになっています。

    もちろんこの復讐は許されるわけもなく
    最後はね…

    本当マナー守れよマジで。

    0
    2024年01月17日
  • 喪服のランデヴー

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    ネタバレ

    いやはやアイリッシュ、もといウールリッチは設定がすごい。発表後60年近く経った今でもその設定は斬新だ。
    ある街で愛し合う若い男女がいる。非常に初々しい二人の間にやがて悲劇が訪れる。ある飛行機から落とされたビンがたまたま彼女に当ったのだ。最愛の女を失った彼は廃人となり、やがて復讐の鬼と化し、同日同時間に同場所を通過した飛行機に乗り合わせた乗客全てに同じ苦痛を事件の起こった5/31に味わわせるのだった。

    この設定を読んだだけでもう早く読みたいと思うのは当然ではないだろうか?
    しかも唄う詩のような美文は健在で今回も陰惨な内容ながら幻想的な衣装を纏いながら物語は流れていく。
    しかも成される復讐は5つ

    0
    2021年02月02日
  • 喪服のランデヴー

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    飛行機から誰かが投げ落としたビンが、最愛の恋人の命を奪った。心を狂わせてしまったジョニー・マーは、その飛行機と5人の乗客を突き止め、彼らに同じ思いを味わわせることだけに人生を使う。止めることの出来ない、綿密に計画された犯罪。一方警察は、僅かな手がかりから次の犠牲者を突き止め、犯行を食い止めようとする。哀切な思いの果てに繰り返される理不尽な復讐劇はどのような結末を迎えるのか。

    0
    2019年02月27日
  • 喪服のランデヴー

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    翻訳を通しても、都会的で洗練された文体の強度を失わない稀有な作家の一人、ウールリッチ/アイリッシュ。1948年発表、ブラックシリーズの代表作でもある「喪服のランデヴー」では、その耽美なレトリックがすでに完成しており、序章と終章における溜め息が出るような情操の表現を味わうだけでも読む価値がある。上空を通過した飛行機の乗客が投げ捨てた瓶の直撃を受け、逢瀬の待ち合わせ場所にいた恋人を殺された男。その無残で凍てついた心象風景を綴っていくプロローグは、ウールリッチならではの世界観を形作っている。
    本作は凄まじい怒りによって復讐の鬼と化し、狂気の淵へと墜ちた若者ジョニー・マーが、真犯人を特定できないままに

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    2017年09月07日
  • 黒い天使

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    「幻の女」のコーネル・ウールリッチです。
    この著者、女嫌いだったはず…でも、かわいいキャラのヒロインに好感持てました。
    Mの頭文字を持つ男性に次々挑んで行く~
    かなり古い内容なのに、「幻の女」同様読みにくくは無かったでした。
    読み終えて初めて気が付いたけれど、なんて素敵な表紙!
    (カバー付きのままのお借りしました)
    本屋さんで見つけたらジャケ買いのレベルですね。

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    2015年01月21日
  • 黒衣の花嫁

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    ネタバレ

    さすがアイリッシュ、と稲葉明雄。ムード作りがうまい。筋はまあ普通。ちょっと物足りないところもあるが、それを補ってあまりあるほどムードが良い。

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    2011年09月01日
  • 喪服のランデヴー

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    ネタバレ

    それは本当に悲しい偶然だった―
    ある夜、ひとつの街角で愛する人を待っていた可憐な少女は理由もわからぬまま命を落とす。

    原因は遥か上空を飛ぶ飛行機から赤の他人が投げた1本の空き瓶だった。
    不幸にも恋人を失った青年は妄執の鬼と化し、原因を作り出した見知らぬ他人の命を一人ずつ狙っていく―


    サスペンスの名手、ウールリッチが手がけた血も凍る西洋版仇討ち物語。
    ウールリッチらしい無慈悲な結末も相まって、青年の虚しさや悲しみがひときわ浮かび上がっている。

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    2011年08月30日
  • 黒い天使

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    まるでヒチコックを見ているかのよう。プロットに弱点はいくつかあれど、そんなことはまるで気にならない「作り話」の面白さを見せてくれる。時代設定がだいぶ昔なので、現実味など感じようと思ってこの本を選んだわけでなし。少し前のミステリを久々に読んだ。とてもよかった。

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    2010年01月26日
  • 黒衣の花嫁

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    女は見送りの幼馴染にシカゴに行くと言い残しNYを旅だった。だがすぐに次の駅で列車を降りてしまう。適当に探した宿に落ち着くと、一枚の写真と名前が書かれた5枚の紙を燃やした。そしてしばらくして…ひとり、またひとりと男が不審な事故死で亡くなる。これらの事故に共通するのは黒い衣服を着た謎の女が絡んでいるらしいということだけだった…。【以下ネタバレ含むため未読の方はご注意】アイリッシュの別名義、コーネル・ウールリッチのサスペンス的ミステリ。第1部ブリス、第2部ミッチェル…と女のターゲットになる男の名前が各部に冠してある。被害者の男たちの共通点は見いだせないまま、1部では女の神秘性、2部では女の観察力、演

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    2011年07月22日
  • 黒衣の花嫁

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    ロマンチックな復讐譚。退場の仕方も昔のモノクロ映画のよう。映画版はほとんどホラー状態で終わってしまった。

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    2009年10月04日
  • 喪服のランデヴー

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    ドラマ版の方をお薦めしたくて紹介。原作は未見です(おい)。
    自分の地位を守るために1人の女性を殺害してしまった4人の権力者。毎年、彼女の命日に1人ずつ4人の愛する人が殺されてゆく。そこには女性の婚約者であった青年の影があった・・・。まぁ復讐劇ですわ。物凄い切ない。ドラマは全5話で、ちょっと淡白で説明不足ですが、良く纏まってて面白いと思います。DVDにならないのかなー・・・。

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    2009年10月04日
  • 黒衣の花嫁

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    〝第二のフィッツジェラルド〟を目指していた文学青年ウールリッチがミステリ作家へと転身したのちの初長編で1940年発表作。全体の印象と物語の構造は、後の「喪服のランデヴー」(1948)と重なる部分が多い。そして、二作品ともウールリッチの代表作である「幻の女」(1942)に次ぐ名作として評価が高い。

    両作とも復讐者がターゲットとするのは五人。だが、「…花嫁」の女が対象全員を有罪として〝特定〟しているのに比べ、「…ランデヴー」の青年は〝不特定〟のままで殺していく。つまり、罪を犯していない者がいても問答無用で死に値するとし、殺害の状況もより残忍な手法を用いる。この差は大きい。
    退廃的な美文に彩られた

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    2021年05月19日
  • 恐怖

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    実にウールリッチらしい佳作。
    結婚を間際に控えた花婿が一夜の情事から他の女と遊んでしまう。これが彼にとって破局の始まりだった。その後彼女は彼をゆすり続け、とうとう彼は逆上し、首を締めてしまう。そしてそれから見えない警察の魔の手を恐れるようになり、辺鄙な街へ移り住んでは新たに現れる彼を取巻く不信な人物達に彼を捕まえに来た警察の一派だという見えない恐怖の手に絡まれていく。

    この恐怖は私にも判る。何も事なきを得て人生を重ねてきた者や犯罪めいたことが日常茶飯事として起きている者にとってはわからないかもしれない。
    人は何がしか社会の中で匿名性を求める。それで安心を得ているのだが、一度普通人のレールを外

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    2021年03月20日
  • 黒衣の花嫁

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     さりげなくターゲットに接近しなにごともなかったかのように殺していく幻の女。彼女の名前は誰も知らず、ただ黒いドレスを着ていたことだけが手がかりだった。彼女の目的はいったい・・・。
     コーネル・ウールリッチお得意のサスペンス。彼の作品「黒い天使」でも女の執念やそれにあてられる被害者たちの転がり落ちるような運命を描いていますが、今作「黒衣の花嫁」はさらに上を行く悲劇。作品としては後半だれ気味ではありますが、終盤の落ち込みは読んでいても暗くなります。しかしコーネル・ウールリッチの作品にでてくる主人公(男)は幸せモンですな。

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    2010年05月14日