宮脇俊三のレビュー一覧

  • 時刻表昭和史 完全版
    第二次大戦後70年を越え、その当時を生きた人々の生の声を聞く機会がいよいよ失われてきていますが、書籍であれば(多少の脚色は覚悟しつつも)それらに触れることができます。
    この本の著者は大正の生まれ、戦前・戦中を学生として関東、そして疎開地の新潟で過ごし、山形で終戦の報を迎え、戦後は編集者、そして紀行作...続きを読む
  • 小学館電子全集 特別限定無料版 『宮脇俊三 電子全集』

    島根の一畑鉄道

    先週、島根に行ったので
    宮脇氏が一畑鉄道に乗ったという記述に嬉しくなった
    ま、ワシは一畑鉄道でなく一畑バスで宍道湖に行ったんだが
    宮脇氏が一畑鉄道について書いてる記述をどこかで見付けたいな
    島根はまさに、私鉄とJRがシェアを争っている土地だよ
  • 台湾鉄路千公里 完全版
    また台湾を訪れた際には現地の鉄道に乗ってみたいと思っていたのでとても参考になる一冊でした。
    街の様子や車窓の風景、人々の雰囲気がとても懐かしく、著者と一緒に旅をしたようにかんじました。
    次回訪台の折には宜蘭線、北廻線の断崖、大理石の河原、そしてその先の北回帰線を超えて自分の影の最小を確認したいです。
  • 旅の終りは個室寝台車
    1982年~84年にかけて作者が、編集者と2人で鉄道旅をした記録。
    旅といっても電車に乗るのが目的なので、毎回テーマを決めてかなり過酷な旅をする。
    目的の列車に乗るために、その列車の始発駅までは新幹線や特急を使って行き、列車に乗り目的を達成した後はまた新幹線や特急で東京に帰ってくる。
    日本の鉄道旅も...続きを読む
  • 時刻表ひとり旅
    初期のエネルギーが満ち溢れている。
    時刻表への数理?的な視点が多い。白紙改正の解説とか、論理的ながらも親しみやすい筆致。一つの到達点かなあ。
  • 小学館電子全集 特別限定無料版 『宮脇俊三 電子全集』

    豪華ラインナップ

    本作を読むだけでは把握できない、宮脇先生の素の顔に触れられるような内容だと思います。作品も去ることながら、収録された「宮脇俊三アルバム」でほ、部屋に座って遠くを眺める一作者としての風情を残しており雰囲気が出ています。
  • 時刻表2万キロ
    国鉄全線乗り尽した記録です。
    とにかく凄い!としか言いようがない一冊です。
    著者が乗ったころの国鉄は一日に数往復しかない
    盲腸線が非常に多かった時代です。
    その時代に全線、乗り尽すなんて信じられない。
    凄い、どころか、尋常ではない、どころか、もはや異常です。
    だからこそ鉄道好きや旅行好きには非常にお...続きを読む
  • 時刻表2万キロ
    パラダイス山元さんの飛行機本に鉄道マニアのバイブルと紹介されており、手に取った本。1978年の本なのに色褪せていない感じ。
    鉄道には全然興味ないが、何故だかすごく楽しく読めた。1分刻みのいかにもマニアックなところはふーん、と思いながらも読んでしまう。車窓からの風景の描写や、駅の雰囲気など、想像してい...続きを読む
  • ローカルバスの終点へ
    昭和60年代に地方をバスで巡り、それを綴った
    ルポです。

    鉄道好きで知られる著者ですが、もともと紀行
    文が得意分野なので、田舎へのバス旅も旅情が
    とてもよく伝わってきます。

    その場所で目に見える内容を文章にする時に、
    言葉の取捨選択のセンスが良いのでしょう。

    とりたてて、現地の住人と触れ合うエ...続きを読む
  • 汽車旅12カ月
    中学時代に夢中になって何回も読み直した本。
    (宮脇俊三先生の作品としては第3作ですが、私にとっては人生を決定づけた2冊目でした)
    いい年した大人になって、痛風発作で歩けないどころか起き上がることさえできない今、あらためて(iPadのGoogleMapsとWikipediaで1つ1つ参照しながら)じっ...続きを読む
  • 全線開通版 線路のない時刻表
    宮脇作品と言えば、名著と言われる最初の2作品に加え、僕が好きなのは海外紀行が多い。ほぼ全部読んだつもりでいたけど、これは未読だった。今さらながらだが氏らしい視点が良く表れている作品だと思う。それぞれの場所で氏が感じたように想いを持って仕事をしていた人たちがいたからこそ、ここで取り上げられた各線が、後...続きを読む
  • 終着駅
    著者が没後に娘さんの厳しい選択眼を経て編纂された本書は、著者の鉄道に対する愛とユーモアに溢れていた。読んでいると自然と笑みが浮かぶ。それを家人に見られ、あげくに不気味だと言われる。書名を見られれば更にその不気味さが増すのであろう。梅雨の旅、冬こそ旅の季節であるという著者の見識に、目から鱗の心持ちだ。...続きを読む
  • 旅の終りは個室寝台車
    百閒「阿房列車」を読後に宮脇氏の本書を読むと、藍君がヒマラヤ山系君に見えてきて可笑しくて仕方なかった。藍君が持参したステンレス製魔法瓶の中身を「日本酒?」と聞いたり、列車の停車時間に駅弁を買いに向かいのホームまで走る姿はまさに山系君だ。哀愁を帯びた本書のタイトルから、暫くの間積読だった。著者の鉄道旅...続きを読む
  • 古代史紀行
    宮脇氏の一風変わった紀行文。カバーの草いきれを感じさせる向こう側に寺院の屋根と五輪塔が垣間見えるイラストがこの旅を象徴して良い。魏志倭人伝、古事記、日本書紀、続日本紀などの古代の記録を頼りに対馬~九州~近畿を巡り、必要に応じ韓国・中国、関東甲信越・東北と旅の範囲を広げる著者のこだわりに、いつもの鉄道...続きを読む
  • 鉄道旅行のたのしみ
    鉄道旅行を“路線”と“駅”の視点から書いた一風変わった紀行文。路線では、いつもの著者であれば出発駅から到着駅までの列車時刻を克明に記すのに反して、大きく紹介する地方の路線名を辿る手法を採っている。路線間の接続の良し悪しを論ずるのではなく、その地方の地史・歴史に目がいくような紀行も有りなのだと思わせて...続きを読む
  • 時刻表ひとり旅
    著者ほど時刻表を深く読んではいなかったが、チャレンジ2万キロを時刻表の上だけで、接続を考えながら旅していた頃を懐かしく思い出した。第二章の国鉄全線大集会が楽しい。本書を読んでいたら無性に鉄道旅がしたくなったので、実は昨日(2013/7/5)本書をお供に旅に出た。
  • 私の途中下車人生
    宮脇氏の語り下ろし作品、とは思わずに購入。一、二章はこれまで読んできた鉄道紀行文のおさらいのようだったが、第三章の中央公論社のころから、初めて目にする氏の話が俄然おもしろくなってきた。外国の鉄道紀行はあえて購入していないが、これを読むと読んでみたくなる。読者へのメッセージとして「忠告ですか? とくに...続きを読む
  • 全線開通版 線路のない時刻表
    著者の本(と言っても文庫本)を殆ど読んだと思っていたのだが、読メで他ユーザの感想を見て本書の存在を知る。奥付を見ると2014年3月1刷り。そのため三陸鉄道が東日本大震災の被害を被った記述があった。著者が存命ならどう感じたろう。津波により壊滅的な被害を受けた三鉄。そして、国内外の支援を受けて復旧、いや...続きを読む
  • 古代史紀行
    鉄道紀行作家が年代順に史跡を巡るという、異色の1冊。

    壬申の乱のルートを丹念に辿りながら大海人皇子の心情に思いを馳せ、一方で「何かにつけ家を焼き払う」と冷徹な眼差しを向ける。
    深い教養とちょっぴりのユーモアは、鉄道ジャンルを離れても何ら変わることはなく、歴史物としても旅行記としてもこの上なく面白い...続きを読む
  • 平安鎌倉史紀行
    鉄道紀行作家、宮脇俊三のライフワークとなった「日本通史の旅」。本書はその2巻目に相当します。

    ある時は慈愛に満ち、またある時は冷酷な氏の筆致が冴え渡ります。歴史概説としても、旅行記としても楽しめますし、京都や鎌倉を幾度も訪れては辛抱強く史跡を巡る氏の姿勢には頭が下がります。

    鳥辺野や阿弖川など歴...続きを読む