宮脇俊三のレビュー一覧

  • 時刻表2万キロ

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    今はない路線もたくさん出てきて、それらを苦しみながらも楽しく計画して実行して、失敗したり、見事につないだり、うらやましいです。家族も同行するときあってもいいのになあ。

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    2025年10月12日
  • 室町戦国史紀行

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    鉄道を利用する際の表現「東京発午前7時00分発の新幹線で出かけ」など正時も00分、その他もきっちり分単位で書き記されているのが鉄道ファンとして嬉しい。戦国時代に入り、年代順の紀行が難しくなったというのもよくわかる。山城の跡を訪れるが、石垣の遺構は少なく、後の一国一城令により廃城になった場所が多く、著者の苦労が察せられる。あとがきでは、加齢による体力の限界からシリーズ終了が告白されたのを見るにつけ寂しく思う。2000年に刊行された本書のわずか3年後に鬼籍に入られたことを予言するかのようだった。

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    2025年07月26日
  • 平安鎌倉史紀行

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    著者の未読本を古書で発見するたびに購入している今日この頃。『古代史紀行』に続く史跡を時系列順に旅するタスクが課せられ、著者にさえ非効率と言わしめている(笑)。平安、と言っても平将門から藤原清衡、そして源平合戦の史跡まで移動範囲は広い! 鎌倉では、義経を追って再び平泉を訪れる。しかし、総じて関東が中心の紀行となった。中央公論社で『日本の歴史』編集に携わった著者だけに、豊富な知識と洞察力に満ちた文章で、読んでいて気持ちが良い。鉄道だけではなく、バス、タクシー、船、そして徒歩を駆使した紀行文であった。

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    2025年07月19日
  • 時刻表2万キロ

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    読み終えるのがもったいなく、立ち返り読み返し地図を開き時にぐぐり、1ヶ月ほど持ち歩いてました。国鉄を完乗すると決めた日からほぼ三年の道すじと著者による景色への洞察を綴った旅の本です。

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    2024年12月31日
  • 時刻表昭和史 完全版

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    ネタバレ

    数ある宮脇俊三の著作の中でも間違いなくベストの部類に入る作品に思う。と同時に、筆者の中では異色の部類に入る作品でもある。

    昭和前期、戦前から戦後混乱期にかけての筆者の鉄道の思い出を当時の筆者の周りの出来事と絡めて描く。
    昭和後期の主として国鉄を題材とした紀行作品で名を上げた宮脇の作品群の中では珍しい題材なのは確かだ。(一番異色なのは殺意の風景だとは思うが)

    この本を読む上では、そもそも宮脇は相当にいい家の坊ちゃんであるということを意識する必要がある。国会議員を務めた宮脇長吉の唯一残った男子で、渋谷に住み当時の東大を卒業している。そんな青年が、何を見て、感じながら成長していったか?というとこ

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    2024年09月10日
  • 旅の終りは個室寝台車

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    電車の旅というより「電車に乗る」エッセイ。18時間ぶっ続けで乗ったりする。
    特別電車が好きなわけでもないのだが最後まで興味を持って読んだ。感覚がおかしくなってきて、5時間くらいなら私も楽しめそうかな〜と思えてきてしまう。
    毎回旅には「藍色の小鬼」の異名を持つ編集者が同行しているのだが、小鬼は電車より車派なものだから

    「どうです、汽車の窓から見る白根北岳もいいもんでしょう」
    「中央高速から見るのとおなじですね」

    と各所に笑える会話がある。そんな彼が徐々に電車に慣れていく感じもよかった。

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    2024年05月26日
  • 時刻表昭和史 完全版

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    本編が発売したのははるか昔だが、完全版として
    ・戦前・戦中に加えて、戦後を増補
    ・北杜夫との対談
    と、鉄道の歴史を紐解く贅沢な文庫本だ。

    著者は「鉄道無常(酒井 順子)」で初めて知った経緯があり、本作を読むこととなった。贅沢な子ども時代だから、知ることが出来た鉄道の状況だが、現代には本当に貴重な資料物である。

    戦争前後の過酷な交通事情を知ることで、改めてのんびり電車旅ができる幸せをかみしめたい。

    鉄道ファンがいる限り、絶版にはならないと思うが、著者作をこれからじっくりと拝読していく。

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    2024年05月09日
  • 時刻表昭和史 完全版

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    第二次大戦後70年を越え、その当時を生きた人々の生の声を聞く機会がいよいよ失われてきていますが、書籍であれば(多少の脚色は覚悟しつつも)それらに触れることができます。
    この本の著者は大正の生まれ、戦前・戦中を学生として関東、そして疎開地の新潟で過ごし、山形で終戦の報を迎え、戦後は編集者、そして紀行作家として活躍された宮脇俊三さんです。
    戦争関連の本といえばその悲惨さを伝えるためのものが多いですが、宮脇さんはひたすら電車に乗ること(時刻表を読むこと)に熱中しており、作中の東京大空襲の様子など臨場感にあふれながらも淡々と、そして時にはユーモアを交えながら語られるさまに悲壮感といったものはあまりあり

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    2023年12月19日
  • 台湾鉄路千公里 完全版

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    また台湾を訪れた際には現地の鉄道に乗ってみたいと思っていたのでとても参考になる一冊でした。
    街の様子や車窓の風景、人々の雰囲気がとても懐かしく、著者と一緒に旅をしたようにかんじました。
    次回訪台の折には宜蘭線、北廻線の断崖、大理石の河原、そしてその先の北回帰線を超えて自分の影の最小を確認したいです。

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    2023年01月25日
  • 旅の終りは個室寝台車

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    1982年~84年にかけて作者が、編集者と2人で鉄道旅をした記録。
    旅といっても電車に乗るのが目的なので、毎回テーマを決めてかなり過酷な旅をする。
    目的の列車に乗るために、その列車の始発駅までは新幹線や特急を使って行き、列車に乗り目的を達成した後はまた新幹線や特急で東京に帰ってくる。
    日本の鉄道旅も捨てたものではない、と思わせてくれる。ただし40年前であるが。
    北海道から九州までいろんな電車に乗るが、青森から大阪までの特急白鳥の旅が良かった。
    青森に前泊して4時50分の始発に乗り、13時間かけて大阪まで乗り通す。乗客の特徴や人数、駅での待ち合わせ時間、景色などの描写があり、一緒に乗っている気に

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    2022年06月09日
  • 時刻表ひとり旅

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    初期のエネルギーが満ち溢れている。
    時刻表への数理?的な視点が多い。白紙改正の解説とか、論理的ながらも親しみやすい筆致。一つの到達点かなあ。

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    2022年03月26日
  • 小学館電子全集 特別限定無料版 『宮脇俊三 電子全集』

    購入済み

    豪華ラインナップ

    本作を読むだけでは把握できない、宮脇先生の素の顔に触れられるような内容だと思います。作品も去ることながら、収録された「宮脇俊三アルバム」でほ、部屋に座って遠くを眺める一作者としての風情を残しており雰囲気が出ています。

    #深い

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    2022年03月01日
  • 時刻表2万キロ

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    パラダイス山元さんの飛行機本に鉄道マニアのバイブルと紹介されており、手に取った本。1978年の本なのに色褪せていない感じ。
    鉄道には全然興味ないが、何故だかすごく楽しく読めた。1分刻みのいかにもマニアックなところはふーん、と思いながらも読んでしまう。車窓からの風景の描写や、駅の雰囲気など、想像していると楽しい。最後の完乗のところで、時刻表を読むのが楽しくなくなって、完乗などしようと思わなければよかった、というのは共感できて少し寂しかった。

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    2021年05月09日
  • ローカルバスの終点へ

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    昭和60年代に地方をバスで巡り、それを綴った
    ルポです。

    鉄道好きで知られる著者ですが、もともと紀行
    文が得意分野なので、田舎へのバス旅も旅情が
    とてもよく伝わってきます。

    その場所で目に見える内容を文章にする時に、
    言葉の取捨選択のセンスが良いのでしょう。

    とりたてて、現地の住人と触れ合うエピソード
    などがなくとも、現地の空気感を感じることが
    できます。

    「ローカル鉄道の旅もいいけど、ローカルバス
    旅も悪くないかも」と思える一冊です。

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    2020年12月15日
  • 汽車旅12カ月

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    中学時代に夢中になって何回も読み直した本。
    (宮脇俊三先生の作品としては第3作ですが、私にとっては人生を決定づけた2冊目でした)
    いい年した大人になって、痛風発作で歩けないどころか起き上がることさえできない今、あらためて(iPadのGoogleMapsとWikipediaで1つ1つ参照しながら)じっくりと読み直してみたら、新しい発見が次々と。
    あんなに夢中になって何回も読み直したのに、中学時代の自分の読書の浅さを思い知らされました。
    例えば、1つ1つの地名や、列車の始発駅と行き先をGoogleMapsで確かめていくと、わかっていたつもりの部分もさらに深くなる。
    多感な中学高校時代にiPadやG

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    2020年08月21日
  • 全線開通版 線路のない時刻表

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    宮脇作品と言えば、名著と言われる最初の2作品に加え、僕が好きなのは海外紀行が多い。ほぼ全部読んだつもりでいたけど、これは未読だった。今さらながらだが氏らしい視点が良く表れている作品だと思う。それぞれの場所で氏が感じたように想いを持って仕事をしていた人たちがいたからこそ、ここで取り上げられた各線が、後に第三セクターとして開通できたのだろうけれど。これは1980年代半ば頃の話だけど、それから30ウン年経って、こう言う視線は行政には全く無くなってしまった気もするな…。かつての方がまだそれでも地に足が付いていたのか、と再確認。実は僕は全集の方で読んでるので正確にはこの全線開通版は未読なのだが、加筆部分

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    2020年07月12日
  • 終着駅

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    著者が没後に娘さんの厳しい選択眼を経て編纂された本書は、著者の鉄道に対する愛とユーモアに溢れていた。読んでいると自然と笑みが浮かぶ。それを家人に見られ、あげくに不気味だと言われる。書名を見られれば更にその不気味さが増すのであろう。梅雨の旅、冬こそ旅の季節であるという著者の見識に、目から鱗の心持ちだ。「旅は往路が楽しく、復路は楽しくない」という言葉が心に響く。昨年末に鉄道旅をし、尚更その思いに実感がこもる。後半の書評も良かった。『7つの国境』や北杜夫の著作が無性に読みたくなった。

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    2017年09月05日
  • 旅の終りは個室寝台車

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    百閒「阿房列車」を読後に宮脇氏の本書を読むと、藍君がヒマラヤ山系君に見えてきて可笑しくて仕方なかった。藍君が持参したステンレス製魔法瓶の中身を「日本酒?」と聞いたり、列車の停車時間に駅弁を買いに向かいのホームまで走る姿はまさに山系君だ。哀愁を帯びた本書のタイトルから、暫くの間積読だった。著者の鉄道旅が終わってしまうような感じを受けていたからだ。路線の廃止、多くの長距離列車、寝台車の廃止など、ある意味で著者が好きな鉄道旅の終焉を平成の世に実感することになった。せめて今残っている寝台特急に乗りたいと思った。

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    2017年09月03日
  • 古代史紀行

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    宮脇氏の一風変わった紀行文。カバーの草いきれを感じさせる向こう側に寺院の屋根と五輪塔が垣間見えるイラストがこの旅を象徴して良い。魏志倭人伝、古事記、日本書紀、続日本紀などの古代の記録を頼りに対馬~九州~近畿を巡り、必要に応じ韓国・中国、関東甲信越・東北と旅の範囲を広げる著者のこだわりに、いつもの鉄道紀行の匂いを感じる。しかし、古代史に対する造詣の深さを著者は謙遜していたが、出版社勤務時代に鉄道で日本中を巡ったことが、歴史書籍の編纂に生かされ、また本書のような紀行文に逆輸入的に生かされたのだと感じた。

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    2017年09月03日
  • 鉄道旅行のたのしみ

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    鉄道旅行を“路線”と“駅”の視点から書いた一風変わった紀行文。路線では、いつもの著者であれば出発駅から到着駅までの列車時刻を克明に記すのに反して、大きく紹介する地方の路線名を辿る手法を採っている。路線間の接続の良し悪しを論ずるのではなく、その地方の地史・歴史に目がいくような紀行も有りなのだと思わせてくれる。一つの駅だけを取材した紀行文は珍しいと思う。その駅の始発から最終までを見ながら、様々な人間模様、歴史などを綴る文章に、あらためて感心させられた。

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    2017年09月01日