宮脇俊三のレビュー一覧

  • 全線開通版 線路のない時刻表

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    完成間際で工事が止まってしまった路線の寂しさが、宮脇さん独特の淡々としたタッチで書かれており、読み応えがある。後に第三セクターなどで開通した路線ばかりなので、その後の顚末も書かれているのもよい。瀬戸大橋線と津軽海峡線の開通前の話もあり。その他には、宮脇さんが勝手に作った時刻表も秀逸。ダイヤグラムの線まで引いて考えたとのこと。すごいなあ。時刻表の中の特急や急行の名前にくすりとさせられることも。ああ、こんな旅してみたいなあ…と思わされる一冊。

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    2016年01月08日
  • 私の途中下車人生

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    幼少時に「ねえやの背中で山手線を見て」たときから鉄道に目覚め戦時中に「花火のような焼夷弾」を潜り抜け「戦後は熱海で文化活動」をして「中央公論社」へ入社、そしていよいよ「国鉄全線完乗へ」更に欧州、アメリカ、フィリピンなど世界的規模で乗り続けた筆者の一代記。

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    2015年02月18日
  • 時刻表2万キロ

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    古本カフェで見つけ、購入。
    当時、私も周遊券(更に学割で!)で九州や山陰地方をふらふらしていたので、その頃を思い出しながら、懐かしく拝読しました。

    1日に数本しか列車のないローカル線に乗るために、時刻表や地図、電話などを頼りにプランを立てていく過程は、大変そうだけど、とても楽しそう。
    だけど実際には思わぬ事態で、それがうまくいかなかったりするのが、また楽しい(当人は大変だったでしょうが。でも、そのスリルを楽しんでおられるようなトコもあるかな)。
    もっとも印象的だったのは、筆者ひとりきりが乗った最終列車。
    車掌さんが停車ごとに無人駅の灯りを消していくくだり。
    効率や採算性が優先される現代では、

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    2013年01月14日
  • 時刻表2万キロ

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    もと中央公論誌の編集長という平日の顔を持ちながら、国鉄時代の2万キロを乗り切った宮脇俊三先生。鉄道好きの人種からすれば、教祖さまのような存在と言えるのでしょう。
    完璧に時刻表を読みこなし(あるいは全部頭に入っていそうな)、乗り換えや乗り継ぎで失敗するようなことは断じてなく、乗ることを使命としているような、そんな鉄人を想像していたことは事実です。

    金曜日ともなると、駅にまっしぐら。未乗の区間をつぶすべく寝台列車の乗客となり、まだ乗っていない区間を乗りきるためだけに現地へ向かう。
    道中、たまには意外と普通な失敗をやらかしたり、地元の名物の誘惑にあらがえずに途中下車してしまい、ほんの少しだけ未乗区

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    2012年10月15日
  • 時刻表2万キロ

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    当時の国鉄の全線制覇ゴールまでのラスト3年間ほど軌跡の著者自身の手記。昭和50年から3年ほどの約35年前の記録なので、とにかく昔の国鉄の雰囲気が伝わって興味深い。この時代 1区間50円で切符買えたとか、この頃はまだ路線が延伸していたので、一度乗った路線でもまた新たな区間を走破しないと全線制覇できないとか、大変そうです。
    この10年後くらいに国鉄はJRへと民営化しますが、既に採算度外視の経営を強いられていた事がわかるエピソードも散りばめられていた。北海道の大自然をのんびり鉄道で旅するのはどんどん難しくなっているので、自分の定年後の趣味にはできないだろうなぁ。
    ただ、すご~く地味な内容なので、時刻

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    2012年09月23日
  • 旅の終りは個室寝台車

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    こうして文章で書かれることで、昭和の鉄道旅行の様子が残っているのはうれしい。油の染み込んだ床、硬いボックスシートを思い出す。電車に揺られながら眠くなれば寝ちゃうような著者の力みのない淡々とした文章には、それでも不思議と旅情を感じるのだ。

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    2012年07月22日
  • 時刻表2万キロ

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    鉄道趣味を武道、茶道と同様に「鉄道」と言っていたのは誰だったか。まさにこれぞ「鉄道」と言えよう。時刻表を読み込み、乗線計画を立て、乗車(一日に同じ駅を2度も3度も通過する)、列車遅延などのトラブルに見舞われても、計画を実践するためにさらに時刻表を読み込む(時には先行した列車をタクシーで数十キロ追いかける)、そして白地図に完乗区を塗りつぶし、未完乗率を更新する。または芸術とも言えようか。

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    2011年12月28日
  • 旅の終りは個室寝台車

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    宮脇俊三による、いわゆるためにする鉄道紀行の一作である。しかし、今尾恵介氏が解説で記しているように、藍君という非鉄道マニアで一風変わった編集者を同行者とすることで、自ら「ただ乗るために鉄道に乗る」という阿呆なことの魅力を面白おかしく表現することに成功している。
    下記は、章立てである。

    ・ にっぽん最長鈍行列車の旅
    ・ 東京―大阪・国鉄のない旅
    ・ 飯田線・天竜下りは各駅停車
    ・ 東京―札幌・孤独な二人旅
    ・ 乗りつぎ乗りかえ流氷の海
    ・ 紀伊半島一周ぜいたく寝台車
    ・ 青森―大阪・特急「白鳥」七変化
    ・ 雪を見るなら飯山・只見線
    ・ 九州行・一直線は乗物づくし
    ・ 旅の終りは個室寝台車

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    2011年01月29日
  • 私の途中下車人生

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    あ、宮脇さんの本が出ている。復刻版かな?と思ったら対談を文庫にしたんですね。

    前に時刻表昭和史を読んだので宮脇氏の幼少時代から戦争の終わるまでは知っていたのですが中央公論に勤めていらしたときもはあ、色々あったのですねえ… 激動の時代と一言で片づけてしまえばそれまでですが宮脇氏の淡々として落ち着いた文章からは想像もつかない波乱に満ちた会社生活だったんだなあ~と思いました。

    この方の本を読むと本当に旅に出たくなります。
    とりあえず鶴見線は行こう。うん。
    ところで間違えてこの本2冊買ってしまいました… 誰か欲しい人いないかな。

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    2010年06月09日
  • 汽車旅12カ月

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    友人が宮脇さんの本が新しく出てるよ~と言うので探して購入。でもどうやらこの本では無かったみたいなのですが。
    面白かったです。

    いつもこの方の本を読むとどこか電車に乗って出かけたいな~と思うのですが思うだけでなかなか動かない…
    でも旅の計画を立てている時が一番楽しいのかもしれません。

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    2010年03月24日
  • 時刻表2万キロ

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    宮脇さんの本を何冊か読んだのですがこの本はなかなか手に入らなくて… 丸善で見つけて購入しました。

    国鉄(その当時は国鉄)全線にのるって…なんだかすごいんだかちょっと間抜けなんだか、という感じですが自然と8割がた乗ってしまったというんだからそれはそれで凄いですね。そこまで来たらもう完全制覇しかない、となったところから難しいというのは何となくわかる気が致します。

    面白かったです。

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    2009年10月07日
  • 時刻表ひとり旅

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    自分は数字に弱いので推理小説のトリックなどに電車の時刻に関するモノを使われると説明されても結局分からなかったりする人間なのです。そんなわけで時刻表を毎回お求めになる方ってのはどういうトコが面白いんだろう?と思ってたのですが。そうか、こういう楽しみ方もあるんだ〜と思いました。特にスジを実際引いてみる話が面白かった。2分間隔なのか… 列車ダイヤ物語もそのうち探して読みたいです。まあ自分には絶対出来ない芸当ですが…
    今は多分最新機器の導入で色々変わったこともあるんだろうなあ、とは思います。けれども変わらないことも多いんだろうなあ、なんて思いながら読みました。
    面白かったです。

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    2009年10月07日
  • 汽車旅12カ月

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    高所が平気なよく眠る人と、高所恐怖症のよく食べる人と、筆者のおじさん3人旅がなかなか面白い。良い仲間とに旅行というのは、とても貴重な時間だろう。
    また、SLを復活させて走らせるにあたり、候補地は多くあったそうだが、国鉄が山口線を選んだ理由は、地理的に絶妙で都市部からの新幹線輸送による収入を増やすためであるという、筆者の考察が面白く、なかなか的を得ているように思う。長年、なぜ中途半端に遠い山口なんだろうと不思議に思っていたが、意外なところで説得力のある説に出会えた。

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    2025年10月15日
  • 時刻表2万キロ

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    自分が小学5-6年生の鉄道大好き少年だった頃に読んだ本書を30数年ぶりに再読した。筆者は時刻表を愛読し、国鉄全線を完乗するのだが、意外にマニアックな記述は少なく、むしろ沿線の風景や乗客の様子などの描写が多いため、(時刻表に関すること以外の)目線は一般の我々に近く読みやすい。青函トンネルも瀬戸大橋もない時代の旅の記録を約50年後の現在に読むのは、タイムトラベルで過去に行くような読書体験だった。特に気仙沼線の柳津─本吉間が開通した際の志津川町(当時)での歓迎の様子は、2011年の震災による被害を知った上で読むと非常に心が痛む。その他、本書で紹介される様々なローカル線が現在ではどうなっているか確認し

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    2025年08月28日
  • 終着駅へ行ってきます

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    元祖乗り鉄と言える宮脇俊三氏の鉄道紀行。日本全国、25の終着駅を訪ねる。書かれたのは昭和57〜58年、約40年前。まだJRではなく、国鉄である。25のうち、8路線が廃線、北海道では書かれた5路線のうち4つが廃線になっている。不便だが、行ってみたくなる。

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    2025年02月03日
  • 鉄道旅行のたのしみ

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    鉄道文学で名高い宮脇俊三氏の作品。前半『鉄道旅行のたのしみ』では日本全国の路線を簡単に紹介。後半『駅は見ている』では、名古屋、新宿、天王寺、高松、直方、米子、塩尻、青森、新庄、岩見沢の各駅を紹介している。書かれたのが昭和50年代後半で、新宿駅の改札ではハサミで切符を切っていた。さすがに古かったが、文章は読みやすかった。

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    2024年11月22日
  • 平安鎌倉史紀行

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     ようやく読み終わった。
     この手の本にでは珍しい位に読むのに時間がかかった。平安時代の「桓武天皇と渡来人」から始まって、鎌倉時代の終わり「鎌倉幕府滅亡」まで、全部で34章、およそ400頁に及ぶ。お盆休みの間、じっくり本を読もうと思いつつ、結果的にこの本しか読めなかったのは大変残念。
     本書は、「古代史紀行」に続く、日本通史の旅の第二弾として刊行された。訪れたところは、北は、奥州平泉から、西は九州は博多地方まで広く、特に京都と鎌倉が中心にはなる。考えれば、この訪問地が当時の日本と考えられていた地域とほぼ一致するのかな。
     著者の得意な電車等の乗り物による水平移動と歴史の流れを辿る垂直的な移動と

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    2024年08月25日
  • ローカルバスの終点へ

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    昭和末期(S61~S62年頃の)バス旅。他者の感想を読むと、意外にまだ残っているバス路線も多いらしい。著者にとっては心外な結果かもしれない。

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    2023年01月21日
  • 時刻表2万キロ

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    宮脇俊三 「 時刻表2万キロ 」

    昭和53年 時刻表を手に国鉄全線を旅するエッセイ。こういう楽しみ方があるんだなーという本


    時刻表の愛読者がいることに驚く。時刻表は目的地に最短時間で着くための表にすぎないと思っていたが、時刻表通りに電車とすれ違う楽しみ、時刻表通りに乗換えることに楽しみがあることを初めて知った〜奥が深い。


    国鉄の全ての沿線を乗ることを目的とした旅。駅を出て 美味しいものや温泉を楽しむことなく、歴史を巡ることも、お土産を買うこともない。


    国鉄全線を乗り終えた著者の感想は意外だった「何かが終わり、何かを失った〜停年で退職したり、ひとり娘を嫁にやったりする気持ち」


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    2021年03月27日
  • 時刻表2万キロ

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    流石にここまでの極致になるとついていけないものがある、国鉄路線愛ここに極まれりです。
    ただちょいちょい出てくるヒトの観察模様が味があります。偏執(?)愛についていけなくとも、それを追っていけば、読者もどことなく達成感をほんのほんの少しだけ味わえたりして。
    しかし小松島港駅、ありましたなぁ。

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    2020年05月05日