宮脇俊三のレビュー一覧
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古本カフェで見つけ、購入。
当時、私も周遊券(更に学割で!)で九州や山陰地方をふらふらしていたので、その頃を思い出しながら、懐かしく拝読しました。
1日に数本しか列車のないローカル線に乗るために、時刻表や地図、電話などを頼りにプランを立てていく過程は、大変そうだけど、とても楽しそう。
だけど実際には思わぬ事態で、それがうまくいかなかったりするのが、また楽しい(当人は大変だったでしょうが。でも、そのスリルを楽しんでおられるようなトコもあるかな)。
もっとも印象的だったのは、筆者ひとりきりが乗った最終列車。
車掌さんが停車ごとに無人駅の灯りを消していくくだり。
効率や採算性が優先される現代では、 -
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もと中央公論誌の編集長という平日の顔を持ちながら、国鉄時代の2万キロを乗り切った宮脇俊三先生。鉄道好きの人種からすれば、教祖さまのような存在と言えるのでしょう。
完璧に時刻表を読みこなし(あるいは全部頭に入っていそうな)、乗り換えや乗り継ぎで失敗するようなことは断じてなく、乗ることを使命としているような、そんな鉄人を想像していたことは事実です。
金曜日ともなると、駅にまっしぐら。未乗の区間をつぶすべく寝台列車の乗客となり、まだ乗っていない区間を乗りきるためだけに現地へ向かう。
道中、たまには意外と普通な失敗をやらかしたり、地元の名物の誘惑にあらがえずに途中下車してしまい、ほんの少しだけ未乗区 -
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当時の国鉄の全線制覇ゴールまでのラスト3年間ほど軌跡の著者自身の手記。昭和50年から3年ほどの約35年前の記録なので、とにかく昔の国鉄の雰囲気が伝わって興味深い。この時代 1区間50円で切符買えたとか、この頃はまだ路線が延伸していたので、一度乗った路線でもまた新たな区間を走破しないと全線制覇できないとか、大変そうです。
この10年後くらいに国鉄はJRへと民営化しますが、既に採算度外視の経営を強いられていた事がわかるエピソードも散りばめられていた。北海道の大自然をのんびり鉄道で旅するのはどんどん難しくなっているので、自分の定年後の趣味にはできないだろうなぁ。
ただ、すご~く地味な内容なので、時刻 -
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宮脇俊三による、いわゆるためにする鉄道紀行の一作である。しかし、今尾恵介氏が解説で記しているように、藍君という非鉄道マニアで一風変わった編集者を同行者とすることで、自ら「ただ乗るために鉄道に乗る」という阿呆なことの魅力を面白おかしく表現することに成功している。
下記は、章立てである。
・ にっぽん最長鈍行列車の旅
・ 東京―大阪・国鉄のない旅
・ 飯田線・天竜下りは各駅停車
・ 東京―札幌・孤独な二人旅
・ 乗りつぎ乗りかえ流氷の海
・ 紀伊半島一周ぜいたく寝台車
・ 青森―大阪・特急「白鳥」七変化
・ 雪を見るなら飯山・只見線
・ 九州行・一直線は乗物づくし
・ 旅の終りは個室寝台車 -
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自分は数字に弱いので推理小説のトリックなどに電車の時刻に関するモノを使われると説明されても結局分からなかったりする人間なのです。そんなわけで時刻表を毎回お求めになる方ってのはどういうトコが面白いんだろう?と思ってたのですが。そうか、こういう楽しみ方もあるんだ〜と思いました。特にスジを実際引いてみる話が面白かった。2分間隔なのか… 列車ダイヤ物語もそのうち探して読みたいです。まあ自分には絶対出来ない芸当ですが…
今は多分最新機器の導入で色々変わったこともあるんだろうなあ、とは思います。けれども変わらないことも多いんだろうなあ、なんて思いながら読みました。
面白かったです。 -
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自分が小学5-6年生の鉄道大好き少年だった頃に読んだ本書を30数年ぶりに再読した。筆者は時刻表を愛読し、国鉄全線を完乗するのだが、意外にマニアックな記述は少なく、むしろ沿線の風景や乗客の様子などの描写が多いため、(時刻表に関すること以外の)目線は一般の我々に近く読みやすい。青函トンネルも瀬戸大橋もない時代の旅の記録を約50年後の現在に読むのは、タイムトラベルで過去に行くような読書体験だった。特に気仙沼線の柳津─本吉間が開通した際の志津川町(当時)での歓迎の様子は、2011年の震災による被害を知った上で読むと非常に心が痛む。その他、本書で紹介される様々なローカル線が現在ではどうなっているか確認し
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ようやく読み終わった。
この手の本にでは珍しい位に読むのに時間がかかった。平安時代の「桓武天皇と渡来人」から始まって、鎌倉時代の終わり「鎌倉幕府滅亡」まで、全部で34章、およそ400頁に及ぶ。お盆休みの間、じっくり本を読もうと思いつつ、結果的にこの本しか読めなかったのは大変残念。
本書は、「古代史紀行」に続く、日本通史の旅の第二弾として刊行された。訪れたところは、北は、奥州平泉から、西は九州は博多地方まで広く、特に京都と鎌倉が中心にはなる。考えれば、この訪問地が当時の日本と考えられていた地域とほぼ一致するのかな。
著者の得意な電車等の乗り物による水平移動と歴史の流れを辿る垂直的な移動と -
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宮脇俊三 「 時刻表2万キロ 」
昭和53年 時刻表を手に国鉄全線を旅するエッセイ。こういう楽しみ方があるんだなーという本
時刻表の愛読者がいることに驚く。時刻表は目的地に最短時間で着くための表にすぎないと思っていたが、時刻表通りに電車とすれ違う楽しみ、時刻表通りに乗換えることに楽しみがあることを初めて知った〜奥が深い。
国鉄の全ての沿線を乗ることを目的とした旅。駅を出て 美味しいものや温泉を楽しむことなく、歴史を巡ることも、お土産を買うこともない。
国鉄全線を乗り終えた著者の感想は意外だった「何かが終わり、何かを失った〜停年で退職したり、ひとり娘を嫁にやったりする気持ち」