宮脇俊三のレビュー一覧

  • 平安鎌倉史紀行
    鉄道紀行作家、宮脇俊三のライフワークとなった「日本通史の旅」。本書はその2巻目に相当します。

    ある時は慈愛に満ち、またある時は冷酷な氏の筆致が冴え渡ります。歴史概説としても、旅行記としても楽しめますし、京都や鎌倉を幾度も訪れては辛抱強く史跡を巡る氏の姿勢には頭が下がります。

    鳥辺野や阿弖川など歴...続きを読む
  • 時刻表2万キロ
    鉄道紀行作家の大家、宮脇俊三氏のいわずと知れたデビュー作。
    発表当時の反響がいか程であったか、当時5歳だった僕がリアルに知る由もありませんが、鉄道マニア、特に乗りつぶしマニアという人種が世の中にいる事を世間に広く知らしめた作品。今で言うところの「鉄子の旅」みたいなものでしょうか。

    とは言え、本書を...続きを読む
  • 殺意の風景
    鉄道紀行の大家による、異色のミステリー短編集。全18話(雑誌連載当時は20話だったらしい)に殺人シーンは一度も出てきません。それでも人は死んでいるかもしれない、あるいは全て思い過ごしなのかもしれない。描かれるのは、殺してやろうという、あるいは殺されるかもしれないという心理描写。その心模様が地理にこと...続きを読む
  • 終着駅へ行ってきます
    亡き宮脇俊三さんが、北は北海道から南は鹿児島まで
    様々な路線の終着駅に行ってきたという紀行文です。
    今と違うのはJRがまだ「国鉄」と言われていたこと。
    ここでも宮脇さんの鉄道熱ぶりが全開です。
    旅に出ている気分になります。
    32年たって路線が伸びて終着駅でなくなった駅、
    路線の廃止によって姿を消した...続きを読む
  • 旅の終りは個室寝台車
    『中央公論』の編集長で作家だった亡き宮脇俊三さんの
    鉄道旅の様子を描いた紀行集です。
    もう今はない特急が多くて新鮮に映りました。
    初めて宮脇さんの本を読みましたが、基本一人旅
    なんですね。でもこの本は「藍色の小鬼」こと藍孝夫氏が
    常に一緒でした。最初はつまんなそうにしていた彼も
    だんだんと鉄道旅の魅...続きを読む
  • 時刻表2万キロ
    全国の(当時)国鉄を制覇するまでの著者の道のり。

    文章がおもしろくて、ぐいぐい引き込まれる。自分も旅した気持ちになれる。
    旅ならではのハプニングなども書かれていて、くすっと笑いながら読める。

    今はだいぶ廃線になったけど、当時は旅情があったんだろうな。
  • 時刻表2万キロ
    我が座右の書。国鉄約二万キロの完全乗車に至る過程の道中記が記されている。いい年して汽車ポッポ、なんの因果でここまでしなくてはならないのか、等自己を客観視する冷静さ、面白さ。マニアたるもの、かくあるべし(笑)。富山港線を追いかけるシーン、唐津でのタクシーでの乗り継ぎ、北海道完乗の直後などの心理描写が大...続きを読む
  • 時刻表2万キロ
    私が小学生の頃話題になってましたが、まさかこの歳になって読むとは思わなかったです。っていうか、読み鉄なのに何故今まで気がつかなかったのだろうと(苦笑)

    物語のスケールの大きさにもびっくりしましたが、ディーゼル機関車が客車引っ張っていたり、荷物車が繋がっていたりといった昭和レトロな鉄道風景の描写が、...続きを読む
  • 鉄道旅行のたのしみ
    私は鉄道オタクじゃない。

    宮脇さんの文章は熱くない。淡々と列車の様子(外観・中身)を描写する。でもそこにはちゃんと愛情は伝わってくる。まだ見たことのない風景が広がってる感じがする。
  • 時刻表2万キロ
    言わずと知れた鉄道ファンのバイブル。これもボロボロになるまで何十回も読み返した本。でも、マニアじゃなくても楽しめるのが、中央公論名編集長だった氏の文章のすばらしさ。
  • 時刻表2万キロ
    20110731 知識を控えめでもつたえずにはいられない。ストイックなマニアかも。淡々と書かれた文章の中に笑いのポイントがあったり最後までたのしめました。
  • 旅の終りは個室寝台車
    ちょっと前に新刊で出ている!と見つけて購入。
    宮脇さんの本は大分読んだ気でいたのですが結構色々な出版社から出していらっしゃるんですね。まだまだ読んだことない本あるんだろうなあ~と楽しみです。

    それにしても飯田線往復はちょっと乗りたくないですが電車に一日揺られているって言うのもなかなかオツだなあ...続きを読む
  • 鉄道旅行のたのしみ
    鉄道の良さは、それがあくまでも輸送上の必要性によって敷設されたところに、前提があるのだと思う。

    どこか鉄道で旅に出かけたくなりました。
    海岸沿いをのんびり鈍行で揺られたいな。

    だけど、私は鉄子じゃないです。


  • 時刻表2万キロ
    小学生当時、時刻表が何よりの愛読書だった。
    クラスに同様の友人がいたので孤立することはなかったが、多くの共感を求められる趣味でなかったことは確か。
    そんな中、この本を読んだときの衝撃や如何に。不遜にも「仲間がいる」と内心叫んでしまったことを思い出す。
    しかも著者は財力にものを言わせて新幹線も寝台特急...続きを読む
  • 鉄道旅行のたのしみ
    なんとなく気になって購入。いやあ、面白かったです。

    百?先生ほどの鉄道好きではありませんが乗り物の中では鉄道が一番好きです。出かける際、大人数ならば車窓を楽しむもよし、本を読むもよし、友人と語るもよし。飽きたら寝ても良しな鉄道旅行がすきなのです。コレが車での旅行になりますと運転手に気を使ってお酒...続きを読む
  • 時刻表2万キロ
    鉄道好きとしては面白い内容だった。
    初版は1973年(昭和53年)なので、廃線になってしまった路線やまだ完成していない路線もあり、今読むとその比較が以外と楽しいのと、初版当時時刻表の愛読者の一人だったので、その当時を思い出し懐かしく感じた。
  • 時刻表昭和史 完全版
    淡々とした文体の中に時折その時代を切り取った一節が混じる。戦前戦後を扱った他の文献では出逢えない魅力。
  • ヤマケイ文庫 夢の山岳鉄道
    鉄道文学が好きです。その中でも山岳鉄道と聞いただけでもワクワクします。
    実際の山岳鉄道の紀行文学ではく、少し世の中への主張が入っている分、素直に楽しめないのが残念。
  • 時刻表2万キロ
    私も子供の頃は時刻表を「読んで」、空想の旅を組み立てては楽しんでいたことがあった。何人か話の合う友達もいたと思うが、大人になってそのような旅を実現できるようなお金を持ったとしても、子供の頃のような純粋な情熱を持ち続けられた人はほとんどいないだろう。国鉄全線に乗るためだけにこれだけの労力をかけるのは馬...続きを読む
  • 小学館電子全集 特別限定無料版 『宮脇俊三 電子全集』

    宮脇氏の文章は良いですね

    紀行全集等も持っていますので、この本に収録されているローカル私鉄訪問記も読んでいますが、やはり文章が巧みなのでついつい読み返してしまいますね。
    今はなき野上電鉄や寝台急行銀河などに関する記載も良いですね。宮脇氏の紀行文によく出てくる夕張市は財政破綻してしまいましたし、紀州鉄道、日高川までではなくなっ...続きを読む