宮脇俊三のレビュー一覧

  • 時刻表ひとり旅

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    著者ほど時刻表を深く読んではいなかったが、チャレンジ2万キロを時刻表の上だけで、接続を考えながら旅していた頃を懐かしく思い出した。第二章の国鉄全線大集会が楽しい。本書を読んでいたら無性に鉄道旅がしたくなったので、実は昨日(2013/7/5)本書をお供に旅に出た。

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    2017年09月01日
  • 私の途中下車人生

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    宮脇氏の語り下ろし作品、とは思わずに購入。一、二章はこれまで読んできた鉄道紀行文のおさらいのようだったが、第三章の中央公論社のころから、初めて目にする氏の話が俄然おもしろくなってきた。外国の鉄道紀行はあえて購入していないが、これを読むと読んでみたくなる。読者へのメッセージとして「忠告ですか? とくにありませんが、趣味と仕事とは私のようにいっしょにせず、はっきり分けておいたほうが体のためにはいいのではないでしょうか。」という本書の結びの段落が印象的。

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    2017年08月31日
  • 全線開通版 線路のない時刻表

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    著者の本(と言っても文庫本)を殆ど読んだと思っていたのだが、読メで他ユーザの感想を見て本書の存在を知る。奥付を見ると2014年3月1刷り。そのため三陸鉄道が東日本大震災の被害を被った記述があった。著者が存命ならどう感じたろう。津波により壊滅的な被害を受けた三鉄。そして、国内外の支援を受けて復旧、いや南北リアス線が縦貫する復興を遂げた姿に目を潤ませたのではなかろうか。他の路線も国鉄再建法を乗り越え、路線が開通した鉄道が幸いだったか、この時代に読むと何とも言えない。

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    2017年08月29日
  • 古代史紀行

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    鉄道紀行作家が年代順に史跡を巡るという、異色の1冊。

    壬申の乱のルートを丹念に辿りながら大海人皇子の心情に思いを馳せ、一方で「何かにつけ家を焼き払う」と冷徹な眼差しを向ける。
    深い教養とちょっぴりのユーモアは、鉄道ジャンルを離れても何ら変わることはなく、歴史物としても旅行記としてもこの上なく面白いです。

    (そういう意図で書かれた本ではありませんが、これ読んでると万世一系なんて嘘だなあと実感します)

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    2017年02月05日
  • 平安鎌倉史紀行

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    鉄道紀行作家、宮脇俊三のライフワークとなった「日本通史の旅」。本書はその2巻目に相当します。

    ある時は慈愛に満ち、またある時は冷酷な氏の筆致が冴え渡ります。歴史概説としても、旅行記としても楽しめますし、京都や鎌倉を幾度も訪れては辛抱強く史跡を巡る氏の姿勢には頭が下がります。

    鳥辺野や阿弖川など歴史の表舞台に現れない史跡を訪ね、庶民の悲哀を描こうとしているのも印象的。坂上田村麻呂や藤原純友に今なお好意を持つ地元の人々の姿を知ることが出来るのも、旅行記という体裁をとった本書の魅力の一つではないかと思います。

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    2016年11月19日
  • 時刻表2万キロ

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    鉄道紀行作家の大家、宮脇俊三氏のいわずと知れたデビュー作。
    発表当時の反響がいか程であったか、当時5歳だった僕がリアルに知る由もありませんが、鉄道マニア、特に乗りつぶしマニアという人種が世の中にいる事を世間に広く知らしめた作品。今で言うところの「鉄子の旅」みたいなものでしょうか。

    とは言え、本書をマニア向けと色眼鏡で見てしまうことは全くの誤りで、これはもう立派な文学であり、一代記です。「墓石を彫り上げたような」というご本人の感慨にも成程と納得させられるものがあります。もっとも、氏の作家人生はここがスタート地点だったわけですが。

    サラリーマンとして人並み以上の働きをされ、家長として程ほどに(

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    2016年11月05日
  • 殺意の風景

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    鉄道紀行の大家による、異色のミステリー短編集。全18話(雑誌連載当時は20話だったらしい)に殺人シーンは一度も出てきません。それでも人は死んでいるかもしれない、あるいは全て思い過ごしなのかもしれない。描かれるのは、殺してやろうという、あるいは殺されるかもしれないという心理描写。その心模様が地理にことさら造詣の深い作者による風景描写と織り交ざって、何とも不思議な読後感を与えてくれます。

    本業ではないジャンルだけあって、筆致にはどこかぎこちない部分もあります。特に、女性の一人称語りには少々違和感が。でもこれ、"プロ"のミステリ作家には書けない作品でしょうね。門外漢だからこその

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    2016年08月28日
  • 終着駅へ行ってきます

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    亡き宮脇俊三さんが、北は北海道から南は鹿児島まで
    様々な路線の終着駅に行ってきたという紀行文です。
    今と違うのはJRがまだ「国鉄」と言われていたこと。
    ここでも宮脇さんの鉄道熱ぶりが全開です。
    旅に出ている気分になります。
    32年たって路線が伸びて終着駅でなくなった駅、
    路線の廃止によって姿を消した駅が出てきたのが
    残念でならないと思いました。
    でも、私がいけそうな海芝浦(鶴見線)なら行けるかも
    しれないです。

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    2016年04月01日
  • 旅の終りは個室寝台車

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    『中央公論』の編集長で作家だった亡き宮脇俊三さんの
    鉄道旅の様子を描いた紀行集です。
    もう今はない特急が多くて新鮮に映りました。
    初めて宮脇さんの本を読みましたが、基本一人旅
    なんですね。でもこの本は「藍色の小鬼」こと藍孝夫氏が
    常に一緒でした。最初はつまんなそうにしていた彼も
    だんだんと鉄道旅の魅力に惹かれていって変化していく。
    これは藍氏の成長記でもあるのかもしれません。
    ぐいぐい引き込まれました。面白かったです!

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    2016年03月31日
  • 時刻表2万キロ

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    全国の(当時)国鉄を制覇するまでの著者の道のり。

    文章がおもしろくて、ぐいぐい引き込まれる。自分も旅した気持ちになれる。
    旅ならではのハプニングなども書かれていて、くすっと笑いながら読める。

    今はだいぶ廃線になったけど、当時は旅情があったんだろうな。

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    2013年03月09日
  • 時刻表2万キロ

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    我が座右の書。国鉄約二万キロの完全乗車に至る過程の道中記が記されている。いい年して汽車ポッポ、なんの因果でここまでしなくてはならないのか、等自己を客観視する冷静さ、面白さ。マニアたるもの、かくあるべし(笑)。富山港線を追いかけるシーン、唐津でのタクシーでの乗り継ぎ、北海道完乗の直後などの心理描写が大好き。

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    2012年06月28日
  • 時刻表2万キロ

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    私が小学生の頃話題になってましたが、まさかこの歳になって読むとは思わなかったです。っていうか、読み鉄なのに何故今まで気がつかなかったのだろうと(苦笑)

    物語のスケールの大きさにもびっくりしましたが、ディーゼル機関車が客車引っ張っていたり、荷物車が繋がっていたりといった昭和レトロな鉄道風景の描写が、とても懐かしい気持ちにさせてくれました。

    又、私も時刻表読むの好きなんで(笑)タクシーで追いかけたり、時間調整でどこかへ寄ったりする場面では、思わず頷いちゃいました!

    今は地方でも新幹線が走っている様な時代になっちゃったけど…やっぱり鉄道の旅は、こういうゆるい感じの方が好きだなぁ〜。

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    2012年04月08日
  • 鉄道旅行のたのしみ

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    私は鉄道オタクじゃない。

    宮脇さんの文章は熱くない。淡々と列車の様子(外観・中身)を描写する。でもそこにはちゃんと愛情は伝わってくる。まだ見たことのない風景が広がってる感じがする。

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    2012年03月18日
  • 時刻表2万キロ

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    言わずと知れた鉄道ファンのバイブル。これもボロボロになるまで何十回も読み返した本。でも、マニアじゃなくても楽しめるのが、中央公論名編集長だった氏の文章のすばらしさ。

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    2011年08月30日
  • 時刻表2万キロ

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    20110731 知識を控えめでもつたえずにはいられない。ストイックなマニアかも。淡々と書かれた文章の中に笑いのポイントがあったり最後までたのしめました。

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    2011年07月31日
  • 旅の終りは個室寝台車

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    ちょっと前に新刊で出ている!と見つけて購入。
    宮脇さんの本は大分読んだ気でいたのですが結構色々な出版社から出していらっしゃるんですね。まだまだ読んだことない本あるんだろうなあ~と楽しみです。

    それにしても飯田線往復はちょっと乗りたくないですが電車に一日揺られているって言うのもなかなかオツだなあ~と思いました。いつも思うのですが宮脇さんの本を読むと単線やローカル線が走っている辺りに旅に出たくなります。
    まだまだ乗ったことのない線も多いですし!

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    2010年05月20日
  • 鉄道旅行のたのしみ

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    鉄道の良さは、それがあくまでも輸送上の必要性によって敷設されたところに、前提があるのだと思う。

    どこか鉄道で旅に出かけたくなりました。
    海岸沿いをのんびり鈍行で揺られたいな。

    だけど、私は鉄子じゃないです。


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    2009年10月04日
  • 時刻表2万キロ

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    小学生当時、時刻表が何よりの愛読書だった。
    クラスに同様の友人がいたので孤立することはなかったが、多くの共感を求められる趣味でなかったことは確か。
    そんな中、この本を読んだときの衝撃や如何に。不遜にも「仲間がいる」と内心叫んでしまったことを思い出す。
    しかも著者は財力にものを言わせて新幹線も寝台特急も乗り放題。関西始発の夜行に乗るため新幹線との乗り継ぎという離れ業もなんなくこなす。
    当時はもちろん会社人間が休みをとることの厳しさを何一つ知らなかったので、とにかく羨ましかった(笑)
    いつかこんな大人になってやると思いつつ…果たしてなれたのかな?
    2万キロはもはや超えられない壁、なのに全線完乗は未

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    2009年10月04日
  • 鉄道旅行のたのしみ

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    なんとなく気になって購入。いやあ、面白かったです。

    百?先生ほどの鉄道好きではありませんが乗り物の中では鉄道が一番好きです。出かける際、大人数ならば車窓を楽しむもよし、本を読むもよし、友人と語るもよし。飽きたら寝ても良しな鉄道旅行がすきなのです。コレが車での旅行になりますと運転手に気を使ってお酒も飲めないし助手席で寝るなんてもってのほかですしね。

    自分は数字に弱い人間なので時刻表なんて見てもトンと合点のいかない人間なのですがこういう見方があるんですねえ〜 そうなんだ。色々な線に乗ってみたくなりました。とりあえず是非北海道は鉄道で楽しんでみたいなあ〜 でも冬の季節に出かけるのはちょっと…

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    2009年10月07日
  • 時刻表2万キロ

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    本の薄さに比して字の小さなボリュームたっぷりの時刻表の旅だった。綱渡りのような乗り継ぎや、うっかり寝過ごしたために想定外の美しい風景に出会ったりと、国鉄全線の完乗を目指した、時刻表を駆使した旅の紀行文。

    私は鉄道ファンと言う訳ではないが、この著者の文章は読んでいて引き込まれる。ほとんど感傷的な気分などは書かず、かと言って冷たい訳ではなく車窓の美しい風景を知識とともに書き記す。見たままの事実を並べただけで書き手の意図が伝わるような、クスッと笑える部分も多い。

    今の時代では書くと問題のありそうな描写も多々あるが、今の時代も書かないだけで気持ちはそうなんだよなー、なところが楽しい。

    全線完乗し

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    2025年05月11日