ベルクソンのレビュー一覧

  • 物質と記憶

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    ネタバレ

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    対象群は,自分の身体の有する力が増減するのに従ひて秩序着けられる.私の身体を取り巻く対象群は,其れ等の対象に対する私の身体の可能な行動を反射するのである.

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    第一の仮説では,精神も亦物質と等しく認識不能な物となる.精神は定義し難い能力に帰されており,其の能力が感覚を何処からともなく呼び起こし,何故だかは解らぬが其れ等の感覚を空間中に投射して,かくて空間の中で諸感覚が物体を形成するに至る,とされるからである.
    第二の仮説に於いて,意識の役割は明確に定義される.つまり,意識は可能な行動を意味してゐるのである.其れ故,精神が獲得した様様な形式,意識の本質を我我に対して覆ひ隠す形式は,この

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    2021年08月03日
  • 笑い

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    戦前のフランスの哲学者・ベルクソンによる「笑い」を探る書。
    わかりやすい翻訳で、内容をあたまのなかで転がしながらおもしろく読めました。
    タイトルにドドンと「笑い」とありますが、
    笑い全般を扱っているのではなく、おかしさによる笑いに限定した、
    「特殊笑い理論」というような種類の本です。

    「笑い」は知性のものか感性のものかでいうと、知性のものだという。
    感性(感情性といったほうがいいのかもしれない)が強ければ、
    つまり愛情や憐憫の情が知性をまさっていれば、
    滑稽な場面でも笑う場合ではなくなる。
    愛情をもっていても笑えるのは、愛情をひととき忘れるからだそう。

    つまり、「笑い」は硬直性にたいして知

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    2020年10月09日
  • 笑い

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    これほど誤読された本もないのでは?「ベルクソンの語らなかった笑いもある」と柳田國男はじめとする碩学がよくいうが、本当はこれにつきると思う。

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    2010年04月03日
  • 笑い

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     初読は学生時代。しかしこの独特の持つて回つた物言ひに、理解するのに難儀しました。否理解出来なかつた部分もありました。まあわたくしの無知蒙昧さが招くもので、仕方あるまいと感じてゐました。
     齢を重ねて再読した際には、やはり分かりにくくて、結局この文章(訳文)は悪文なのだらうと勘考しました。多分原文はもう少し分かり易いのではないか。林達夫といふ人は有名な偉い先生なので、お前何様だと言はれさうですが。

     例へば「生活と社会とが我々各人から要求するところのものは、現在の境地の輪郭を識別するところの絶えず気を張っている注意であり、それはまた、我々をそれに適応させることができるようにする肉体と精神との

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    2021年05月30日
  • 笑い

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    笑いというものを学問にしたのは、フロイトやベルグソンのおかげだと思える。
    笑うという行動というよりは、何かを「おかしい」感じるのは一体どういうことなのか、この心の動きは一体何なのだ。ベルグソンの興味はそこから始まる。
    それを考えるために、ベルグソンは、一体何を我々はおかしいと感じるのか、そこから攻める。モリエールの喜劇に詳しい訳ではないが、ベルグソンにとって、相当魅力的なものであったに違いない。
    たしかに彼のおかしみは、モリエールをはじめとする当時の喜劇に限った話であるかもしれない。シェイクスピアなどのことは一切と言っていいほど触れられていない。しかし、彼がこのようにして、笑いの観察をじっと始

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    2016年05月09日
  • 笑い

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    笑いは社会的身ぶりであると同時に、その本質は機械的な「ぎこちなさ」を指摘して対象に屈辱を与えることである。

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    2013年07月18日
  • 笑い

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    笑いというものを考察する。 読んでみるとわかりますが、笑いという事象についてこんなに納得できるのか、と驚きます。

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    2011年05月28日
  • 笑い

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    確かに、笑いを論じた本なのに全く笑えない。
    そもそも事例が古すぎて、イメージしにくい。
    しかし、お笑いブームといわれる現代だからこそ読むべき価値のある本。
    笑いとは根底で普遍的であり、文化による差などないのではないかと思わせてくれる見事な分析が展開されている。

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    2009年10月04日
  • 笑い

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    『笑いには社会的意味合いがあるに違いないのだ。』

    『社会が完全なものに近づいていくと、その成員により大きなしなやかさをもって適応することを求めるようになるということであり、社会がその根底においてだんだん均衡のとれたものになっていく傾向にあるということであり、社会がこれほど大きな集団になるとどうしてもついてまわる混乱をその表面からだんだん追い払っているということであり、笑いがそうしたうねりの形を強調することで有用な役目を果たしているということである。』

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    2025年10月01日
  • 笑い

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    おかしさに基づく笑いについて講じた書。

    それが成立する諸条件について考察する際の助けとなる。

    本書はおかしさ、すなわち不調和に基づく笑いをテーマに考察をしているが、漱石の「草枕」にみられる東洋的な超然的歓びに見出される構造とも共通する部分が見られることに気づく。

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    2022年08月31日
  • 笑い

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    古書店にて購入。初ベルクソンにこれというのもどうかと思うが、別にベルクソン哲学の勉強をしているわけではなく、巷にはびこる自称〈お笑い評論家〉たちの先達のようなこの著作に、どのような現代的意義が残されているのかを確認したいがために買ったようなものなのでまあ良しとする。解説にもある通り、著者の視線の先にあるのは何よりモリエールであり、古に名高いアリストパネスやシェイクスピア、ラブレーらは埒外にある。よってその論調も〈恐らく我々はこの点をあまりに深く追究しない方がいいであろう〉と些か微温的になってしまっている。

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    2015年11月01日
  • 笑い

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    喜劇における笑いの分析によって、笑いの持つ生活や社会にとっての効用を暴きだし、生活や社会よって生が緊張や弾力を要求されていることが明らかにされている。

    笑いは社会による不適用への罰でもあり、一時の緊張をほぐすものではあるが直後には生活や社会への適用へととんぼ返りさせられるものである。

    悲劇と喜劇の本質的な違いや芸術の捉え方など非常に価値ある話しが語られている。
    ベルクソンさんかっこいい!

    Mahalo

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    2014年05月03日
  • 笑い

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    ・無生物の生物性
    ・人間の機械性
    ・不意打ち
    ・落差

    ・繰返し
    ・ひっくり返し
    ・交叉

    ・自動現象
    ・放心
    ・非社交性

    ・機智
    ・滑稽

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    2014年01月04日
  • 笑い

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    親父に借りた本。
    何か難しい本を読みたいと言う単純な動機から借りた。大変読むのに時間がかかり、こつこつと読んでいたが結局まだ読み終わっていないまま数ヶ月放置している。
    人はなぜ笑うのか、どういう場面で笑うのか、といった問題に対する分析を試みるという発想が私にはなかった。様々な笑いに共通するぎこちなさのようなものを見出し、その追求をしよう、というところまで読んだ気がする。要追読。

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    2009年10月04日
  • 笑い

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    全く笑えない、笑うということ。人間、考え出すと、ちょっと自分の一挙手一投足が怖くなります。
    前ぇ〜に読んだので、今読んだらもう少し理解しやすく読めるだろうか。

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    2009年10月04日