西尾幹二のレビュー一覧

  • 個人主義とは何か

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    1969年の講談社現代新書に加筆したもの。
    30代のときに執筆した内容を変える必要はなかった、と自ら評価している。
    たしかに、日本人の状況は驚くほど変わっておらず、またこの頃の西尾の筆は冴えている。
    あまり覚えていないのだが、たぶん私は西尾を読んでいたのかもしれない。
    そう思えるほど、ここに書かれている7割ぐらいの部分は、完璧に同意できる。
    いまの日本はおかしいのではないか、いや自分の方がおかしいのか・・・、そんなことを感じている人は是非一読されると良いだろう。
    ただ、個人としていきてゆくなら覚悟を決めや、というのがニーチェなり西尾から読み取るべきことで、それ以上の社会で現にとるべきスタンスは

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    2010年04月07日
  • 日本の希望

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    西洋文明、米国、チャイナ、韓国、日本、ぼっこぼこに批評。
    皇室にも意見申し上げる。

    韓国の「反日」と日本の「平和主義」はまあ、似たようなもんと。
    米国は利己的で独善でよく判断を間違えるが、ロシアや、チャイナのような悪の帝国ではない。

    先の戦争は、日本がなぜ戦争をしたのかではなく、米国がなぜ戦争をしたかも考えるべき。戦争は相手があって始まる。

    日本は、従来の「限定戦争」のつもりであったが、終わってみてそれが米国による殲滅戦、「全体戦争」であることに気が付かされた。

    いつまでも反省とお詫びではない。
    当たり前のことを、しっかりと語られる。

    ただ、「保守」ってなんだろうなと考える。
    「保守

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    2025年11月10日
  • 意志と表象としての世界I

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    ニーチェやワーグナーに大きな影響を与えたショーペンハウーの代表的著作。最初の鎌田康男氏の当時の時代背景の解説や彼の簡単な一生の紹介があってそのあとに本文が始まる。「世界は私の表象である」という文章から始まるのが興味深い(さてそれはどういうことですか?ということになる)。
    本書は1巻から4巻に至るその前半の1巻と2巻を収めており、1巻で表象、2巻で意思の説明、そして3巻で表象の第2考察としての芸術、4巻で意思の第2考察としてのペシミズムが展開される。

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    2019年07月08日
  • 意志と表象としての世界II

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    ネタバレ

    謙虚というものは、卑劣な嫉妬に満ち満ちたこの世の中で、長所や功績をもっているものがそれを持たない者に赦しを乞い求めようとするときの手段として用いる卑下の装い以外の何であろうか。

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    2014年03月01日
  • 意志と表象としての世界I

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    ネタバレ

    ヘラクレイトス 万物の永遠の流転を悲しんだ
    プラトン たえず生成するが、ついに存在しないものと軽視
    スピノザ ただ一つ存在し持続する唯一の実体の、単なる偶有性
    カント スピノザの見解で認識されたものを単なる現象と呼んで、物自体に対立

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    2015年12月25日
  • 個人主義とは何か

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    個人のエゴイズムと社会の拘束力とのあいだのバランスを問題視し、文化や社会の側から人間を探求するのではなく、人間を先に考える。これはフロイト的である。そして個人の対話力をいかに高めることができるか。衝突や闘争に身をさらし、矛盾を矛盾として保持し続ける力。そのような個なくして多様性も国際性もない。政治よりもむしろ教育や心理の領域への今日的な示唆に富む本である。

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    2012年02月24日
  • 悲劇の誕生

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    この本も雑誌で紹介されていたので読んでみた。哲学書は理解できなかったとしても入門書をよむよりは原典を翻訳したものを読むべきと言われたことがあるがやはり難しい。原典を読むべきそのココロは、拾える言葉・解釈がその時々の読み手の状況に応じて変わるからだそうだ。ニーチェは入門書で読んで今の世の中にあった言葉が多かったので一度原典を読んでみようと思いこの処女作に挑んだのだが。。。ワーグナーに捧げた書物である点からの思いつきだが、哲学の解釈と音楽(クラシック)の解釈は似ている。哲学の解釈を伝えるツールが言葉なら音楽の解釈を伝えるツールは身体なのかな。

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    2011年03月15日
  • 意志と表象としての世界I

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    主観−客観/現象−物自体、あらゆる相対性の地層を発掘するように読む。書かれた物と現実が、あるいは読書体験と現実経験が、一致するように読む。表象という言葉が能動であるのか受動であるのか、意味の更新を迫られる。

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    2009年10月04日