水谷千秋のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
先日、「
継体天皇 六世紀に現れた世襲王権の「始祖王」 (中公新書)」を読み、理解を深めたいと思って読んでみた。
前書の方は、前後の時代の中国や朝鮮半島に残されている文書遺産にも目を向けつつ、国内の考古学的成果と結び付けて論じてた内容だった。7世紀より前は国内には文献資料がなく近隣国の資料によらざるを得ないのだが、そこに記載があることの背景も解釈して歴史を読み解くのは適切なアプローチに思えた。
本書は、諸外国との関連性についてはあまり触れられておらず、また、考古学的成果からの解釈というのも限定的に思えた。主に国内文献に基づく論考で、前書の方が説得力があるように思えた。
本書の前半部はあまり著者の意見が見えず、かつ、断定的な記述に感じられた。後半に至って著者の意見が見えてきた。新書であり論文ではないので、あまり多くの論を併記するものでもないのだが、私には今一つ納得感が得られなかった。 -
Posted by ブクログ
継体天皇の父祖の系譜を近江の古墳の考古学の成果を受けて比定し、応神天皇の子孫がいかに近江に根を張り、土着していったかを明らかにした。また継体天皇の大和入りに年月がかかった理由を東大和と西大和の豪族の対立があったからだと考え、具体的には反対勢力の葛城氏が没落し蘇我氏が取って代わった為、大伴、物部といった東大和の豪族に擁立された継体天皇が大和に宮を構えることができた。この考えは面白い。何故、蘇我氏が葛城氏に代わる形で歴史の表舞台に出てきたのかが納得いく。五経博士のくだりも面白かった。ただ対外的な部分や磐井との関係、秦氏との繋がりなどは引っかかるところもある。
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Posted by ブクログ
大和朝廷の歴史に燦然と異彩を放つ継体天皇。
今までの大和育ちではなく、近江の国に生まれ即位後も20年かけて大和に入る事ができた彼の生涯とその歴史的意義を解き明かしていくとても興味深い本です。
記・紀に記されている事とその裏側にある思いを読み解きながら継体天皇が即位する事になった理由や彼の権力構造、そして彼の即位が後の武家政権による天皇擁立につながっていく事等、歴史の教科書からは読み取れない古代の実像がその元になる出典と著者の解説でわかりやすく書かれています。
地方の時代と言われている現代に地方から中央に駆け上っていった彼の事が注目されている中で入門書としておすすめです。