渡辺裕のレビュー一覧

  • 校歌斉唱!―日本人が育んだ学校文化の謎―(新潮選書)

    Posted by ブクログ

    いや面白かった。歴史もあり地理的広がりもあるのにまだほとんど研究されてないジャンルに漕ぎ出す著者の先生の楽しそうさが伝わってきました。テンポの変遷に興味を持ち、特に母校でもない高校の運動会のテンポズレてる音源聴いて「イイ・・・」ってなってるのあまりに楽しそうすぎる。

    0
    2024年09月23日
  • 歌う国民 唱歌、校歌、うたごえ

    Posted by ブクログ

    唱歌、卒業式の歌、校歌、県歌、労働者の歌をそれぞれが作られた社会状況に照らして分析する。

    地理唱歌、唱歌遊戯、1891(明治24)年「小学校祝日大祭日儀式規程」の制定などなど

    0
    2023年10月22日
  • 歌う国民 唱歌、校歌、うたごえ

    Posted by ブクログ

     明治12年という早い時期に新政府は西洋音楽の導入を始める。目的は芸術・文化の向上などではなく,「日本国民」を作るためだった。「コミュニティソング」をキーワードに,明治から昭和までの歌の歴史をたどる。
     西洋音楽の導入は,日本を国民国家としてスタートさせるにあたり,近代的制度や生活に必要な知識の普及を主眼に行われた。貯金の仕方,食中毒の防止法,栄養の大切さ,なんかを歌いながら覚えさせようという話で,東京音楽学校の先生たちは大真面目にそういう唱歌を作った。もちろん皇国イデオロギーを植え付ける唱歌も作られ歌われたが,それだけでなく,日本の地理とか銀行とは何かとか,実用知識を身につけるための唱歌も多

    0
    2011年10月28日
  • 歌う国民 唱歌、校歌、うたごえ

    Posted by ブクログ

    あまり芸術研究ではメジャーではない音楽分野に関する詳細な調査と分析、そして自身の文化論の主張の明快さが特徴。

    0
    2011年08月02日
  • 校歌斉唱!―日本人が育んだ学校文化の謎―(新潮選書)

    Posted by ブクログ

    「校歌」という切り口からの論考が
    面白く 興味深い
    どんな人も
    「学校」という「時間」を持っている
    それが良かったか否かは 別として
    そこに付随してくる「校歌」
    どんな形で
    成り立っているのか
    なんて 思いもよらない視点です

    その「校歌」が
    どの時代に生まれ出でてくるのかを
    論考している過程で当然のことながら
    その成立(歌われ始めた)時の
    「時代の匂い」が立ち上がってくる
    その時代(時期)ならではの
    なぁるほど
    が見事な分析で浮かび上がってくる

    ーみんなで一斉に歌う
    ことは極めて苦手なことではありますが
    このような視点での「校歌」論考は
    いゃあ 面白い

    0
    2024年10月22日
  • 歌う国民 唱歌、校歌、うたごえ

    Posted by ブクログ

     音楽を巡る近代史、あるいは近代史における音楽に関する本、と言えば良いだろうか。
     まず第一章では、維新政府がスタートして早々の明治12年に、後の東京音楽学校の前身である「音楽取調掛」が設置されたことから始まる。それは西洋の"芸術"を導入しようとしたものだったのか?それは、近代国民国家を作るために、「国民」が共有できる「国民音楽」をつくり、皆で歌うことによって帰属意識や連帯意識を高めることを目的としていたとする。

     続く「唱歌」の章では、鉄道唱歌を例に、地理唱歌、歴史唱歌といった啓蒙のための唱歌について、現在の我々がイメージする"音楽"よりも広く、帰属

    0
    2021年08月03日
  • 大正=歴史の踊り場とは何か 現代の起点を探る

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    古くて新しい問題「地方学」
    「自由と責任」
    多くに事が、100年たっても解決されないままでいる。
    「大正」に起源をもつ現代的な問題の多いことよ。

    0
    2021年01月02日
  • 歌う国民 唱歌、校歌、うたごえ

    Posted by ブクログ

    鉄道唱歌をはじめとする唱歌や、校歌や県歌などの成立を知ることができます。県歌の代表例として、信越本線が歌われている長野県歌のエピソードが載っています。

    0
    2018年05月17日
  • クラシック音楽の政治学

    Posted by ブクログ

    増田聡さんの文章が好きだから買ったけど、ちょっとあまりにもその、論文然といていて。刺激的なテーマなんだからもっとリーダブルに書き直して新書とかで出してほしい。

    0
    2012年01月07日
  • 歌う国民 唱歌、校歌、うたごえ

    Posted by ブクログ

    序盤面白かったが、後段になるにつれ少々期待外れ。近代装置としての唱歌がその受容によって変容していくのは興味深い。

    0
    2011年01月20日
  • 歌う国民 唱歌、校歌、うたごえ

    Posted by ブクログ

    古くは“音楽取調掛”による唱歌の作曲・選定から校歌・県歌・社歌の普及、そして戦後の「うたごえ運動」まで国民と共にあった「合唱=コミュニティソング」の姿を現代の音楽的解釈とは別の社会的立場から読み解く。「国語」の成立は「国民国家」の成立に不可欠だったように「唱歌」の存在も「国語」の敷衍になくてはならなかった。「会社の屋上でバレーボールをする傍ら合唱の練習」確かに消え去った“昭和の風景”。「国民国家」意識はとうに崩壊しているのかも知れない。

    0
    2011年08月19日
  • 歌う国民 唱歌、校歌、うたごえ

    Posted by ブクログ

    明治~高度経済成長期あたりを中心に、唱歌、校歌、社歌、それにうたごえ喫茶などの背景にある時代背景やイデオロギーを語る。

    度々筆者が言及しているのが、現在の価値観だけで捉えてはいけない、ということ。全体主義的と思えたりヘンテコな歌詞だと思えるものも、当時の社会情勢からするとそれが当然だった可能性がある、と。また、例えば戦後のうたごえ喫茶は左翼的な政治活動と結びつけて考えられがちだが、「そういう人達もいた」というくらいに捉えた方が良いようだ。

    しかし筆者がいくらフォローしても、昔の唱歌が政治的プロパガンダの色合いが濃い感は否めない。実際、明治政府は日本を近代国家にしていく過程において「日本国民

    0
    2022年04月11日
  • 歌う国民 唱歌、校歌、うたごえ

    Posted by ブクログ

    いま私たちがくちずさんだり、郷愁を覚えるなどと形容する唱歌や校歌といったものが盛んにつくられた近代においては、それらには国家のような大きな力による大衆の啓蒙や知識づけ、扇動……いってしまえばプロパガンダ的な要素があったということを論じている。論文の構成で、ですます調で書かれているような感じ。
    唱歌に啓蒙的な要素があるとは以前にも聞いたことがあるし、たとえば年号の語呂合わせとか電話番号をメロディー化するとか、要は覚えるためにキャッチーなフレーズにしたり歌にしたりすることで、覚えるというより身にしみ込ませていくのが人間ってものなんだなと思った。そう考えると、詩でもなく曲でもなく「歌」っていうのは面

    0
    2018年12月21日
  • 歌う国民 唱歌、校歌、うたごえ

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

     明治から現代まで音楽という切り口から社会を分析する。けっこう厚くて話題も多岐にわたる。一番言いたいことは、一見別物に見えるものでも実は繋がっている。そこでこれまでとは別の視点から歴史を捉えなおすということだろうか。
     戦前と戦後で180度方向が変わったように見える文化活動も実は共通の要素があったり、昔流行したものが現代で再び流行ったりするのは根底に大きな流れがあるから。それが国民音楽だったり「国民づくり」なのだ。

    0
    2014年06月23日
  • 歌う国民 唱歌、校歌、うたごえ

    Posted by ブクログ

    日本人はどうして歌うのか?
    歌の力は大きい。だから、歌の力は利用できる。でも、やっぱり残る歌には残るだけのプラスアルファがあるのだ。

    0
    2011年03月29日
  • 歌う国民 唱歌、校歌、うたごえ

    Posted by ブクログ

    うたごえ運動についての章が、よくまとまっていて、背景など理解でした。今の時代に合わせ、変化している部分変わらない部分あるなあと…

    0
    2011年03月05日