辻内智貴のレビュー一覧
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「セイジ」
観てみたいなぁと思った映画の原作ということで読んでみた。
辻内智貴氏は初めて。
陸の魚
この地上で、その生きにくさゆえに喘ぎつづけている、一体の生き物
その「喘ぎ」のなかに、喘がない自分たちには持ちえない何かが絶えず脈打っている(本文)
語り手の「僕」の淡々としたさまと、どこかの町の山間の寂れたドライブインに集う人々の横顔のやさしさ。
その後、セイジはどうしているのか・・・気になって仕方ない
もう1編は「竜二」
このタイトルだと映画を思い出してしまうけど、もちろん別物。
セイジと同じような作り方?
やっぱり、その後の竜二のことが気になる・・・
二作とも映像的だけど、「竜二」の -
Posted by ブクログ
現代は映画を見る場所というのは、「映画館」と言うよりも、ほぼ「シネコン」というイメージが強い。
たくさんのスクリーンの中から、見たい映画というものを選べるという楽しさもある。
しかし昔は「映画館」と言えば、封切している作品は一つか、同時上映として二つ程度。
それも何だかジメジメした感じや、前の席の座高の高い人の頭をよけながら見ていたようにも思う。
この「ラストシネマ」という作品は、昭和の時代の「とある街」でのエピソードが綴られる。
小学校3年生の主人公は、病の床に伏している「雄さん」が過去に1本だけ出演したという映画を探す。
そしてその幻の映画を探し出し、最後に雄さんに見せてあげるのだ。
こ -
Posted by ブクログ
解説の方が〜本が人を呼ぶことがある〜と言われていますが、くしくも僕はこの本を100円で売っていたからと言う理由で、何の気も無しに購入しました。しかし、それは忘れられない一冊との出会いとなりました。特に目新しい展開があるわけでも、とりとめて文章や表現が良いわけでもありません。ですが、結果的に僕は本という物を読んで久しぶりに心から感動しました。それは主人公たちとの心境とこの上ないほど共感し、シンクロしたからです。作中の萩原さんの言葉は、夢を追いかける僕たち全員の言葉でもあります。作者自身、シンガーとして音楽活動をして夢を追いかけていたと言うことで、その経験からこの物語を描くことが出来たのだと思いま