辻内智貴のレビュー一覧

  • 青空のルーレット

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    硝子清掃員たちの熱い絆を描いた表題作と、ラジオで耳にした曲を心の支えにして生きる少女の物語「多輝子ちゃん」の2本。

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    2014年01月09日
  • 青空のルーレット

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    なんだか読み終わって甘酸っぱい気分になる作品だった。
    清々しい気持ちだけじゃなくて、社会の厳しさとかも感じさせてくれる本。
    あぁ、いるんだろうな、こういうやつ。奥田みたいな悪役。
    ホワイトカラーの人間が立派ってどこかで私も思ってしまってるけど、夢を追いかけ続けることも格好良いなぁ。
    私も悔いのないように生きたいと思った。

    たきこちゃんも読んでいて幸せな気分に。
    そうだよなぁ、思春期の子供の気持ちって大人はわかってくれないよなぁ、なんて思いながら。
    お母さんになったら読み直したい作品。
    まさかあの爽やかで幸の薄い男の子が死んじゃうと思わなかったから、新幹線で読みながら泣きそうになってしまった。

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    2014年01月05日
  • 青空のルーレット

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    ネタバレ

    「高所窓ガラス特殊清掃作業員」つまり窓拭き業社に集うのは、漫画家、役者、アーティスト、小説家、芸人、様々なモノを目指す男たち。

    彼らの生き方、素直なエネルギー、そういったものが背景にあります。
    そしてストーリーは哀しさも含みながら、たどり着いた最後は爽快で温かな気持ちでした。
    なかなか良い本です。

    中編「多輝子ちゃん」も、高校生の初恋を描いた秀品。
    切なくてもどかしく、そしてやはり素直な気持ちになれる物語りでした。

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    2013年11月10日
  • セイジ

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    生きることに対するどうしようもなさみたいなものをうまく表現してると思う。悲観だけで終わらずある種の希望が示されるのもいい。自分が大事な人に何が出来るのか、考えさせられる。

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    2013年08月21日
  • ラスト シネマ

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    雄さんに観せようというその気持ちだけで、第2スカラ座まで映画を観に通う哲太が素敵。
    あとは、哲太の父さんが生と死について語る場面がすごく印象に残った。

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    2013年05月20日
  • ラスト シネマ

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    寡作で良質の作品を私たちに与えてくれる辻内氏。表題作も併録作もじわじわっと心に染み入る物語だ。
    「ラストシネマ」は主人公の父親が個性的でかっこいい。真似したくても出来ない。本当の男の姿を見た。
    「中村正太郎さんのこと」は、何気ない中年男の一日も早くを描きながらも、奥行き深い傑作だ。背中で語る男ってこういう人を言うのだろう。

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    2013年05月10日
  • セイジ

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    私たちにはきっと立ち止まって考える為の時間が足りない。歩き続けなきゃいけなくて、でもどこかでそれを求めている。どこかに属して多数派でいる安心感を。
    (主人公の二人の人生はそうではない)
    どっちの道を歩んでも辛いのです。

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    2013年05月03日
  • セイジ

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    2編の物語。それぞれ1人について主人公が語る形で話が進んでいく。
    生きるということはなんだろう、死ぬということはなんだろう。
    独りではなく自分を取り巻く人たちのなかでそれが現れて感じることが出来るのではないかと思った。

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    2013年03月24日
  • セイジ

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    優しい物語。あまりにも優しすぎると、こんなにも生きることが苦しくなるんだと思った。けれど、その優しさで誰かを救う事だってできるんだ。自分が嫌いになりかけている人に読んで欲しい。

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    2012年12月27日
  • セイジ

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    映画を観る前に読み終えました。
    「セイジ」も「竜二」もどちらも好きです。どちらも理解するにはちょっと時間が掛かったけど、それでも読んでいて泣いてました。
    何回でも読み直したい作品です。

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    2012年10月19日
  • セイジ

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    セイジも竜二も主となる人物から一歩引いた人物の視点から描かれている。どちらもとても魅力的な人物が描かれている。会話の端々にジワリとくるものがあった。
    セイジのセリフには含蓄があった。

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    2012年05月23日
  • セイジ

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    映画を観てから原作を読みました。
    原作は思っていたより短くて、あっという間でした。
    短編だからか、映画の中の核の部分があっさりしてて、ちょっと残念。
    小説では、あっさりしてるのに映画ではあれだけの表現が出来るのはやっぱり映像ならではなのかも。
    所々、映画と異なる部分アリ。

    もう一つの話。「竜二」。
    竜二は、兄弟の想いを描いた作品。
    こっちも、生きるとは何か…というようなモノをテーマにしている。
    お互いが一生懸命で思いやりを持ってるのに。お互いを理解してるのに。上手く表現できない。
    思いやるって、素敵なことだけど、伝わらないのは辛いだろうなーと強く感じました。

    ★新しく築いてゆく何かがあれば

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    2012年09月29日
  • セイジ

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    ネタバレ

    本書を知ったのは、俳優としても実績のある伊勢谷友介さんが監督を務め、西島秀俊さんと森山未來さんが主演した同書原作の「セイジ〜陸の魚〜」という映画を見たのがきっかけでした。

    先に、映画について書くと、二度観ました。
    二度目に見に行ったとき、一緒に行った連れには、この映画をよく二回観ようと思ったね、と意味深なことを言われましたが。

    いいとか、悪いとか、面白いとか、つまらないとか、そんな単純な言葉では割り切れないものがあって、とにかくよくは分からないけれどもかき乱されるような、引きつけられるような、そんな何かがある映画でした。

    好みで分かれると思うので、人にお薦めできるかどうかは分かりませんが

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    2012年03月20日
  • セイジ

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    ネタバレ

    映画を観て原作が気になり読んでみました。
    エピソードが絞られている分セイジの言葉が意外に多く、映画のセイジより人間らしく感じられた。強烈なエピソードだけど、セイジがカミサマだったことに救いがありました。
    辻内さんの作品は初めて読んだけれど、もう一つの作品も含めて人間社会に順応できないヒトを描くその視線がすごいと思う。

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    2012年03月10日
  • セイジ

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    なんて生きにくい人なんだろう。彼は、生まれてくる時代を間違えてきてしまったんだろう。
    苦しくなる話だったけど、最後は救われた…かな?

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    2012年03月01日
  • セイジ

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    目の前で人が苦しんでいる時、自分はどう行動すれば良いか・・・

    その苦しみを変わってあげたいけど、「そんな事はできっこない」という言い訳をしながら、結局、自分の出来る範囲で、自分が苦しまない範囲で、心配しているフリをしているのかもしれない。

    セイジを見ていてそう思った。

    映画ではどう表現されているのか、伊勢谷さんに期待。

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    2012年02月27日
  • セイジ

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    ネタバレ

    併せて収録されている「竜二」は未読。

    伊勢谷友介監督、西島英俊、森山未來出演、2月18日公開の原作ということで、本当は読まずに作品を見ようと思っていたが、本屋で出会ってしまったそれが、すでに映画版の表紙になっていたので思わず手にとってしまった。

    原作はえらく短い。しかしながら、確かに、映像にするのはなかなか興味深い。原作を生かすか、殺すか。伊勢谷君のお手並み拝見。

    気になっていた「ある出来事」を、知ることとなるが、
    これをどうやって映像にしてくるのか、
    いろんな意味で気になる。

    本当は☆☆☆☆☆でもいいくらい、
    わたしは「あり」
    なぜだろう。すごく共感してしまうのは、わたしもある種の

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    2012年02月12日
  • セイジ

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    西島秀俊さんと森山未來さんで映画化ということでなんとなく買ってみた一冊。
    セイジの過去が気になる。同時収録の「竜二」もいい話だなぁ。

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    2012年02月04日
  • セイジ

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    ネタバレ

    今かなり見に行きたい映画、
    『セイジ 陸の魚』の原作。


    映画記念特別カバーも勿論いいんだけど、
    やっぱり通常版の方が
    セイジ にしっくり来る気がします。



    一部抜粋

    わしが思うに、そういう奴は頭が良すぎるのかも知れんなーーー」
    「そういう奴って、誰よ?」とカズオさん。
    「そういう、何もせん奴よ」

    (略)

    「わかんねえな。何で頭が良いと何もしなくなるんだよ。東大を卒た奴が皆んなグータラになっちまったらニッポンはエライ事だぞ、先生」
    というカズオさんの言葉に、
    「いや。そういうんじゃ無いんだ」
    先生は、またプカリと煙を吐いた。
    「わしの言うのは、つまりものごとが、見えすぎる、わかりす

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    2012年01月25日
  • ラスト シネマ

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    ネタバレ

    主人公が小学生の頃、癌に侵されて東京から帰ってきた雄さん。その雄さんが一度だけ端役で出た映画を最期にもう一度見せてあげたい。

    淡々したペースで進んでいくものの、ストーリーの空気感が独特で一気に読んでしまった。
    最後に主人公が語る、悪人を書けない理由、自分の書きたい物語のくだりがとても、とても良かった。
    このラストシネマは正にその通りの物語になっているし、私はそういう話を探しているんだなと思った。
    語り手の主人公含めた登場人物すべてが、読んでる人の気持ちを暖かくしてくれる名作。

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    2012年01月24日