辻内智貴のレビュー一覧

  • ラスト シネマ
    主人公が小学生の頃、癌に侵されて東京から帰ってきた雄さん。その雄さんが一度だけ端役で出た映画を最期にもう一度見せてあげたい。

    淡々したペースで進んでいくものの、ストーリーの空気感が独特で一気に読んでしまった。
    最後に主人公が語る、悪人を書けない理由、自分の書きたい物語のくだりがとても、とても良かっ...続きを読む
  • いつでも夢を
    久しぶりに恥ずかしくならない純愛小説を読んだ。
    登場する男どもが実にかっこいい!特に、人生という言葉から「虹」を連想するジローの器の大きさと懐の深さに憧れる。
    そして、愛する女性から「わたし、うまれてきて、よかった」って言われるなんて男冥利の極みである。
  • 青空のルーレット
    ビルの窓拭きの仕事をしている人たちの夢や人生を語る小説。あとがきの最後の2行からしても、作者の経験にも基づいているだろうが、男たちの物語に胸が熱くなる。読後のソーカイ感という言い方とタイトルのルーレットにはちょっと引っかかったが、また読み返したい小説。もう1篇は少女の切ない恋の物語。
  • 青空のルーレット
    何か夢を持ちながらビルの窓拭きの仕事をする若者たちが主人公の表題作は、最後のちょっと痛快なできごとが出来すぎな感じだったけど、一昔前の青春ドラマみたいな飄々とした味わいが良かった。もう1篇の「多輝子ちゃん」も、そんな都合の良い出会いがあるかなぁ、とは思ったけど、味のある雰囲気だった。
  • 青空のルーレット
    青空のルーレットと多輝子ちゃんの2作。どこか他人行儀な不思議な視点で物語が書かれていて面白かった。

    青空のルーレットはあとがきを読んで涙しました。
  • いつでも夢を
    週末に再読しました。この本も良いです。良い話を読みたいと思った時、せひ一読を。ほっこりしますよ。同名の歌も良いですよね。
  • セイジ
    映画化するという事で読んでみました。
    読んでいてセイジのような生活は女性はできないだろうなーと思いました。
    そういう意味では男性はロマンチストなのだとつくづく思う。
  • 青空のルーレット
    学校の課題図書として
    読んだのがこの本との出会いです。

    読んだ後は、爽快感でいっぱい
    ベタな展開ではあったけれど
    素敵でずっと持っておきたい本です。
    あんな仲間をもちたいと思いました
  • セイジ
    「セイジ」と「竜二」の2つ短編が収録されている。
    どちらも物寂しげな雰囲気で物語が進む。
    どちらも同じような人生観で構成されている気がするので、これが作者の人生観なのかもしれない。
    個人的には共感できる部分もある人生観だ。
  • 信さん(小学館文庫)
    内向的な主人公と母親
    町内でも有名なフダツキ信さん
    三人の人生がヒョンなことで交わり物語は進んで行く

    郷愁溢れる情景の中で
    多くを語らないことで
    読者に想像を膨らませさせる

    後半に収録されている
    遥い町(とおいまち)にも共通して言えるのは
    生き様
  • 青空のルーレット
    大分前に読んだんだけど、先日、ロープでの窓拭き隊を見て思い出しました。
    爽やかでカッコいい窓拭きの男達の話です。
  • 信さん(小学館文庫)
    いずれも九州の炭鉱町、おそらく昭和30年代を舞台に、少年の姿を描いた作品です。
    「信さん」は主人公の私の友人だった信さんの話。彼は養子として引き取られ、後に実子が出来たために追いやられ、実像以上に「フダツキ」と見なされていた。しかしある事をきっかけに、私の母を敬愛するようになり、見事にその本性である...続きを読む
  • ラスト シネマ
    哀しく美しい物語。
    この人の作品は、どれも美しい。登場するのは善意の人ばかり。

    悪く言えば「奇麗事」であり、またストーリーそのものも「紋切り型」であることが多い。でも私は惹かれてしまう。

    この作品のエピローグに、本編で9歳だった少年が、47歳の脚本家になってつぶやく言葉がある。少し長いが引用して...続きを読む
  • 青空のルーレット
    なぜこうした本(フィクションなのに)が好きなのかを自問してみると、結局のところ、小説として読むものは、読んだ後に気持ちがいい、と思いたいからなんだろうと気づいた。青春ものにはそうした小説は多いかもしれない。これまでに気持ちがよかった(niceな)小説は、タイトルや重要なキーワードに「青」が含まれるこ...続きを読む
  • いつでも夢を
     この人の話を読むと、世の中悪い人なんていないんじゃないか、という暖かい気持ちになる。
     常識ではこんなことありえないとは理性はわかってます。でも、理性とは関係のない自分はこんな素敵な出来事を信じてる。
     辻内さんのハッピーエンドはいつも心地良いです。むずむずしないハッピーエンド。
  • いつでも夢を
    客観的に見れば、優れた作品では無いかもしれない。でも何故かグッと来てしまう本があるものです。
    50を過ぎたオジサンが「良かった〜」と言うのは気恥ずかしいような純愛御伽噺(ちなみに単行本のサブタイトルが「TOKYOオトギバナシ 」です)。
    だから、人には薦めません。

    ミュージシャン崩れで人が良いばか...続きを読む
  • 青空のルーレット
    淡々と日常は流れるのに、うまく流れることができない者もいる。それでも流れる日常は。
    ほんのり、ほんのり、じわり、じわり、するめをかみしめるように、そんな世界
    何度も何度も読み返したい
  • セイジ
    セイジ、竜二共に良く似た雰囲気の作品です。

    どこか世間に馴染めない「陸の魚」。世間が見え過ぎて、なにもしたく無くなり、ただ怠惰に寂れたドライブインで世捨て人の様な生活を送るセイジ。
    そのセイジが両親を殺された女の子の為に起こす最後の事件は非常に印象的です。
    良い話なのです。心が温まるし感動的です。...続きを読む
  • ラスト シネマ
    泣かせる本なんだろーと高をくくってた、甘かった
    死を扱った本なのに、晴れやかな気持ちにさせる読後感なのだ
    俺がこんなことを言うのは明らかに間違っているんだが
    生とはいかに今を生きた(る)か?であって死に様とはまったく関係ないのだ
    「中村正太郎さんのこと」もなかなかいい

    一つだけ台無しなの...続きを読む
  • 青空のルーレット
    2本立てのお話。後半の多輝子ちゃんの話が良かったなぁ。青空ルーレットは窓拭き掃除の作者自身の話みたい。夢を見るってことは生きてることっていうのはすごく納得したなぁー。何もなく生きていくよりもそういう人の方が輝いてると思うし。たきこちゃんの方は初恋相手が死んじゃって後を追おうとしたんだけどラジオから聞...続きを読む