辻内智貴のレビュー一覧

  • いつでも夢を

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    久しぶりに恥ずかしくならない純愛小説を読んだ。
    登場する男どもが実にかっこいい!特に、人生という言葉から「虹」を連想するジローの器の大きさと懐の深さに憧れる。
    そして、愛する女性から「わたし、うまれてきて、よかった」って言われるなんて男冥利の極みである。

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    2012年01月05日
  • 青空のルーレット

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    ビルの窓拭きの仕事をしている人たちの夢や人生を語る小説。あとがきの最後の2行からしても、作者の経験にも基づいているだろうが、男たちの物語に胸が熱くなる。読後のソーカイ感という言い方とタイトルのルーレットにはちょっと引っかかったが、また読み返したい小説。もう1篇は少女の切ない恋の物語。

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    2011年12月04日
  • 青空のルーレット

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    何か夢を持ちながらビルの窓拭きの仕事をする若者たちが主人公の表題作は、最後のちょっと痛快なできごとが出来すぎな感じだったけど、一昔前の青春ドラマみたいな飄々とした味わいが良かった。もう1篇の「多輝子ちゃん」も、そんな都合の良い出会いがあるかなぁ、とは思ったけど、味のある雰囲気だった。

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    2011年08月28日
  • 青空のルーレット

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    ネタバレ

    青空のルーレットと多輝子ちゃんの2作。どこか他人行儀な不思議な視点で物語が書かれていて面白かった。

    青空のルーレットはあとがきを読んで涙しました。

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    2011年07月28日
  • いつでも夢を

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    週末に再読しました。この本も良いです。良い話を読みたいと思った時、せひ一読を。ほっこりしますよ。同名の歌も良いですよね。

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    2011年07月04日
  • セイジ

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    映画化するという事で読んでみました。
    読んでいてセイジのような生活は女性はできないだろうなーと思いました。
    そういう意味では男性はロマンチストなのだとつくづく思う。

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    2011年06月03日
  • 青空のルーレット

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    学校の課題図書として
    読んだのがこの本との出会いです。

    読んだ後は、爽快感でいっぱい
    ベタな展開ではあったけれど
    素敵でずっと持っておきたい本です。
    あんな仲間をもちたいと思いました

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    2011年01月16日
  • セイジ

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    「セイジ」と「竜二」の2つ短編が収録されている。
    どちらも物寂しげな雰囲気で物語が進む。
    どちらも同じような人生観で構成されている気がするので、これが作者の人生観なのかもしれない。
    個人的には共感できる部分もある人生観だ。

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    2010年12月27日
  • 信さん(小学館文庫)

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    内向的な主人公と母親
    町内でも有名なフダツキ信さん
    三人の人生がヒョンなことで交わり物語は進んで行く

    郷愁溢れる情景の中で
    多くを語らないことで
    読者に想像を膨らませさせる

    後半に収録されている
    遥い町(とおいまち)にも共通して言えるのは
    生き様

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    2010年12月09日
  • 青空のルーレット

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    大分前に読んだんだけど、先日、ロープでの窓拭き隊を見て思い出しました。
    爽やかでカッコいい窓拭きの男達の話です。

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    2010年03月17日
  • 信さん(小学館文庫)

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    いずれも九州の炭鉱町、おそらく昭和30年代を舞台に、少年の姿を描いた作品です。
    「信さん」は主人公の私の友人だった信さんの話。彼は養子として引き取られ、後に実子が出来たために追いやられ、実像以上に「フダツキ」と見なされていた。しかしある事をきっかけに、私の母を敬愛するようになり、見事にその本性である優しさを花開かせて行く。「遥い町」は戦時中に強制徴用された朝鮮人労働者の息子・ヨン君の話。主人公の友だちだったヨン君は、ガキ大将たちのいわれの無いいじめに耐えていたが。。。
    どちらも心を洗うような綺麗な話です。
    毎度のことなんだけど、この人の作品はありえないほど奇麗事かも知れません。でもやっぱり読む

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    2016年07月31日
  • ラスト シネマ

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    哀しく美しい物語。
    この人の作品は、どれも美しい。登場するのは善意の人ばかり。

    悪く言えば「奇麗事」であり、またストーリーそのものも「紋切り型」であることが多い。でも私は惹かれてしまう。

    この作品のエピローグに、本編で9歳だった少年が、47歳の脚本家になってつぶやく言葉がある。少し長いが引用してみる。
    =====
    キミは悪人が書けないね。
    或る大物プロデューサーからそんな事を言われたことがある。(中略)
    そうかも知れないと、自分でも思う。
    と言って<悪人を書けるようにナロー!>などという目標を書いて机の前に貼る気も無い。(中略)
    父に似たのか、どこかヘソ曲がりな所のある私は、例えば今の世の

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    2016年07月31日
  • 青空のルーレット

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    なぜこうした本(フィクションなのに)が好きなのかを自問してみると、結局のところ、小説として読むものは、読んだ後に気持ちがいい、と思いたいからなんだろうと気づいた。青春ものにはそうした小説は多いかもしれない。これまでに気持ちがよかった(niceな)小説は、タイトルや重要なキーワードに「青」が含まれることが多かったかな、というのが「青の本たち」の由来。

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    2009年11月07日
  • いつでも夢を

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     この人の話を読むと、世の中悪い人なんていないんじゃないか、という暖かい気持ちになる。
     常識ではこんなことありえないとは理性はわかってます。でも、理性とは関係のない自分はこんな素敵な出来事を信じてる。
     辻内さんのハッピーエンドはいつも心地良いです。むずむずしないハッピーエンド。

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    2011年07月19日
  • いつでも夢を

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    客観的に見れば、優れた作品では無いかもしれない。でも何故かグッと来てしまう本があるものです。
    50を過ぎたオジサンが「良かった〜」と言うのは気恥ずかしいような純愛御伽噺(ちなみに単行本のサブタイトルが「TOKYOオトギバナシ 」です)。
    だから、人には薦めません。

    ミュージシャン崩れで人が良いばかりで売れない四十歳の小説家と、心に大きな傷を持つ二十歳の娘の純愛ですからね。さらにそれを取り巻くのが「親父」と呼ばれる退職刑事とその気の良い奥さん、さらに子供の頃に妹を亡くしてしまった孤児上がりのヤクザ。
    ある意味ありふれた設定だし、クサいようなところもあるのですが、辻内さんらしい優しさの表し方と、

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    2016年08月07日
  • 青空のルーレット

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    淡々と日常は流れるのに、うまく流れることができない者もいる。それでも流れる日常は。
    ほんのり、ほんのり、じわり、じわり、するめをかみしめるように、そんな世界
    何度も何度も読み返したい

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    2009年10月04日
  • セイジ

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    セイジ、竜二共に良く似た雰囲気の作品です。

    どこか世間に馴染めない「陸の魚」。世間が見え過ぎて、なにもしたく無くなり、ただ怠惰に寂れたドライブインで世捨て人の様な生活を送るセイジ。
    そのセイジが両親を殺された女の子の為に起こす最後の事件は非常に印象的です。
    良い話なのです。心が温まるし感動的です。でもどこか嘘っぽさを感じてしまいます。最後の事件が衝撃的であればなおさらです。
    もう少し違う扱いをすれば、--例えば時代を移すとか、いっそ背景をいしいしんじ風にしてしまうとか--、変な違和感を感じずに済むのにと思ってしまいました。

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    2016年08月07日
  • ラスト シネマ

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    泣かせる本なんだろーと高をくくってた、甘かった
    死を扱った本なのに、晴れやかな気持ちにさせる読後感なのだ
    俺がこんなことを言うのは明らかに間違っているんだが
    生とはいかに今を生きた(る)か?であって死に様とはまったく関係ないのだ
    「中村正太郎さんのこと」もなかなかいい

    一つだけ台無しなのは著者紹介
    ”詩人の魂を抱いて今をさすらう孤高の小説家”
    …それはないだろw

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    2009年10月04日
  • 青空のルーレット

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    2本立てのお話。後半の多輝子ちゃんの話が良かったなぁ。青空ルーレットは窓拭き掃除の作者自身の話みたい。夢を見るってことは生きてることっていうのはすごく納得したなぁー。何もなく生きていくよりもそういう人の方が輝いてると思うし。たきこちゃんの方は初恋相手が死んじゃって後を追おうとしたんだけどラジオから聞こえてきた新人さんのただ受け止めたい・・・的な曲で死ぬのを辞めるの。でもその歌手は薬中ってことがバレてプロダクションの人が止めて2回くらいしか流れない幻の曲だった・・・・でもたきこちゃんを支えたんだね。何だかとっても温かい文章で、太宰治かなんかの賞をとっただけあってやわらかくてステキな話でした。まっ

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    2009年10月04日
  • 青空のルーレット

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    男同士の友情はさっぱりしてて気持ちがいいです。辻内さんはきっと温かい人なんだろうなぁ。「多輝子ちゃん」もよかった。

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    2009年10月16日