辻内智貴のレビュー一覧

  • 青空のルーレット
    夢を見ることをやめない窓ふきアルバイターだけに見える、《青空いっぱいに広がる、止まる事だけを拒み続けるルーレット》が心底うらやましい。
    ラスト近く、窓の外に見える光景に胸をふるわせてしまう「青空のルーレット」

    一人の少女のひとつの愛と、彼女を救ったひとつの歌。そのあらましを第三者の目で優しく見...続きを読む
  • 青空のルーレット
    窓拭きおじさんフリーター達の、友情物語。
    青臭くはないけどおっさん臭くもない、不思議な爽快感です。
  • セイジ
    それぞれの考え方はその環境や経験によって違ってくる。周りと異なった意見や行動をとる者の一辺を捉えて変人扱いをする事はないだろうか。間違っている事柄にも多数の賛同で正しいとされがちな世の中。異を唱える少数者を変人扱いする世間。
    少数の意見の中に、なんか考え方が違うと思うその中に、真実があることだって少...続きを読む
  • ラスト シネマ
    「他のすべてを失ってでも愛したいものが、そこに、ひとつでも有ったか、ってことなんじゃないかしら」 作中より抜粋
  • セイジ
    (2008.2)

    この小説はあたしが出逢った小説でいちばんのお気に入りです(2008.2現代)
    かなりコアな作家さんかもしれないけど辻内さんの世界観がたまらなく好きですー
    最近は新刊出してないです…

    タイトルそのままセイジってゆう主人公が出てくるのー
    んで最後がー最後がー
    読んだ後のココロが空...続きを読む
  • 青空のルーレット
    人間は何歳になっても、夢を追いかけることをあきらめちゃいけない・・・・ということを

    ストレートに呼びかけてくるストーリーが爽快です。

    そして臭いけど、登場人物が「人生」について語る言葉の数々が

    本当に味があっていいです。
  • 信さん(小学館文庫)
    ひとことで言ってしまうと、古き良き昭和の人情話。
    淡々と描写される優しい日常の風景と人物のディテールに、ノスタルジーがこみ上げます。
    でも、ただの懐古趣味とか古くさい貧乏美談とか、そんなよくあるお涙ちょうだい話ではないんです。
    心の綺麗な未亡人と、親子ほど歳の離れた複雑な生い立ちの少年・信さんとの、...続きを読む
  • セイジ
    誰かが大きく間違ってるワケじゃないんだけど、
    なんか違和感を感じてしまう日々の出来事。

    社会という群れから離れることからの恐れなのか、
    「みんなでやれば怖くない」「みんなやってる」という免罪符が
    誰しもが持つ倫理観を損ねているような気がしてならない。

    この本に出てくるような人を、何人も知っている...続きを読む
  • 青空のルーレット
    先日「セイジ」を読んで、収録された2編が同じような作風だったので「こんな感じばかりなんだろうな」と思いながら読んだのですが、かなり印象が違いました。
    気に入ったのは「青空のルーレット」。
    ミュージシャン志望、漫画家志望、作家志望。そんな夢を追い続ける人ばかりが集まった清掃会社。社長は理解があるが病気...続きを読む
  • セイジ
    同時収録の「竜二」。
    俺、これ、兄貴に絶対あげるんだ!
    リッパだって、どうしようもなくたって、
    兄貴は兄貴なんだぜ!
  • セイジ
    「百年ながらえるより、一瞬でいいから俺は生きたいと思うことがあるよ」という言葉はとても印象に残っている。
    セイジの考え方、生き方自体になぜかひきつけられたし、一気に読んでしまった。
  • 青空のルーレット
    青空派か星空派かと言われると、星空派なのですが(夜型…)。でも抜けるような青空を見上げたような素敵な小説だと思いました。『多輝子ちゃん』も前半は「う〜ん…」と思ってましたが、後半でホロリとさせられる印象的な物語でした。でもあの傍点の多用は必要なんでしょうか? そういう文体なのかなぁとも思いますが…読...続きを読む
  • 青空のルーレット
    久々に、涙がポロポロこぼれる本を読みました。


    高層ビルの窓拭きという危険な仕事をする男たちの物語。

    コメディアンになりたい奴、ミュージシャンになりたい奴、

    漫画家になりたい奴・・・それぞれが自分の夢のために働いていた。

    そんなある日、自己中心的で夢の無い上司の、

    ひねくれた気持ちによって...続きを読む
  • セイジ
    「百年ながらえるより、一瞬でいいから俺は生きたいと思うことがあるよ」という言葉はとても印象に残っている。
    セイジの考え方、生き方自体になぜかひきつけられたし、一気に読んでしまった。
  • セイジ
    淡々と流れるなかの鮮烈なシーン。
    文字を追うだけでは、読みこなせない文字数そのものよりも心にずっしりきた。

    『奇蹟』がそう簡単に(決して簡単なシーンではないが…)起こるとは思えないけれど、その一瞬以上のものを感じ、絶対忘れられないなと思った。

    竜二と高志なの関係、言葉なしなのが心に沁みる。
  • 青空のルーレット
    子供のころに読んだ小説。
    当時はタツオや萩原さんのような大人になろうと思っていたけれど、実際に大人になってみると保雄が一番近いのかもしれない。
    奥田にはなってないといいな。そう信じたいな。そう生きていきたいな。

    >「夢を 叶える事よりも、夢を見る事で、人間は人間になれるんだっ、お前なんかに分ってた...続きを読む
  • セイジ
    傍点多すぎが気になって…大正純文学の影響かな。映画はよかった。とくにあの空気感が。原作はあれ以上の感激はとくにないかなー。
  • セイジ
    映画を見てラストあたりの意味がはっきり理解できなかったので読んでみた。状況は理解できたが、セイジの心情は理解が難しい。
  • 青空のルーレット
    1作目の「青空のルーレット」はビル清掃員をしながら、夢を見続ける若者(萩原さんは、お年だが・・・)の小説。そういった夢を見続ける若者を理解しない社会との対峙関係が見事に描かれていて、とても良かった。酷い仕打ちを受ける萩原さんを助ける同僚愛も描かれていて、読み終わるときに清々しい気持ちになる作品である...続きを読む
  • 青空のルーレット
    おいなり

    よかった〜(^^)表紙の突き抜けるような青空とタイトルのとおり、爽やかな読後感。夢を追い続ける人たちのまっすぐで熱い思いが、胸にズドーンと入ってきます。ラストのタツオと萩原さんのやりとりには涙涙。 大宰治賞受賞の「多輝子ちゃん」は特徴的な文体だが読ませる作品。ひとりの少女の16才の...続きを読む