辻内智貴のレビュー一覧

  • セイジ

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    再読、氏の作品の中で最も好きな一作です

    ここ数年で、辻内智貴さんの本を何冊売ったことでございましょう

    いぁ、w244―、書店員でも取次ぎでも出版社でもありません
    辻内智貴さんを直接知るどころか、触れたことも見かけたこともありませぬ、唯の一読者であります

    それでも、この寡作ながら真摯な著作活動と、稀に上梓される作品の確かさに惚れこみ、『ナンカ、イイ本ネェー?』と問われれば、見境なく辻内智貴さんをお奨めてまいりました

    リアル知人に対しましては、その懐具合なども鑑み、遊び暮らしている後輩には無理矢理書店に連れて行き購入させ、子育てに追われオコヅカイに不自由する友人には『読み終わったから

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    2011年11月13日
  • 青空のルーレット

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    夢を見ることをやめない窓ふきアルバイターだけに見える、《青空いっぱいに広がる、止まる事だけを拒み続けるルーレット》が心底うらやましい。
    ラスト近く、窓の外に見える光景に胸をふるわせてしまう「青空のルーレット」

    一人の少女のひとつの愛と、彼女を救ったひとつの歌。そのあらましを第三者の目で優しく見守る「多輝子ちゃん」

    の2編収録。

    装丁で選ぶなら、こちらのハードカバーでぜひ!
    あとがきもよいです。
    こういう書き手さんって、好きだなぁ。

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    2010年10月14日
  • 青空のルーレット

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    窓拭きおじさんフリーター達の、友情物語。
    青臭くはないけどおっさん臭くもない、不思議な爽快感です。

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    2010年08月29日
  • セイジ

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    それぞれの考え方はその環境や経験によって違ってくる。周りと異なった意見や行動をとる者の一辺を捉えて変人扱いをする事はないだろうか。間違っている事柄にも多数の賛同で正しいとされがちな世の中。異を唱える少数者を変人扱いする世間。
    少数の意見の中に、なんか考え方が違うと思うその中に、真実があることだって少なからずあるのだ。冷静に捉えることのできる者でありたい。

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    2010年05月26日
  • ラスト シネマ

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    「他のすべてを失ってでも愛したいものが、そこに、ひとつでも有ったか、ってことなんじゃないかしら」 作中より抜粋

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    2010年03月11日
  • セイジ

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    (2008.2)

    この小説はあたしが出逢った小説でいちばんのお気に入りです(2008.2現代)
    かなりコアな作家さんかもしれないけど辻内さんの世界観がたまらなく好きですー
    最近は新刊出してないです…

    タイトルそのままセイジってゆう主人公が出てくるのー
    んで最後がー最後がー
    読んだ後のココロが空っぽになる感ぢたまらないのですー

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    2010年01月18日
  • 信さん(小学館文庫)

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    ひとことで言ってしまうと、古き良き昭和の人情話。
    淡々と描写される優しい日常の風景と人物のディテールに、ノスタルジーがこみ上げます。
    でも、ただの懐古趣味とか古くさい貧乏美談とか、そんなよくあるお涙ちょうだい話ではないんです。
    心の綺麗な未亡人と、親子ほど歳の離れた複雑な生い立ちの少年・信さんとの、恋にならないような、否、恋にはあえてしなかった、微妙かつ繊細な心の交流が、レトロな世界観の中で、美しく切なく描かれています。それを綴るのが、信さんの唯一の親友であり、未亡人の息子であるという点において、この物語の秀逸さ、卓越性を限界まで高めていると思うのです。
    良質かつ美しい家族小説でもあります。

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    2009年11月11日
  • セイジ

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    誰かが大きく間違ってるワケじゃないんだけど、
    なんか違和感を感じてしまう日々の出来事。

    社会という群れから離れることからの恐れなのか、
    「みんなでやれば怖くない」「みんなやってる」という免罪符が
    誰しもが持つ倫理観を損ねているような気がしてならない。

    この本に出てくるような人を、何人も知っているけど、
    彼らは皆、世間からは「変人」扱いをされている。

    当たり前のことを行う勇気の大切さ。
    人間として生きる尊厳をこの本は鮮やかにストーリーにしています。

    大好きな本です。



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    2009年10月04日
  • 青空のルーレット

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    先日「セイジ」を読んで、収録された2編が同じような作風だったので「こんな感じばかりなんだろうな」と思いながら読んだのですが、かなり印象が違いました。
    気に入ったのは「青空のルーレット」。
    ミュージシャン志望、漫画家志望、作家志望。そんな夢を追い続ける人ばかりが集まった清掃会社。社長は理解があるが病気がち。弟の専務はとんでもない小人で、特に40歳を越える作家志望の荻原を目の敵にする。誰からも弟のように可愛がられていた保雄の事故が元で、いつも穏やかな荻原は専務を殴り退社する。そして。。。。
    まあ、途中で先のストーリーは予想はついたのだけれども、それでも面白く、最後のシーンでは思わず目頭が。。。

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    2016年08月07日
  • セイジ

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    同時収録の「竜二」。
    俺、これ、兄貴に絶対あげるんだ!
    リッパだって、どうしようもなくたって、
    兄貴は兄貴なんだぜ!

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    2009年10月04日
  • セイジ

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    「百年ながらえるより、一瞬でいいから俺は生きたいと思うことがあるよ」という言葉はとても印象に残っている。
    セイジの考え方、生き方自体になぜかひきつけられたし、一気に読んでしまった。

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    2009年10月04日
  • 青空のルーレット

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    青空派か星空派かと言われると、星空派なのですが(夜型…)。でも抜けるような青空を見上げたような素敵な小説だと思いました。『多輝子ちゃん』も前半は「う〜ん…」と思ってましたが、後半でホロリとさせられる印象的な物語でした。でもあの傍点の多用は必要なんでしょうか? そういう文体なのかなぁとも思いますが…読み手としては鬱陶しいですね;

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    2009年10月04日
  • セイジ

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    「百年ながらえるより、一瞬でいいから俺は生きたいと思うことがあるよ」という言葉はとても印象に残っている。
    セイジの考え方、生き方自体になぜかひきつけられたし、一気に読んでしまった。

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    2009年10月04日
  • セイジ

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    ネタバレ

    淡々と流れるなかの鮮烈なシーン。
    文字を追うだけでは、読みこなせない文字数そのものよりも心にずっしりきた。

    『奇蹟』がそう簡単に(決して簡単なシーンではないが…)起こるとは思えないけれど、その一瞬以上のものを感じ、絶対忘れられないなと思った。

    竜二と高志なの関係、言葉なしなのが心に沁みる。

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    2022年01月05日
  • 青空のルーレット

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    子供のころに読んだ小説。
    当時はタツオや萩原さんのような大人になろうと思っていたけれど、実際に大人になってみると保雄が一番近いのかもしれない。
    奥田にはなってないといいな。そう信じたいな。そう生きていきたいな。

    >「夢を 叶える事よりも、夢を見る事で、人間は人間になれるんだっ、お前なんかに分ってたまるかっ」
    表題の『青空のルーレット』と『多輝子ちゃん』の二作品を収録。
    前者は、夢を持ち、夢を見て窓拭きをする者たちの友情物語。
    正しさや能力・才能には言及してないところがポイントかもしれません。何かを得るのではなく、心を開いてく作品だと思います。作品の清涼感が、時には冷静さを取り戻させてく

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    2020年05月02日
  • セイジ

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    傍点多すぎが気になって…大正純文学の影響かな。映画はよかった。とくにあの空気感が。原作はあれ以上の感激はとくにないかなー。

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    2018年12月28日
  • セイジ

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    映画を見てラストあたりの意味がはっきり理解できなかったので読んでみた。状況は理解できたが、セイジの心情は理解が難しい。

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    2015年04月10日
  • 青空のルーレット

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    1作目の「青空のルーレット」はビル清掃員をしながら、夢を見続ける若者(萩原さんは、お年だが・・・)の小説。そういった夢を見続ける若者を理解しない社会との対峙関係が見事に描かれていて、とても良かった。酷い仕打ちを受ける萩原さんを助ける同僚愛も描かれていて、読み終わるときに清々しい気持ちになる作品である。2作目の「多輝子ちゃん」は、一見すると青空のルーレットとは全く異なる作風で、鳥瞰的に描かれる文章が印象的な作品である。しかし内容は、恋に一途な多輝子ちゃんとそれを受け入れない周囲、音楽に一途な青年と薬物中毒の過去を受け入れることができない社会の対峙関係が描かれていて、「青空のルーレット」と共通する

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    2015年01月31日
  • 青空のルーレット

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    おいなり

    よかった〜(^^)表紙の突き抜けるような青空とタイトルのとおり、爽やかな読後感。夢を追い続ける人たちのまっすぐで熱い思いが、胸にズドーンと入ってきます。ラストのタツオと萩原さんのやりとりには涙涙。 大宰治賞受賞の「多輝子ちゃん」は特徴的な文体だが読ませる作品。ひとりの少女の16才の夏の出来事。精一杯生きたあの夏があるから今を生きていけるというラストに共感。

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    2014年03月13日
  • セイジ

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    映画を先に見てから読みました。
    物事が見えすぎるが故に、悲しみに埋もれるほかうまく生きていく道がないセイジ。

    結局私はこういう人に惹かれるのでしょう。
    セイジか発する言葉一つ一つが心に残る。

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    2014年01月12日