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人がよかれと思ってすることは本当にペットのためになっているのだろうか.家畜の命をいただくということはどういうことだろう.また,野生動物を絶滅から守るにはどうしたらよいのか.さまざまな動物たちとともに生きていくために,生き物のつながりを見つけ,動物の立場から,地球の立場から考える目を養おう.
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Posted by ブクログ
ドバトや野生のイノシシに餌をあげようとする人の話をよく聞く。自分では“動物に優しい”善意の行動だと思っているのだろうが、私からすればそれが余計にたちが悪い。そんな餌やり行為は高槻先生が提唱する、野生動物の生態系における「リンク」という概念を理解すれば明らかな誤りだとわかる。 「良かれ」と思っている...続きを読む人に「あなたの考えはまったく間違っています。180度考えを変える必要があります」と言うのは難しいし、言ってもすぐには理解されないだろう。高槻先生は学者としての「良心」からか、動物に関する世間の頑固な誤謬に対し、回りくどい言い方を避けて直接的に読者に語りかけている。 例えば、渋谷のハチ公を例に出し、ハチが飼い主が亡くなった後も駅に通い続けたのを主人への忠義と見るのは、動物の生態を無視し、本能で生きる犬に人間の道徳を勝手に当てはめた“見当違い”であると言い切っている。 また、野生動物についても、人はよく「野生動物を守りたい」と簡単に言うが、私はほとんどの人はテレビとかで断片的に知った情報で“知ったつもり”になり、それを正しいと思い込み、他人どころか当の野生動物にまでそれを押しつけ、結果として、野生動物を生きづらく追い込んでいるのでは?という思いを強くしている。 たとえば野生動物を保護して、と言いながら、都会にサルが迷い込んだら、マスコミも大挙してサルを追い回しているではないか?ああいうサルの多くは群れから何かの事情で離れた「はぐれサル」であり、人を襲うのはごくまれだ(サルに襲われるより、人間に襲われるほうがよっぽど確率が高いではないか!まさにApe shall never kill ape!)。だから一番良いのは、はぐれたサルが自分で山に戻れるよう、そっとしておくことだ。そんな簡単なこともわからず何とかの1つ覚えみたいに大騒ぎしてサルを捕まえに行ったら、サルもパニックになるのは当たり前だ! 一方で「リンク」という考え方は、動物を一種類だけの単体(例えばトキ)で守ろうとするのは間違いで、トキが住む環境のほか、トキが食べる生き物、トキを食べる生き物といった自然界での「円環」を考えることであり、私には合理的に捉えることができた。 だから人間も地球に生きる一員である以上、この「リンク」から逃れられず、リンクを疎かにする行動はすなわち自分たち人間自身に悪影響を与え生存を脅かすものとなる。 また、リンクという考え方を合理的だと言ったのは、動物の生態系に限らず、いろんな場面で応用される原理と感じられるからだ。たとえば経済問題として、アメリカが中国製品の不買活動を行えば、それは中国への経済制裁だけでは終わらず、巡りめぐって自国の経済への悪い影響につながるはずだ。目先の利益に捉われていたら、数十年数百年後に想定外の結果がもたらされることになる点では同じだと言える。 それを踏まえて、私はあえて次の思いを強くしたので、この場で声を大にして言っておきたい。 ①今の多くの動物保護の活動が、動物単体のみが考慮されてその周りのファクターを包括した生息圏の保護が顧みられておらず、有効にはなっていない。 ②動物にとって絶滅や環境破壊の一番の原因となっているのが、他ならない人間である。それにもかかわらず、多くの人間はそのことに目をつぶって直視しようとせず、そのために自己保身的なきれいごととして、自己満足に終わっている。 つまり「動物を守る」のは、そんな簡単で短期的にできるものじゃないってことだ。極論すれば、人類の有史以来、野生動物の生息環境は継続して人類の手により破壊されているのであり、それと同等の質量で保護に取り組むくらいの覚悟でなければ“焼け石に水”ということ。 最後に、小手先の動物への“優しさ”こそが、人間をリンクから超越する存在と見なす傲慢な考え方を裏付ける誤ったものだと、もう一度言っておきたい。
この本で、我が家では初めての試みとして、うちの小学生中学年の子供たちに中高生向けのジュニア新書を読み聞かせしてみました。そうしたところ結果的に我ながら素晴らしいと思える教育的効果があげられたので、今後もこのような本を探してぜひまた読み聞かせに使ってみたい、と思うまでの良書でした。 本書の何がそん...続きを読むなに良かったかというと、まず話題が子供たちにとってわかりやすいところから始まっているということです。子供たちも「動物を大切にしたい」という気持ちは当然持っています。さらに植物の受粉や動物の生態の話などは、授業でも断片的に少しずつ習っていることなので、全然わからない話ではありません。それで本書の良いところは、それらの断片的な理科や社会の知識が、筆者の実体験や具体的な地名によって肉付けされ、深められ、つなげられていくことです。理科の別の単元で習ったことがつなげられたり、理科で習ったことと社会で習ったことがつながったり、本書を読むとまるで社会科見学に行ったかのような効果があります。動物を大切にするという身近でわかりやすい話が、東北大震災、福島やチェルノブイリの原子力発電所の事故や、高度経済成長期の環境破壊までいつのまにかひろがっていくので、無理なくそこまで興味を持続することができます。東北大震災に関連して「ナラの木」の詩も良かったです。その詩が本書に全編転載されていなかったのはやむを得ないことでしょうが残念だと思いましたが、すぐにウェブ検索して見つけることができました。地方版の訳も見つけられたし、盛岡版の朗読をyoutubeで見つけることもできました。動物からは脱線とはなりましたが、方言に触れる機会ともなりました。 画像を検索して見せたりクイズを交えたりなんかして、「ちょっとコレ楽しくてためになる授業になっちゃってんじゃないの」と自己満足までしてしまいました。子供たちの感想も「動物や自然の間にリンクがあるというのがよくわかった。アイヌの人たちが昔から地球は人間だけのものでないことを知っていたというのに感心した」など読書感想文のお手本みたいな感想を述べていました。お勧めです。
野生動物(自然環境)をどのようして守るか、という側面について重点的に書かれた本でした。 昨今話題になった「ペット」についての部分は冒頭の一生だけでしたし、そこで語られる内容は(その次の章の「家畜」の在り方についての章も含めて)他の本でも語られている情報も少なくなく、特別に新しい視点が提供される、とい...続きを読むう事はありません。 とはいえ、岩波ジュニア新書という媒体で、中高生にとって読みやすい語り口で説明がされているので、動物倫理について考えてみたいという生徒にとっては良いきっかけになると思います。 巻末の読書案内も(若干、本書の読者として想定されているであろう中高生にとっては難解な本もあるようには思いましたが)基本的な書籍をカバーしているように思います。 身近なペットや家畜から始まって、自然環境・野生動物・災害から地球全体まで視野を広げてゆく著者の語りは、野生動物を50年にわたり観察してきた筆者だからこそのものだと思います。
野性動物との関わり、ペットとの関わり、家畜との関わり、共生について、そして東日本大震災のこと…。今まで言葉では「動物全体」「地球環境」「持続可能な」といいながらも、ついつい木をみて森をみず、動物個々の事象(例えば絶滅危惧種だったり、ペットの殺処分やや家畜の問題だったり、それぞれその時々自分の興味ある...続きを読むトピックで)となりがちだった自分というものにということに改めて気づかされました。 ジュニア文庫だけあって分かりやすく、語りかけるような言葉ですーっと胸に響きました。 子どもにも、おとなにも、一読をお勧めしたい一冊です。
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