Posted by ブクログ
2021年01月28日
19世紀イギリス、エリオット男爵の事件簿続編。
「見える」か「見えない」か、「ある」か「ない」かではなくて、生者にも死者にも慈しみがある、それがエリオットの魅力だと思う。そりゃ、あったらいいな。あってほしい。亡くした大切な人に会いたいし、話したいし。そんなことがあるなら、そう信じたい。目に映るものだ...続きを読むけが真実ではなくて、そう、見えない何かがあると感じると、不思議なことに優しい気持ちになれる。生と死をわかつ境界線があやふやなら、そのどちらにいても、きっと心は伝えあえると思わせてくれる。たとえそれが幻想だとしても、少しの暖かさを得られるし、めぐる朝の苦しさが和らぐきもする。。たとえ、幻想だとしても。
エリオットとコニーの2人の旅をこれからも応援したい。そして、傷つきやすい本性を上手に隠すエリオットを優しく包むエリザベスとヴィクターも心強い。4人の調和が心地よい。