ブックライブでは、JavaScriptがOFFになっているとご利用いただけない機能があります。JavaScriptを有効にしてご利用ください。
無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで100万冊以上配信中!
来店pt
閲覧履歴
My本棚
カート
フォロー
クーポン
Myページ
4pt
310万人に及ぶ日本人犠牲者を出した先の大戦。実はその9割が1944年以降と推算される。本書は「兵士の目線・立ち位置」から、特に敗色濃厚になった時期以降のアジア・太平洋戦争の実態を追う。異常に高い餓死率、30万人を超えた海没死、戦場での自殺と「処置」、特攻、体力が劣悪化した補充兵、靴に鮫皮まで使用した物資欠乏……。勇猛と語られる日本兵たちが、特異な軍事思想の下、凄惨な体験を強いられた現実を描く。アジア・太平洋賞特別賞、新書大賞受賞
アプリ試し読みはこちら
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
Posted by ブクログ
多くの戦史を読んで来たが、これは教科書に載るような所謂歴史では無く、戦争の悲惨さ、残虐さを体感するリアルを伝えてくれる最上の作品。
第二次世界大戦の日本軍の内実について詳しく書かれた本である。日本軍兵士の多くが餓死や病死であること、そして自殺が多かったことを初めて教えられた。また、傷病兵の多くを殺していたこと、神経症を患った兵士も射殺していたことなどむごい行為も知った。さらに、戦場では虫歯やマラリアなどの病気が蔓延し、その対応は...続きを読む無きに等しかった。これらの背景には、兵力が足りないことから兵士には不適格な者を召集した制度、武器弾薬衣服食料などの補給の途絶または生産力不足、蔓延する私的制裁、情報および通信の軽視など、およそ軍隊として成り立っていないと思われる実態があった。そんな情けない日本軍が無謀にも起こした戦争が、日本だけで310万人、連合国が17万人、アジア各国が1900万人以上の死者という悲惨な結果を招いたのだ。
兵士に焦点を当てた戦争の現実。餓死病死が多かったとはよく聞くけれど、 ・虫歯の蔓延 ・水無視の蔓延 ・餓死の推移 ・飢えに伴う略奪の実際 ・衣類装備品の実際(靴底が抜ける軍靴) ・私的制裁、その背景の考察 ・水中爆傷(海中爆発の衝撃を受けることによる内臓の破裂) ・自殺、自傷 ・精神疾患 ・荷物の重...続きを読むさ(体重と同じ重さの荷物) ・少年兵への負荷 ・生きているものへの罵倒 ・軍隊の中にあって、暴力団的な組織の存在 など、ここまで詳細な調査は初めて読んだ。何百万人もこのような状況で亡くなっていったこと知り、あの戦争が国民一人一人に与えた死ととてつもない傷の大きさを思う。日本人はこの本から、あと100年は学び続けることができる。 明治憲法体制の欠陥が根本原因であるという説は初めて知った。もっと学びたい。
戦争の前から負けることが明白だったことはよく言われる。もっとも許せないのは、わかっていながら国民を無惨な死に追いやり、責任も取らず、護国を美化することである。
この本を読むまで、戦争に関するまともな知識・関心がなかった。 子供の頃、学校の社会見学で原爆ドームに行ったことがあるぐらい。 戦争の悲惨さは被災地のことに焦点を当てて考えていたけど、前線で戦っている兵士についてはあまり想像していなかった。 なんとなく兵士は勇敢に、儚く散っていったものというイメージが...続きを読むあったが、想像を絶する現実を突きつけられた感じだった。 兵士は、アクション(撃ち合いなど)の末に敗れるイメージだった。餓死や栄養失調の問題など、知らないことが多かった。 作戦、物資、機械、部内統制などでも、色んな面で問題を抱えていたんですね。 「続・日本軍兵士」も出ていますので、今度そちらも読もうと思います。
この本を読んで、旧日本軍に対するイメージが変わりました。 近年の旧日本軍を美化する流れにすっかり染まりきっていました。 いくら美化されようとも、結局リアルはそうでは無い。。 末端の兵士の方々がホントに過酷(絶望的)な環境であったのに、そういった話に接する機会が無いことは大変憂慮される現状ですね。。 ...続きを読む私だけでなく、国民みんなが一度は知る必要があると思います。
日本兵の死傷の状況を通じてアジア・太平洋戦争下の日本軍の実態に迫る一冊。 戦地の様子を当事者から聞くことの出来なかった世代なので、こういう戦場のリアルはなかなかこたえる。 勇ましく華々しい描写に酔いしれたい気持ちが無いといえば嘘になるが、戦争とはこういうものだと知られて良かった。 ものごと準備不足...続きを読むで突っ走るとこうなる、という人生の反面教師でもある気がした。 大往生とはいかないまでも、死ぬのは畳の上が良い。
日本とアメリカの軍事力、技術力の差が初学者の私でもわかりやすく記されていました。 美化されたものではなく、根拠をもとに戦時下の状況が分析されていてとても勉強になりました。
主にアジア太平洋戦争時の戦史を兵士の視点で描いた本。具体的な記述が豊富で、さすが歴史書といった感じ。通俗的な日本礼賛、戦争礼賛的な書籍と異なり、戦争の悲惨さが具体的に記述してある。「勇敢な日本兵士」「立派に戦った日本軍」といった通俗的な観念に打撃を加える一冊。
携帯無線機や輸送用のトラック、空港整備の重機まで、何一つ用意できずに戦争に突入し、人力と精神力で世界一の米国軍に立ち向かおうとするとは、完全に狂気の沙汰。歴史にイフがあったとしてもこれでは万に一つの勝機もない。世評の高い『失敗の本質』が実に本質を突いていない事がよくわかる。
レビューをもっと見る
新刊やセール情報をお知らせします。
日本軍兵士―アジア・太平洋戦争の現実
新刊情報をお知らせします。
吉田裕
フォロー機能について
「中公新書」の最新刊一覧へ
「学術・語学」無料一覧へ
「学術・語学」ランキングの一覧へ
昭和天皇の終戦史
試し読み
続・日本軍兵士―帝国陸海軍の現実
鉄道線路メンテナンス入門
2019 新書大賞 完全版<電子版 特典付き>
日本軍兵士の真実
日本人の戦争観 戦後史のなかの変容
日本の軍隊 兵士たちの近代史
日本人の歴史認識と東京裁判
「吉田裕」のこれもおすすめ一覧へ
一覧 >>
▲日本軍兵士―アジア・太平洋戦争の現実 ページトップヘ