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明治三十二年、諜報活動に従事すべく、ロシアの進出著しい満洲に入った石光陸軍大尉。そこは、中国人、ロシア人、韓国人、コサック、そして日本人など多彩な民族の坩堝であり、日本人娼婦を妻とする中国人馬賊が疾駆する大地だった。未公開手記『得体の知らぬ日本人』『因果物語ほか』等を収録。
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Posted by ブクログ
日清戦争後にロシアに対する危機感を持った石光が対露諜報を志してシベリアに渡ってからの話。 義和団事件の余波からブラゴヴェシチェンスクでの清国人大虐殺(アムール川事件)を目撃し、満州への進出を本格化させたロシア軍を追うべく北満に侵入する。 あるときは馬賊の仲間になり、あるときはロシア軍の出入り業者にな...続きを読むる。そして現地にいた日本人女性を助けたり、助けられたり。 すごい波乱万丈。あまりにも劇的なので実話なのか怪しく思わないでもない(本人の複数の手記で一貫していない部分もあるし)。本書の原型は戦中に公刊されているので、脚色が必要だったのかなと思ったりもする。 ともかく、ただただ圧倒される。 日露開戦で帰国したところまでが本書の範囲。第3巻で日露戦争やらが描かれるのか。
ノンフィクションならではの迫力。明治時代にロシアと満州で日本陸軍の諜報員として働いた石光真清氏の手記を息子が編集した4部作の第2巻。 日露戦争前の緊迫した時代である。クリーニング屋や写真屋などの仮面をかぶりながら、石光氏はロシアや満州の状況を探る任務を負った。 当時、満州やロシア東部にこんなにたくさ...続きを読むんの日本人が暮らしていたというのが驚きである。通信手段も交通手段もほとんどない時代に、小さい町に住んでいたのだ。本書の描写を読むと、暮らし向きはとても劣悪で、過酷である。特に女性は苦しい環境にあったようだが、数か国語を話して陰でサポートしていた様子がうかがえる。 途中で病に倒れたり、捕虜になりかけたりしながらも、よくも生きて帰れたものだ、と感心する。日本人は現地では第三者的な位置づけにいたらしいが、残酷なロシア軍にばれたら終わりである。 生で体験した数少ない手記だが、これだけの歴史資料があまり読まれていないのが不思議である。
満州の地でロシア軍や馬賊とも交友を結びながら命懸けの諜報任務に当たった様子が臨場感溢れる筆致で描かれている。
あいかわらず巻末付録の著者自筆のままと思われる別バージョンが気になる。お花との巡り合いもいくつものパターンがある。脚色か、そもそも記憶も曖昧なのか ハルビンへ西に向かっていた真清がいつの間にか方向転換してハバロフスクへ向かっていたり、のっけから記述・編集がゆるい 黒竜江事件についてはじめて知った
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