ネタバレ
Posted by ブクログ
2017年11月10日
最近話題の自動運転について
自動運転によるメリットは相当に大きく
・交通事故関係の医療に係るコスト(米国で年間180億ドル)およびそれに関連する賃金(330億ドル)が節約される。そのかわり医療、保険、臓器提供などの産業は大きな収入源を失う。
・ドライバーのコスト(トラック、タクシーなど)を削減す...続きを読むる。輸送コストの問題で地方でしか販売できなかった食材などを他地域で売ることができるようになる。
流通業も現在は集荷センターに一旦集めて輸送するというハブ・アンド・スポークの形を取っているとことが多い。これはドライバーのコストが高いためこれを減らそうとしているのだが、走行距離が長くなり、配送も遅くなるなど効率は良くない。自動配送車が普及すれば、店から直接消費者の所に商品を届けるようになるだろう
・運転に費やす時間を削減する。平均的な米国人は1日3時間を運転に費やし、年間63時間渋滞にはまっている。こうした時間を生産的な労働時間やプライベートに当てられる。
・事故の可能性が少ないため車体は小型化、軽量化できる。無人配送車は配送物並みの大きさで事足りる。
現在、交通事故による死亡者は毎年世界中で120万人にのぼる。
米国人が交通事故による怪我で入院する日数は年間述べ100万日になる。
臓器移植の約20%が交通事故の犠牲者からによる。
飲酒運転による犯罪は刑務所の入所者の7%を占めている。
駐車違反などの取締は自治体の財源にとって、大きな比重を占める
・人間が運転しなくなれば道路標識や信号もいらなくなる。デジタル3次元モデルの中に仮想的な「標識」が表示されるだけになる
ただし、実現に向けての課題も多い
・まず部分的な自動運転を実現し、その後段階的に全自動運転を、という考え方は一見自然なのだがうまくいかないだろう。人間と機械が協調することは難しい。運転のように退屈な作業では人間が責任を機械に譲り勝ちになるからだ。一気に完全自動化を目指す方がよい。
・現在の技術もかなりよいところまで来ているが、ソフトウェアに自分の命を預けるためにはその制度を99%ではなく、99.9999%にしなければならない。これはかなりの難題である。
・車同士で通信するという考えもあるがこれは難しい。例えば10%の車に通信機能が普及したとしても相互に情報を伝達し合える車と出会う確率は1%にしかならない。それにこの手の分散型の通信方式は脆弱で、セキュリティ上の問題を抱えている。不正アクセスを防げないだろう。
・事故が不可避であるとき、右側にいる子供と左側にいる老人をそれぞれどのように数値化し、どちらを選ぶのか、という問題も出てくる