「自動運転」の現在のみにフォーカスをあてず、長年の研究の系譜に置こうとしていることが分かり、バズワードさが消えていて冷静に捉えている印象を受けた。
ようやく自動運転カーを実現するための環境や技術がととのってきた、という論旨になっている。
何が欠けていたのか、というと「物体を認識するための中位制御技
...続きを読む術」であり、カメラやセンサーの類いと、それを理解するための人工知能。
生物の進化と重ね合わせている点も面白く、視覚情報を獲得したことにより爆発的に進化が起ったように、自動運転でも「センサー」という視覚とそれを理解する頭脳を得たことで、実現に向けた環境が整い始めている。
著者は(安全な)自動運転の実現に向けては、グーグルと同じアプローチを採ることが良いという認識のようだ。
つまり人間とソフトウェアが混在しない形での自動運転システム。
いわゆる定義されているレベル3からこの状態に入っていくが、確かにグーグルの実験にもあるように、当初は慣れていないこともあり、慎重になるだろうが慣れちゃうと確かに怖い。気を抜けないくらいなら、自分で運転しようか、ともなりかねない。
と、欠点や危険性の指摘もなされている一方で、採用の基準なども提言がされており、体系的な理解に非常に役に立った。