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著者は少年の頃、京都の禅寺で精進料理のつくり方を教えられた。畑で育てた季節の野菜を材料にして心のこもった惣菜をつくる――本書は、そうした昔の体験をもとに、著者自らが包丁を持ち、一年にわたって様様な料理を工夫してみせた、貴重なクッキング・ブックである。と同時に、香ばしい土の匂いを忘れてしまった日本人の食生活の荒廃を悲しむ、異色の味覚エッセーでもある――。 ※新潮文庫に掲載の写真は、電子版には収録しておりません。
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「土を喰らう十二ヵ月」
2022年11月11日公開 出演:沢田研二、松たか子、西田尚美
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
Posted by ブクログ
土の匂い、手触りが伝わってくるような文章。四季の食材を実体験を通してじっくりと描いてくれる。とにかく野菜が食べたくなる。
幼い頃に京都の禅寺で精進料理の作り方を教えられた著者の暮らしと料理のエッセイ。 貧乏寺だったと表現される少年時代はそこにある物で食事を作るしかなく、工夫を重ね作り上げた料理は文章からでも美味しさが伝わってきます。 今のように何でもかんでも手に入ることはもちろんなく、逆に今の時代の方が豊かではないと感...続きを読むじてしまうほど、ありきたりな世の中になってしまったかもなと考えさせられました。 追い詰められることもなく、責められることもなく、それではモチベーションや意欲は正直保ちにくく本人の意思に委ねられ過ぎている気がします。どの時代が良いとか関係なく今生きているので色々と頑張らなきゃと思いました。 作中に何度も出てくる『典座教訓』も今度購読してみます。
自然の恵みをいただいて、調理をして食べるということ。頭でわかっていても日々の忙しさに、調理することと食べることそのものが雑になりがちだけど、丁寧に向き合おうと思わせてくれる本。定期的に読みたい。
水上勉氏は、少年自宅に禅寺に預けられ、そこにて修行体験をする。16歳からは、京都の等持院にて老師の隠侍、すなわち食事、洗濯、掃除などをおこない、数々の教えと共に精進料理について学ぶ事となった。 スーパーやネット販売などなく、何もない台所から絞り出し、料理をするのが、精進料理。旬なもの、畑から出ていり...続きを読むものを食べるのであり、畑と相談して決める、つまり土を喰うのである。 土から出てきたものには、平等の価値があり、根っこでも、無駄にはしない。 何もないら台所から、客の心を忖度し、料理をすることは、修行であり、哲学でもあるのだ。 季節の精進料理が紹介されており、教え、教訓的なものもあり、読んでいて楽しい。
映画『土を喰らう十二ヵ月』のDVDを観て(映画の料理監修が、土井善晴先生なので、ちょっと気になっていたのだ)気に入り、原作を読みたいと思った。 元の本はけっこう昔に出版されていたらしいけれど、映画の情報が出た頃に再版されたのだと思う。 令和3年12月10日 32刷の本。 長く読まれているのだなと思う...続きを読む。 文章のテンポがまさに映画での沢田研二さんの語り口で、いい気持ちで読み進める。 映像も目に浮かび、またDVDを見たくなる。 原作はエッセイなので、女性編集者との関係などのストーリーは無い。 けれど、映画での物語は原作の雰囲気を壊していないし、おばあさんと山椒の佃煮のエピソードなどは人物の続柄を少し変えてうまく取り入れている。 映像も、原作も良い。 一月の食料は、雪の中から掘り出したり、貯蔵庫から乾物を取り出して料理したり、旬を喰う日の楽しみはまだ。 春の芽吹きから、夏の収穫、秋の山のめぐみを経て、十二月、寂しい冬となり土も眠る。 一周して戻った。人の一生のようである。 土の恵みを採り、料理をするという作業の間、作者の脳裏にはいつも、子供の頃に寺で修行していた頃の和尚さんの言葉や思い出が浮かんでいる。 禅寺での料理作り。それは精進の日々である。 その時期ある物で作る、または「何もない台所から絞り出す」 そして、精進の極意は季節を喰うところにある。 何度も読み返したい1冊がまた増えた。
月毎に違う食材が書かれているので、どの月から読んでも楽しめる。 食を通した人との交流が丹念に紹介されているのが良い。個人的には、六月の章の梅干しの話がジンときた。
子供時代に禅寺で修行していた著者が、その教えを活かし、毎月様々な料理を作る本。 「美味しんぼ」で知った人も多いと思います(自分もその一人)。 この本には高級料理なんて一品も出てきません。 粗末なお惣菜ばかりです。 けれど、どれもこれも最高に美味しそうです。 畑で取れた旬の野菜を、手間ひまかけて丁...続きを読む寧に料理する。 それがどんなに贅沢で、どんなにありがたいことか。 作中では、以下のように書かれています。 『出来のわるい大根を、わらう資格はぼくらにはない。 尊重して生かせば、食膳の隅で、ぴかりと光る役割がある。 それを引き出すのが料理というものか。』 食材に貴賎なしということですね。 本当の意味での「ご馳走」とは、まさにこういう事なんだと教えてくれます。 じんと来る表現もたくさんあり、心を豊かにしてくれる一冊でした。 ちなみに、自分が一番心惹かれたのは、次の一文です。 『めし時になると、父は近くの山へ入り込んで、三十分くらいすると何やかや、木の葉や、キノコやをとってきてオキ火を片よせて、そこで焼いて喰った。 弁当箱には、味噌と塩とめしが入っているだけだった。 山へゆけば、惣菜になるものが収穫できるから、何もいらなかったのである。』 ああ……なんて羨ましい!!
水上勉が幼少の頃の寺暮らしを回顧しつつ、軽井沢の仕事場で一年、ぬく飯と家の畑で取れる季節の野菜、山菜、木の実などを様々に調理して味わうエッセイ。精進料理ということで、肉、魚の類はまったく登場しないにもかかわらず、その読むだに滋味豊かな食事は、四季をそれぞれに楽しみ、美味しさに溢れている。この歳になる...続きを読むと、本当の豊かさとは、ぬく飯と四季折々の素朴な汁菜のことだと気がつくものだ。随所に引かれる『典座教訓』も滋味深い。
日経の春秋で「五十三年も生きていた梅干し」の話が引用されて興味を惹かれて購入。なるほど少年時代に京都の禅寺で奉公した経験を元に軽井沢で隠遁生活?をしている食と料理を中心とした月ごとのエッセイ。 『めしを喰い、その菜のものを調理するということは、自分のなりわい、つまり「道」をふかめるためだということが...続きを読むわかってくる。一日一日の食事を、注意をぬいて、おろそかにしていれば、それだけその日の「道」に懈怠が生じるだろう。』 これが全てかな。食材への感謝。そもそもの食材やそれを育てた土や風土の声を聞くこと。手間を惜しまず工夫を重ねる。それこそ『精進』料理であると。何かとコスパ・タイパが重視されがちな今だからこそ改めて噛み締めたい言葉も多い。
料理ってその人のテクニックとかを現すものだと思ってたけどそうではないのだね。 食材を大切に思う心とか、その土地に感謝する心とかが最も大切で、人間はそれをいただいているだけでしかない。 精進料理の捉え方が変わった。 定期的に読み直したい本。
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