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われわれの祖先の素朴な宗教的感覚は、仏教が輸入されてもなお生き続け、ついには仏教そのものを日本的なものへと変容させる根強さを持っていた。近代に入り、科学との出合いや共同体の崩壊を経ても、その感覚は人々の心から完全に消え去ることはなく、今日にいたっている。とりわけ「死」といった日常を超える問題に対する時には、この素朴な感覚が、当然のように顔を出す。本書では、民俗学・歴史学の手法により、日本人の伝統的な宗教意識の諸相を明らかにする。そしてそこを起点に、日本人を救う普遍的な宗教のあり方を探る。民俗学者と宗教家、二人の碩学の出逢いによって生まれた伝説の名著。
...続きを読むPosted by ブクログ 2013年08月18日
民俗学者と宗教者(仏教)の出逢いによって生まれた名著と背表紙にありましたが、それに相応しい本でした。平安時代は祖先を大切にしながら、藤原北家の主流(冬嗣・良房・基経)でさえも祖父の墓の場所を知らなかった! それは墓を不吉として忌み嫌うということから来ていたという説明は説得力があります。日本人の罪から...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年06月05日
宗教は時代時代の自然観によって変化していくという主張はわかるようなわからないような。本書が刊行された1960年代の日本において信仰が摩滅してゆくさまをして農村のありようが変化したためであろうとする著者の説を理由づけするかもしれないが、果たして普遍的な理由となりえるだろうか。
昨今賑わっている陰謀論や...続きを読む
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