作品一覧

  • 仏教土着 ――その歴史と民俗
    -
    1巻1,287円 (税込)
    我が国古来の民俗信仰の上にやってきた外来の仏教は、どのようにして土着化したのか。この問いに、宗教学ではなく民俗学と歴史学の手法によってアプローチした本書は、今も日本人の信仰を考えるうえで多くの示唆を与えてくれる。日本仏教の異端である薩摩のカヤカベ教が伝える親鸞のミイラ言説や、湯殿山の即身仏ミイラ信仰などに注目。そこから逆に照射される日本仏教の「正統」と、その正統に同化されなかった日本仏教の「影」の信仰とを対比させることで、仏教土着の一方で日本人が持ち続けた民俗信仰の問題を掘り下げて考察する。解説 阿満利麿
  • 民俗のこころ
    -
    長い年月をかけて積み重ねられてきた生活習慣は知らずしらずのうちにわれわれの精神や行動を規制している。家族それぞれの箸や茶碗が決まっており、自分以外はそれを使ってはならないというのはその代表例だろう。高取正男はこの日本人の無意識下にある感覚「ワタクシ」に着目し、現在の社会問題や歴史的事象の背景を探ろうとした。その際高取が重視したのは生活文化の変遷を凝視することであり、民俗調査を行い古老と向き合う中で実際に自分の内部にもひそむ日本的思考に気づくことだった。民俗学と歴史学を取り結び、新しい歴史記述のあり方を模索した記念碑的名著。
  • 民俗の日本史
    4.0
    文明化の恩恵と共に、それによって生じた土着側の危機をも捉えることで、文化史学の抜本的な見直しを志した野心的論考を収録。土着にこだわり続けた著者による日本文化史論!
  • 宗教民俗学
    3.0
    1巻1,540円 (税込)
    民俗学の見地から日本宗教史へとアプローチし、日本的信仰の淵源をたずねる。高取正男の真骨頂ともいうべき民間信仰史に関する論考を12篇を精選。解説=柴田實/村上紀夫
  • 日本的思考の原型 ──民俗学の視角
    -
    ふとした時に表れる日本人独特の感覚。自分の湯呑みを他人に使われてしまった時の気まずさなどはその一例といえるだろう。高取によればこの感覚は、自己の範囲を所有するモノや所属する集団にまで広げて認識していた近代以前の名残だという。また祖先としての神、他所から来る神という二種の神観念があるのも、定住だけでなく漂泊もまた少なくなかった前近代の暮らし方に由来するという。本書はそうしたわれわれの感覚や習慣を形作ってきたさまざまな事例を挙げ、近代的な自我と無意識下の前近代が交錯する日本人の精神構造を明らかにする。民俗学の傑作にして恰好の入門書。
  • 宗教以前
    -
    1巻1,177円 (税込)
    われわれの祖先の素朴な宗教的感覚は、仏教が輸入されてもなお生き続け、ついには仏教そのものを日本的なものへと変容させる根強さを持っていた。近代に入り、科学との出合いや共同体の崩壊を経ても、その感覚は人々の心から完全に消え去ることはなく、今日にいたっている。とりわけ「死」といった日常を超える問題に対する時には、この素朴な感覚が、当然のように顔を出す。本書では、民俗学・歴史学の手法により、日本人の伝統的な宗教意識の諸相を明らかにする。そしてそこを起点に、日本人を救う普遍的な宗教のあり方を探る。民俗学者と宗教家、二人の碩学の出逢いによって生まれた伝説の名著。

ユーザーレビュー

  • 民俗の日本史

    Posted by ブクログ

     Ⅰでは、古代の宗教史を扱った論文が収録されている。巻頭の「大陸文化の受容」では、仏教の受容と氏族信仰との関係が取り上げられている。続く「御霊会と志多良神」「貴族の信仰生活」「聖と芸能」「今様の世界」は京都史編纂所『京都の歴史』に寄稿された論文であり、自分には馴染みの薄いテーマが扱われており、また京都に土地勘がないためピンと来ないところもあるが、著者が丁寧に論を進めてくれているので、しっかり後をついていこうという気にさせられる。

     Ⅱは比較的短めの文章が収められている。特に面白かったのは、「地域差」「近代が崩壊させた重層社会」「日本文化と民俗学」の各編。柳田民俗学に親和性を持ちながらも、そこ

    0
    2024年01月14日
  • 宗教民俗学

    Posted by ブクログ

    期待していたような、時系列に沿ってシステマティックに分析、論考を重ねていく…という流れの作りではなかったが、古代~中世の社会形成において、農耕やそれに従事する人々がいかに重要な役割を果たしたかということが、漁労民や職人との対比を用いることで十全に説明されており、興味深い知見を得ることができた。
    行基や空也といった特定の人物に的を絞った終盤の考察も面白かったが、やはり体系的な総論を読みたかったなあ…と改めて感じた次第。

    0
    2024年01月29日
  • 宗教民俗学

    Posted by ブクログ

     12編の論考が収録。
     特に関心を持ったのは、冒頭の「幻想としての宗教」「遁世・漂白者」の2編。
     「これ以外に生きる場所はないという、そういうせっぱ詰まった意味での郷土」。そうした郷土=共同体に生きる者たちの信仰の問題。また非農耕民や漂白民など共同体に帰属しない者、あるいは共同体の周縁的存在の者たちとの関係。本書全体を通して著者はそれらの問題に迫ろうとしているのかと思われる。
     
     日本の社会も農業社会ではなくなって久しく民俗もすっかり変化してしまったので理解が難しいところも多かったが、読み応えのある論考が多かった。 

    0
    2023年10月02日

新規会員限定 70%OFFクーポンプレゼント!