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〔暁のZ作戦〕一九三六年の二・二六事件から一九四五年八月一五日の敗戦まで日本の激動の時代を臨場感溢れる筆致で描き、ピュリッツァー賞を受賞した傑作ドキュメント全五巻。〔1〕では、二・二六事件、盧溝橋事件から日米の和平交渉の難航と決裂、真珠湾攻撃へと突き進む開戦前夜までを追う。
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Posted by ブクログ
2.26事件の丁寧さと狂気のギャップが恐ろしい。 太平洋戦争に至るまでを読んでいてとても辛かった。 ほんの少し話し合えれば、英語を、日本語を解釈しようとすれば戦争は避けられたのではないかと、歯痒い気持ちになる。
「追い詰められると一か八かの戦法に出る」と日本人以上に日本人を分析し、圧倒的な国力で太平洋戦前ち圧力かけ続けたかと思っていたが。 ハルと野村のあまりに人間くさい(不)手際から両国が戦端に向かっていくさまを淡々と記す本書。 まだ真珠湾まで到達しないのに、すでに第1巻が終了である。
日本がいかにして太平洋戦争へ向かい、敗戦へと至るのか、その過程をアメリカの視点で描いたのが本書である。全5巻で構成されており、本書第1巻では、二・二六事件から始まる。最終巻の解説で言及されているが、著者ジョン・トーランドが満州事変ではなく、二・二六事件に目を向けたのが本書の特異点である。太平洋戦争の...続きを読む発端を遡ると、満州事変と国際連盟脱退が原因だと見なされがちである。しかし、著者は二・二六事件で、皇道派の勢いが衰えて、代わりに統制派の勢いが増したことに注目した。これは、日本が満州を手に入れるだけでは不十分で、ソ連の攻撃を想定すると、中国そのものを支配すべき、という考えを持つ派閥である。ここに着眼点を置くのは類を見ないだろう。 また、二・二六事件の勃発から皇道派鎮圧までの流れは、緊迫感があり、政府首脳が命からがらで逃れたのかが読んで想像できる。なかでも、岡田啓介首相の逃走と、後に首相として、終戦工作に携わる鈴木貫太郎の部分は読みごたえがある。ちなみに、事件が起きた当日、東京の通勤者たちは、その日何が起きたか分からず、警官がバスや市電を止めて、皇居前や官庁街を迂回してる様子を見て、初めて異変が起きてることに気づいたらしい。
歴史書は苦手なのであまり手出ししていなかったのだが、なかなか面白く読めた。この巻は真珠湾攻撃直前までだが、続きを読まねばならない。昭和陛下が戦争をさせまいとしておられたことや、高い城の男が着想されたであろう背景が分かった。
2・26事件から太平洋戦争開戦直前を描いた本である。 一言でいうと「非常に良い」。 この本を書くにあたって、著者は日本・アメリカ双方の戦争関係者約500人に取材したというだけあり、内容は非常にリアルで分かりやすい。 誰も戦争を望まないなか、日本の指導者たちがどのような経緯をたどって開戦という決断...続きを読むを下すに至ったのか、一方のアメリカ側の動きはどのようなものだったか、がとても緻密に描かれている。 この本を読んでいると、誰も抗うことのできない太平洋戦争開戦に向けた大きな時代の流れのようなものがあるのを感じた。
もう少し個人名がでてても良かったんじゃないかなぁ。 一部の頭の悪い人とか、頭は良いんだけど見栄を張りたいような人とか、そんな人が政治の中枢にいると、こんなに簡単に戦争になるんだなぁという、残念感。 しかも、あきらかに多くの人はアメリカと戦争したって勝てないと思っていたのに、なぜに戦争しようと思ったの...続きを読むか。 共産主義の脅威との戦いって言っても、味方を間違っちゃねぇ。 若い世代こそ読んだ方が良いんじゃないかな。 次の戦争になる前に少しは考えて行動できるようになるような気がする。
二・二六事件から始まる本書は読みごたえがあります。その中でも圧巻はアメリカ国務長官コーデル・ハルと野村吉三郎との日米交渉過程が克明に語られているところです。そして作者は「相互の誤解、言葉の違い、翻訳の誤りなどといったものが、日本的な日和見主義、下剋上、非合理性、名誉心、プライド、恐怖、そしてアメリカ...続きを読むの人種偏見、東洋に対する不信と無知、硬直化した態度、独善、面目、国家的な自負と不安などといったものによって増幅され、戦う必要のない戦争が、いままさに開始されようとしていた。」と結論付けました。こんにちの日中間の緊張は、作者の結論付けた状況に似ているのだろうか。それとも両国とも実際以上に国民に対して危機感を煽っているのだろうか。
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