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〔神風吹かず〕一九四四年七月、東条内閣が総辞職する。アメリカ軍はレイテ島に上陸。フィリピン沖海戦では神風特攻隊が初出撃するが大敗、日本海軍は事実上壊滅する。本土空襲が次第に激しさを増すなか、硫黄島が陥落、不沈戦艦〈大和〉もあえなく沈没――いよいよ敗戦の色が濃厚になってくる。
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Posted by ブクログ
第4巻は、東條内閣の総辞職からルーズベルト大統領の死まで。 レイテの海戦で事実上日本海軍が戦闘能力を消失した時点で、無条件降伏を含めた和平交渉を進めていれば、硫黄島や沖縄戦、また東京大空襲や広島・長崎への原爆投下による死傷者は生まれなかったことを考えると、戦争終結を考えはしても、それをどのように実行...続きを読むに移すかという動きが表面化しなかったのは、まことに痛恨の至りという他に言葉がない。 もちろんそれは、過ぎ去った歴史を後の世から振り返っての後知恵というものであろうが、感情論や過去の成功体験に流されると大局を見失うことがあるという歴史の教訓だけはしっかりと胸に刻んでおきたい。
ガダルカナル、サイパン陥落と、徐々に追い込まれる日本。第4巻では、東条英機失脚から本土空襲、沖縄本島決戦までの動向を見る。日本軍のいくたの失態で、特に有名なのがインパール作戦である。これほど悲惨で無慈悲な結果を招いた戦いはないだろう。この作戦の参謀を担当した片倉衷は、川の大きさや山の高低など、地形...続きを読むから作戦の実行は不可能だと判断した。しかし、牟田口廉也は、片倉の忠言を聞き入れず、独断で実行した。当然、途中で無理が生じた。特に、食糧難に陥ったため、兵隊たちは、道端の草、カタツムリ、蛇、トカゲなど、食べられそうなものは手当たり次第食した。 一方で、硫黄島は、アメリカ側に大打撃を与えた戦いであった。ときの指導者の栗林忠道は、敗北が目に見えたのにもかかわらず、ありもので何とか持久戦に持ち込んだ。結果を見ると、日本軍は負けたが、アメリカ側の侵攻を遅らせることに成功した。このように、日本軍の指導者にも、さまざまな人物がいた。 さらに、この時期の政権の小磯内閣は、和平工作の成果をあげられないうえに、支持率も低下した。そこで、次の首相を検討し、鈴木貫太郎へと渡る。鈴木は、誰にも真意を明かさずに、腹芸で、和平工作を進めた。
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