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Posted by ブクログ
初めてドラマから小説を読みたくなった作品。
ドラマで描かれるよりも篤蔵は賢く、物事を俯瞰していると感じた。あと、僕が好きだった宇佐美さんとの掛け合いは上巻では少なく、「まごころ」の言葉も篤蔵がチラと言っただけで特段取り上げられていない。やっぱりドラマと原作は違うのだなと感じた。
内容は、篤蔵視点で進む料理人への成功譚で、三歩進んで二歩下がる、みたいな話であるが、義理や人情の通し方から、明治の金銭感覚や日本の西洋料理史の雑学も知れる本である。
リアルだったのが、バンザイ軒(篤蔵が東京に出て働く二軒目の店)に来た客の日露戦争の講和条約に対する議論とそれに割って入る篤蔵の話。国民的には民一丸となって掴んだ勝利だが、割譲できたのは南樺太のみで、それに対して小村寿太郎をディスる発言と、いやいや小村寿太郎も諸外国とのパワーバランスを推し量ったんだという発言。
それに対して篤蔵は兵士の兵糧の話や、ギリギリ掴んだ勝利と講和条約、ミクロとマクロの視点から話し、小村寿太郎を悪く言うことも出兵を悪く言うこともなかった。
料理人風情が何を言うかと、発言したことを咎められたが、料理人も一国民じゃいないのか?と逆に圧制し、謝らせた。
日露戦争も大きな戦争で、国民も心配と不安と、困窮の渦中にいたけど、勝利した安堵と、勝った故の傲りも抱いてしまう。
なかなか知れない戦後のリアルだったと思った。
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小説・文芸
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