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日清戦争に始まり、10年ごとに繰り返された対外戦争で失われた無数のいのち。帝国日本の発展の陰で犠牲にされたこうした人びとの「生」の実相に徹底的に寄り添うことで、国益や国家目的の名の下に、人びとのいのちに序列をつけ、選別し、管理し、支配し、動員してきた国家の実態をあぶり出す。さらには、この時代の「いのちを生き抜いた」人びとの言葉に耳をかたむけ、いのちの基盤が弱まりつつある現在社会を考える手だてとする。具体的には、兵士が見た戦争像や米騒動の実態、アジア諸国の人びととの関係、つまり戦争・デモクラシー・アジアの三つの視角から新たな近代史像を掘り起こす。
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Posted by ブクログ 2020年10月26日
「いのち」の序列化を主題に明治中期から大正期を扱う。どういう背景から「いのち」は序列化されたのか、どのような抵抗があったのか、戦争や政治・思想・文化に分け入り解明する。現在にまで通じる事象も明かされ価値ある一冊と思うが、この本には限界がある。徹底した弱者視点により、権力の影の部分を極大にして描いてい...続きを読む
Posted by ブクログ 2010年08月03日
[ 内容 ]
日清・日露戦争で序列化された人びとの「いのち」。
帝国主義の発展と重みを失う一人ひとりの生命。
[ 目次 ]
はじめに 「いのち」の序列化
第1章 「いのち」と戦争(向田邦子の祖父の体験;日清戦争―文明国への「入学試験」 ほか)
第2章 「いのち」とデモクラシー(川岸きよの米騒動;足...続きを読む
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