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Posted by ブクログ
すでに10年以上前の本ですが、今読んでも、まったく古さ感じませんでした。
この本が出たころは、「東ロボくん」のプロジェクトが始まる前ですし、今ほどAIの技術が進んでいないころだと思いますが、現在の状況を見越したような内容でした。
本の内容は、タイトルの通り、といってよいと思います。
コンピュータができることがどんどん増えていて、その結果、人間の代替(人間を超越する場面もしばしば)として仕事をするケースも増えています。
とはいえ、コンピュータは万能ではなく、創造的な仕事や、仕事の設定を行うことなどは、コンピュータが苦手とするところ。
今後、人間が行う仕事は、コンピュータが苦手な部分にどんどんシフトしていき、コンピュータが苦手で、希少性の高い創造的な仕事は、給与が高く、コンピュータは苦手でも、人間は得意なケースが多い仕事については、給与が抑えられる、という状況になる、と書かれていますが、まさに社会はそのように動いていると思います。
この本には、「コンピュータは、意味を理解することができないので、コンピュータに勝つ、あるいは、コンピュータとよい形で共存していくには、様々な事象を見て、意味を理解できる能力を身に付けることが大切」といったことが書かれていますが、おそらくその通りだと思います。
学校教育では、これまでもそういった能力の育成には力を入れてきたと思いますが、ますます重要になるものと思われます。
Posted by ブクログ
「数学は言葉」等の著作をもつNIIの新井教授の本。本書では、数学史、科学技術史、コンピュータ史を紐解きつつ、人工知能の主な分野における技術解説をしている。さらにコンピュータが発達した場合、現在のホワイトカラーの半数近くが職を失うと主張し、そうならないために一般人はどのような能力を鍛えればいいのか、ということについて持論を述べている。著者の結論は、一言で言うと、「もっと演繹の能力をつけるべく訓練しましょう」ということ。これにより、数学者やコンピュータ科学者と会話ができるようになり、自分のアイデアを実現することができるようになるとしている。
著者は、米国の大学院で数学と論理学を専攻していたこともあり、日常生活や数学、科学などの各分野における「演繹推論」と「帰納推論」の役割分担についての洞察が非常に鋭い。私が長年モヤモヤしていたところの大部分を解決してくれた点で、私にとっては大変素晴らしい本であった。私が確率・統計をどうしても好きになれないのは、数学のほとんどの分野が「演繹」による世界の理解を目指すのに対して、確率・統計だけは「帰納」による世界の理解を目指しているからだと納得できたことは大きい。
Posted by ブクログ
コンピュータに仕事をさせる 基本的仕組みを理解することが必要
チェス
最適な一手を選ぶ 局面の価値を「数値化」 駒を1:2:3
静的な評価
選択肢の評価 指数爆発の壁
抽象という能力 パスカル
人間の能力でとりわけ高度、「イノベーション」の核
コンピュータには不可能 フレームが与えられていない
誰もが暗黙に知っているが、言語化されていない「何か」を「言語化」する作業が
イノベーションの原点
演繹と帰納の使い分け
数学の時代
学問だけではなく、イノベーションには数学が不可欠
日本だけが数学の評価に消極的
国際化
英語を使えることではなく
数学的ロジックのコミュニケーションが出来ること
日本の教育は「暗記と計算」偏重
外国からの知識に依存
外国語とスピード 中国語・ドイツ語・英語
ウェイトを下げて、創造性重視に行けるか
Posted by ブクログ
表題通り。
コンピュータが進歩してきて、
人間が取って代わられる、という危機について、
具体的な近況を紹介している。
さらに、
コンピュータに代わられる仕事とそうでないものの違いを分析するために、
コンピュータの特徴とは何か、という展開から、
省みて「人間らしさとは何か」の追求に帰着するところが、
アンドロイド研究と共通していて興味深い。
やや数学寄りだけど、
物事を厳密に記述する数学ならではの、
論旨をぼやけさせない文体がよい。
帰納と演繹、という両アプローチについても、
面白い議論が沸き出している。
さらに、数学や科学技術全般について、
「暗記と計算で追いついた日本」を取り上げている。
「なぜ」その論理や学問が生まれたのか、という、
必然性を伴わない学問の弊害と、
今後望まれるイノベーションにも言及している。
「まだ言語化されていない『何か』を言語化する」
これが、コンピュータにはできない、
人間の目指すべきイノベーションだ。
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