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ヨーロッパの中央にあって四囲に国境をもつドイツは、隣国とさまざまな軋轢を経験する中で特有の国民感情を醸成してきた。しかも中世以来のアジール(庇護権)の理念は近代以後も呪術的なものを抱え込みながら生き残っている。ヨーロッパ連合が結成され、国境線が事実上の意味を失いつつある現在、その進捗はドイツにどのような変化をもたらすのだろうか。ドイツの誕生から今日にいたる歴史に、「ドイツ的」とは何かを思索する。
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Posted by ブクログ
ドイツの歴史を解説するものであるが、ドイツ的とは何かという視点からドイツの歴史が一貫して述べられている点と、「アジール」という論点について継続的に触れている点が、他のドイツ史と比較して特徴的である。 他国の歴史をこのような目で見たとき、逆に、我々が、自分の国の歴史をみてきたとき、「日本的とは何か」...続きを読むというのを言語化して他国の人が納得できるように表現できるのか、興味深い。 新書レベルであるので限られた紙幅であるが、時折ずばりと本質をつくようなことも書かれており、勉強になった。
阿部謹也のドイツ通史。個人の誕生などの中世史が程よく書かれていて面白い。 思った以上にドイツの中世末から近世の生活が悲惨で、ビスマルク後にその鬱憤が発出したのかと思う。 ドイツ精神とは、狭められた外の世界を断念し、内なる世界に没頭したということか。そこからは哲学や音楽などの知的世界もあるし、賤民差別...続きを読むなどの身分の厳重化もあるのか。 その点では江戸時代の日本との共通点があるのかもしれない。
サブタイトルは「ドイツ的とは何か」。 本書はドイツの特異性として、以下を指摘しています。 -ドイツ民族は、ヨーロッパの中央にあるという特異な位置だけでなく、その発端はゲルマン諸部族にあり、それはドイツという表記には直接つながらない。他のヨーロッパ諸国の言語を見ると、フランス人とフランス語のように、...続きを読むそれぞれの国の言語は国や民族を示す固有名詞から名付けられている。 -現代の移民政策にあるようにアジール(庇護権)の理念は近代以降も呪術的なものを抱え込みながら生き残っている。 -中世のドイツは帝国としてヨーロッパの中で優位に立っていた。しかしまさにそれ故にドイツは国家形成において他のヨーロッパ諸国からおくれをとった。他の諸国が中央集権国家を形成していくときにドイツでは逆に中央集権国家が解体していった。 著者の阿部謹也さんはドイツ、ヨーロッパの民衆史が専門。他に「『世間』とはなにか」で著したように「世間」をキーワードに、個人が生まれない日本社会を批判的に研究し独自の日本人論を展開、言論界でも活躍しています。本書でもドイツ民族が中世から現代に至る過程で いかに個人が誕生し、国家より領邦が重視された世界の中で個人が形成されて行ったかが論ぜられています。 今回、久しぶりにドイツ通史に触れて、非常に複雑な歴史であることを思い出しました。したがい、本書も「物語シリーズ」の中では、読みにくいものとなっています。それでも、叙任権闘争、神聖ローマ帝国、宗教改革、領邦国家、三十年戦争、ビスマルク、ヒトラー、東西冷戦、ドイツ再統一と波瀾万丈の物語を楽しむことができます。ただ、本書が出版されたのは1998年。欧州連合の中のドイツの立ち位置まではカバーしていません。しかし、ドイツ基本法にあるアジール法の問題を掘り下げてゆくと古代・中世にまで視野を広げる必要があることは理解できました。やはり、読んだ方がいい1冊と思います。
ドイツの歴史を通じてEU の中の国民感情の変化、中世にあったアジールという庇護権、多くの音楽家を産んだドイツ的なものとは何かという3つの視点で書かれたドイツ史。音楽に焦点を絞ったドイツ史も執筆するつもりだったらしいが書かれることなく亡くなられたらしく非常に残念。神聖ローマ帝国という高い理念と領邦国家...続きを読むの分立による国民国家形成の遅れと市民の政治参加への挫折が深い内省的な芸術や哲学を生み出す土壌になったようだ。
ドイツ史の流れを把握したい、概要を知りたい、という人には向かないと思います。大学受験程度の世界史知識はもちろん、それに加えてある程度ドイツ史を知っている方でないと挫折するか結局頭に入らずに終わります。 題名に「物語」とありますが、物語として読むのには無理があると感じました。『物語〇〇の歴史』という題...続きを読むは中公新書でよく見かけるので、それに習ってつけたものなのでしょうか…
阿部謹也の著したドイツ物語ということで手に取ったが、物語と謳われるほどの物語性は感じなかった。ただキリスト教やラントをキーワードとして眺めたドイツの歴史であり、そこには時の流れの底にある何物かが浮かび上がる。
これはあまりにも情報が多すぎて理解不能。 大陸の歴史は複雑怪奇。聞いたことも無い登場人物、地理の名称に悪戦苦闘。一番知ってるのはヒトラーで聞いたことあるけど、実際何した人か知らないのはルター、オットー、ニーチェ、ゲーテ、ビスマルク。本書でなんとなく知れたのは良かった。大陸というのは厄介やなぁとつくづ...続きを読むく思う。
カロリング朝から現代にいたるまでのドイツの歴史を解説している本です。 中世ヨーロッパ史の研究者であり、日本史研究の網野善彦とともにわが国における社会史的な観点からの研究を牽引したことで知られています。本書は、ドイツの歴史の全体像をえがき出すことをねらいとしており、文化史について触れられているところ...続きを読むがありますが、社会史との結びつきについての言及があるところに、本書の特色が見られるように感じます。 また、本書のサブタイトルになっている「ドイツ的とは何か」という問いかけについては、最終章で現代のドイツが直面している難民問題に言及しながら、考察のいとぐちが示されています。著者は、いわゆる賤民と呼ばれてきた人びとについての研究を手がけているということもあり、政治的亡命者を受け容れることを規定したアジール法に触れつつ、こうした問題が現代のドイツにおいてあらためて考えなおされる必要があるということを説いています。 新書一冊のヴォリュームにドイツの歴史を圧縮してまとめているので、個々の問題について突っ込んだ考察が展開されているわけではありませんが、ドイツ史の全体像を簡潔に示しつつも、著者自身の関心にもとづく視点がところどころにうかがえるようで、興味深く読みました。
やや古い書籍ではあるけれども、東西統一の記述など臨場感にあふれる。宗教改革のあたりの内容が大変深い。
92物語 ドイツの歴史 阿部謹也 ・ドイツ的とは何か:ドイツほど、数多くの優れた作曲家を輩出した国はない。音楽と切り離せない ・アジールに関して:ドイツ寛容、日本厳格
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物語 ドイツの歴史 ドイツ的とは何か
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阿部謹也
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