サチコ

サチコ

小説・文芸
1,776円 (税込)

8pt

褒められもせず、苦にもされず――。
そういう人で55年生きてきたサチコ。
「食堂キング」でアルバイトを始めて、
その人生にささやかだけど鮮やかな変化が訪れた。

両親が残してくれた1DKのマンションで一人暮らし。内向きで、控えめで、読書さえしてれば幸せ。「褒められもせず、苦にもされず」が生きるモットー。そんなサチコが55歳で長年勤めた職場を早期退職し、自宅から徒歩3分の「食堂キング」でアルバイトを始めた。初めての接客が不安なサチコだったが、気のいい店主夫婦やユニークなお客さんたちに囲まれ、遅ればせながら人生の色々を学んでいく。けれど、店主の腰痛が長引いて、キング閉店の危機が……!?
ときにじんわり、ときにほろ苦く、どこか滑稽で――。ささやかな人生の豊かさを味わえる長編小説。

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サチコ のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    サチコさんのお話。
    家の近くにあるキングという食堂でバイトを始める。
    素敵なご夫婦、でも高齢だから腰が痛くて…
    サチコさんは独身で、気の合わないお兄ちゃんと今は可愛がってくれるお姉ちゃんがいて。
    そんな毎日。食堂のお客さんはみんないい人。
    お店がどんな形かで、続くといいなぁ…

    0
    2026年08月16日

    Posted by ブクログ

    スズキ サチコ、キラキラネームとは対極にあるような名前。
    どこかいるかもしれないあなたの物語、ということかもしれない。
    サチコは常に受け身で、両親の言いなり。
    私立の中学に入学(これは自分の努力と運で)すると大学までエスカレーター式、父のコネで大きな会社に入り、50代で自動的に(年功序列)係長となった。
    親元から独立しようとした時も、父親が用意したマンションに住むことになり、これが元で兄夫婦との関係がこじれる。
    両親が亡くなって初めて、自分は守られていたと気づく。
    なんでも自分の力で手に入れなくてはいけない人たちに比べると、自分はズルい生き方をしてきたのだろうか。
    ここからがサチコの本当の自立の始まりだった気がする。
    箱入りだったのだなあ。

    一方、中学からの友人のアケミは、自分で考えて道を切り拓き、上昇志向でバリキャリである。
    それでも、ある意味自分とは対極の人生を送るサチコを否定することなく、海外に暮らし離れていても、いつも親身に相談に乗ってくれる。
    ちょっとありえないほどの出来た人物だと思う。
    しかし、そのアケミが長く友人であり続けることを選ぶサチコには、実はそれだけの価値があるのだと思う。
    サチコの座右の銘は、宮沢賢治の『雨にも負けず』からの、「ホメラレモセズ クニモサレズ サウイウモノニ ワタシハナリタイ」
    サチコは要領は良くないし、気は弱い、けれど「口数が少ないからって、何も考えていないわけじゃない」
    父親のコネで入った大手の会社を早期退職した後も、労働することを選び、自分に与えられた仕事には出来うる限りの誠実さで応えた。

    みんながアケミのように頂上まで出世できるわけではない。
    サチコのような生き方をする人をも、決して否定しないのが群さんなのだ。
    ーー「サッちゃん、平凡な人生をつつがなく過ごせるのが、人としていちばん幸せだと思うよ」ーー
    オシャレにしか関心がないかと思っていた姉の、成熟した今(76歳)の言葉が深い。

    0
    2026年10月14日

    Posted by ブクログ

    いろんな人生があるなぁ…って
    自分自身とは真逆なサチコに、なぜか共感してみたり。
    身近な中での人間模様を、上手く描かれていてほんわかとしたお話しにいつの間にやら引き込まれていました。
    確かに続きがあれば読んでみたい。

    0
    2026年10月04日

    Posted by ブクログ

    ちゃんと仕事はしてきたけれどのんびりしてて、親の庇護の元で暮らしてきた箱入り娘の主人公に親近感が湧いた。兄夫婦のお金にがめついところは読んでいてげんなりした一方、主人公は心が綺麗だなぁと思った。「褒められもせず苦にもされず」をモットーにすることで人生のハードルが下がるし、穏やかに生きれるから良いなぁと思った。スーパーの従業員たちがヒドくて、食堂ご夫婦の距離感が心地よかった。

    0
    2026年09月25日

    Posted by ブクログ

    親に敷いてもらったレールを歩いているだけでもいいじゃないか。他人を傷つけず、欲張らず、身の丈に合った生活。「雨ニモマケズ」を地で行っているサチコ。豊かな生き方だと思う。

    0
    2026年09月15日

    Posted by ブクログ

    『食堂キング』でアルバイトを始めた主人公のサチコは55才。それまでの人生が第二章《サチコの来し方》に描かれていて、両親や歳の離れた兄姉たちに随分と遠慮しながら生きてきたなあと感じた。それが彼女の個性の一部かもしれないが、何とか、自立していくんだ、このままではダメだと、会社を早期退職、アルバイト始め、世間に揉まれ、使ってない筋肉、気働きの頭もフル回転しサチコは充実した生活を送り始めたんじゃないかな。人との付き合い方って、難しいからなあと、自分の過去も思い出しながら読んだ。続編を読みたくなる一冊。

    0
    2026年08月18日

    Posted by ブクログ

    何不自由なく育ったサチコ55歳になって早期退職し、家にいるのも暇  初めてのアルバイトに出る。その時初めのアルバイト先で嫌な噂を立てられすぐ辞めた。次のアルバイトは自宅から近くの食堂に出た。初めは手が痛く、洗い物も多く疲れたが徐々に慣れていった。食堂の女将さんがよくしてくれ、自分は働きやすかった。経営者は腰を痛めて食堂が続きそうもなかったが、自分の都合の良い時だけ営業する形になった。それはキング食堂だから王様。

    0
    2026年06月24日

    Posted by ブクログ

    特に何か大きな事件が起こるわけではなく、淡々と日常が綴られていく、まさに群ようこさんの小説。
    主人公のサチコは、50代にして、初めて飲食店で働き始める。そこが隠れた名店と言うわけではなく、特別おいしい店ではないというのが、身近な話っぽい。
    寄る年並には勝てない人々の普通の日常なのに、のめり込んでしまうから、おもしろい。

    0
    2026年06月06日

    Posted by ブクログ

    お嬢様育ちで
    苦労知らずの中年女性が一念発起して
    町の古い食堂でアルバイトを始めるー
    ただ、それだけのことで
    ささやかな幸せと小さな悩みがあるだけなのに
    この、ありふれた日常がずっと
    続きますようにと思わずにはいられなかった。
    店主夫婦や常連客、実姉、幼馴染が
    生き生きとしていて
    それらの周りの人々が
    ずぼらでのんびりしている主人公を
    あたたかく見守る感じがよかった。

    0
    2026年05月06日

    Posted by ブクログ

    時折出てくる「五十五歳」が無ければ、真面目な女子中学生かと思ってしまうサチコさん。本が好きで本を読んでる時間が幸せだったり、前の職場の人との接し方に困ったり、何だか自分を見ているようでもありました。読み終わってからも、サチコさんどうしてるかな?とふと思ってしまいます。

    0
    2026年04月28日

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