エロティシズム
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エロティシズム

労働の発生と組織化、欲望の無制限な発露に対する禁止の体系の成立、そして死をめぐる禁忌……。エロティシズムの衝動は、それらを侵犯して、至高の生へ行き着く。人間が自己の存続を欲している限り、禁止はなくならない。しかしまた人間は、生命の過剰を抑え難く内に抱えてもいる。禁止と侵犯の終りなき相克にバタイユは人間の本質を見ていった。内的体験と普遍経済論の長い思考の渦から生まれ、1957年に刊行された本書によって、エロティシズムは最初にして決定的な光を当てられる。バタイユ新世代の明快な新訳で送る、待望の文庫版バタイユの核心。

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エロティシズム のユーザーレビュー

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    Posted by ブクログ

    言葉で表すことの難しいエロティシズムを議論の的とした意欲作。

    エロティシズムという感情は禁止の侵犯という宗教や衝動的な暴力と同じ精神的基盤に立つという視点から至極主観的な事象を語っていく。

    この本と他の本との決定的な違いは「議論が完結していない」ということ。
    訳者あとがきでも述べられている通り、

    0
    2013年04月23日

    Posted by ブクログ

    読む前から一度読んですんなり理解できるとは思わなかったけど、やっぱり読んでみて明確に理解することはできなかった。『同性愛の経済人類学』という論文を読んで、そこにエロティシズムと労働の関係について書かれていたので、おかげで少しは入って行きやすかったかも。

    先に論じたことを後でも繰り返し述べられている

    0
    2010年07月05日

    Posted by ブクログ

    ネアンデルタール人に道具、すなわち労働が、埋葬すなわち死が観念として発生し、クロマニヨン人により洞窟壁画などの宗教観念が認められるものが現された。
    根源的に不連続であるインディビジュアルな人間の存在。聖なるもの、エロティシズム、死への経験、供犠などはそこに連続性、無限定性を介入させる。その暴力、不安

    0
    2010年04月04日

    Posted by ブクログ

    「序論」でまず、この本の目指すところがはっきりとわかる。それから、とても素晴らしい翻訳(酒井健)だと思う。こちらから入って、澁澤訳の同書を読んだほうがいいかな。「エロティシズムとは、死におけるまで生を称えることだと言える」。

    0
    2011年07月19日

    Posted by ブクログ

    20世紀フランスの作家、思想家であるジョルジュ・バタイユ(1897-1962)の論考、1957年。エロティシズムの究明を通して人間存在の根源を見出そうとする。一般にバタイユの関心は、人間が理性の裂け目において覗かせる非合理性(エロティシズム、死、暴力、狂気、悪、瀆聖、神秘主義など)に向けられているよ

    0
    2024年09月18日

    Posted by ブクログ

    禁忌に対する侵犯をエロティシズムと定義する事ができ、それは、人間特有である。禁忌とは何か。宗教のような、後天的な規定。しかしまた、それは先天的なものをも含む。先天的なものがあり、かつ、エロティシズムを人間特有とする。さすれば、人間とは、先天的な本能にして、他の霊長類とも差違的な存在なのか。答えは否。

    0
    2014年05月31日

    Posted by ブクログ

    「エロティシズムとは、死におけるまで生を称えることだと言える。」
    ということを説明している本です。
    エロティシズムというどちらかと言えば人間の暗部について考えぬかれた本です。バタイユさんが60歳で出版されてます。書き上がるまでにおそらく二十年以上かかっているんじゃないでしょうか?

    エロティシズムは

    0
    2013年09月15日

    Posted by ブクログ

    数年前に読んだ時は、[聖なるエロティシズム]=神の追求、及び 神への愛との一体化 [芸術様式のエロティシズムと美の境界] の視点で、さらさらと読み済ませていたが…
    その時、私はクンデラを知らなかったのだろうか…。存在の重さ軽さ、連続性と不連続性、生の彼方、死からの出発…

    0
    2011年08月09日

    Posted by ブクログ

    読みやすいです。眼球譚を読んだあとの方がいいかもしれません。私は河出文庫の生田耕作訳を読みましたがそちらも面白かったです。

    0
    2010年10月04日

    Posted by ブクログ


    私が眼球譚でもやもやと感じた事が、
    言葉にされているので、読んでる最中は
    おもしろかったんだけど、
    時間を置いてこの本を思い返すと
    眼球譚のような鮮やかさはない。

    「錯乱」を説明するには、
    論文より詩や小説のほうが適するんだろう。

    ただ非常に興味深かったです。

    芸術活動は労働であるべきではな

    0
    2009年10月04日

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