上海灯蛾

上海灯蛾

2,200円 (税込)

11pt

1934年上海。「魔都」と呼ばれるほど繁栄と悪徳を誇ったこの地に成功を夢見て渡ってきた日本人の青年・吾郷次郎。彼の許を謎めいた日本人女性が訪ねる。ユキヱと名乗るその女が持ちこんだのは、熱河省産の極上の阿片と芥子の種。次郎は阿片の売買を通じて上海の裏社会を支配する青幇の知己を得て、上海の裏社会に深く踏み入っていく。栄光か。破滅か。夜に生きる男たちを描いた、上海ピカレスク。

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上海灯蛾 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2023年05月07日

    鬼★5 人間の欲はどこまでも果てしない… 戦時中の上海を舞台に血で血を洗う歴史ノワール #上海灯蛾

    ついに来た…これだわ、今年の国内ミステリーのトップクラス。
    文学賞候補やランキング上位は間違いないレベルの作品、圧倒的に★5です。

    舞台は上海、時代は戦前から戦時中。阿片取引を巡って、地下組織で暗...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2024年04月18日

    太平洋戦争前夜、満州を手に入れた日本は更に手を広げ、中国へ進出していった。そんな時代を取り上げた作者の上海三部作。
    『破滅の王』では細菌兵器を
    『ヘーゼルの密書』では和平工作を
    『上海灯蛾』は阿片密売が生み出す“カネ”

    それぞれ題材は違うが、テーマは当時大陸に夢を描いていた人たちの希望と挫折。特に...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2023年09月12日

    日本の農村を飛び出し、中国名を得て中国人として上海で生きる男の一生。
    魔都上海と裏社会の青幇そして阿片。戦争に翻弄される人々の駆け引き。
    次郎の行く末は救いの無いものだと分かっていても、どうにかこの荒波を乗り越えて欲しいと祈りながら読んだ。
    「破滅の王」も読んでみたい。

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    Posted by ブクログ 2023年08月26日

    1ページ目から引き込まれました。
    自分の裁量と度胸と運でのしあがっていく主人公から目が離せませんでした。誰が死に、誰が生き残るのか。誰が味方で誰が敵なのか…。個性的な登場人物達が物語を最後まで失速することなく引っ張って行きます。
    贅沢をいえば、上海の喧騒、熱気が伝わるような描写がもう少しあったらいい...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2023年08月18日

    1934年の上海租界。
    吾郷次郎はこの地で商売をしていた。
    彼のもとへ原田ユキエと名乗る謎めいだ女から極上の阿片と芥子の種が持ち込まれたことで、上海の裏社会を支配する青幇と繋がる。
    ここから彼は、阿片ビジネスへ引き摺り込まれる。

    金とは手にすればするほどもっとほしくなり、ひとたび苦労せずに得る方法...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2023年08月03日

    戦前戦中の"魔都"上海の闇に浮かぶ蛾のように物語に引き込まれていく
    主人公が掴もうとするのは金であり、力であり、何よりも自由だ
    そして薬まみれ殺しの血まみれになりながら義を貫き愛のために戦う
    生き残るために残虐な行為を厭わぬ彼等ではなく、国家に魂を失うものたちこそ恐しい

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    Posted by ブクログ 2023年07月28日

    変に酔った甘さの無い淡々とした、でもソコが良いノワール。この著者のノワール初めて読んだが、作品としても初めてかな?
    義兄弟のラストに涙。ジロー視点だと分かりづらいけど、ジロー本人に自覚が無かっただけで、実はせずともかなり魅力的な男だったんじゃなかろうか。

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    Posted by ブクログ 2023年06月26日

    2023.6 主人公は悪い奴なんだが読んでいると肩入れもしてしまう。上田さんの小説は一つ一つのシーンが丁寧に書かれているわけではなくてあっさりしているけれど、立体的な描写に思えます。今回は随所に出てくる「匂い」がリアルな感じを醸し出していてすごいなぁ、と感心。

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    Posted by ブクログ 2023年06月07日

     空っぽになってしまった。何を思えばいいんだろう。どう感じたらいいんだろう。感じること、考えることが多すぎて、考えていたら、頭の中が空っぽになってしまいました。

     物語は、日本での暮らしに嫌気をさし、成功を夢見て上海に渡ってきた男、吾郷次郎の元に謎の女、ユキエが極上の阿片を持ってきたところから始ま...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2023年05月15日

    終わり方が良かった。表題とも合っていた。
    前半はどうなんだろうなーと思いながら時代や青幇への興味で読んでいたが、後半から吾郷次郎と黄基龍の魅力が出てきて最後まで突っ走れた。

    読み始めでいつか読もうと思っている「華竜の宮」の作者さんだと知り、
    読み終わって「戦時上海・三部作」最後の長編だったと知った...続きを読む

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