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金四郎の得意な潜入捜査 始まる
おけいは、父、堀田一定に強制的に金四郎のもとに送られ、金四郎の側で暮らしている。おけいは押しかけ女房なのだ。
その一定が今度は、相手がその気でないのなら家に戻るようにと言い渡した。おけいは、身勝手な父に振り回されていると不満を感じる。おけいは金四郎のことが好きなんだ。今後一月の期限でどちらかに決めろと言われても、おけいには家に戻る気は無い。
祝言も挙げない男と女が、仲は好いが、長屋暮らしを一緒に送ること自体とても不自然である。
金四郎の実家におけいが訪れた時、金四郎は夫婦として固めの杯を交わすよう言われも、当てにならず及び腰だ。全くだらしない。優柔不断で決断力のない男である。
「遠山の金さん」は、お白州で悪人たちの嘘や言い逃れを見破り、裁きを下す名奉行ぶりが頭に浮かんでくる程の人だ。
この物語の舞台では、金四郎は未だ奉行所勤めではなくただの「遊び人」だが・・・それでも社会の常識は当然わきまえているはずである。祝言も挙げずに女と暮らすことなど許されない。
そして今回の捕り物でも、金四郎はおけいと一緒に取り仕切った。夫婦だったからこそ、今回の捕り物劇は成功したのである。盗賊・血煙一味が、江戸市中の呉服屋の大店を襲って、店の者全員殺害し大金を盗む極悪の大泥棒の事件をだ。
そして血煙一味の次なる標的である薬師問屋の被害を未然に防いだ。盗賊の頭領から気に入られた金さんが得意な潜入捜査で、事件は素早く片付けられた。
けれど最後に言いたいのは、物語を読み進めていると気になるところが多少あった。金四郎夫婦が滝浴みを済ませて王子から家に帰る際、夏の真っ只中、袷の着物を着て帰るというのは妙である。袷は冬の着物であるはずだ。もう一つは、金四郎が自分の弟を父と呼ぶのである。明らかに間違いでは無いか。物語をこの先読み進めるには、読者は普通の状態で読めない。だから私は一人の見物人になりきって読んでいくしかなかった。不甲斐ないが、私は野次馬の感想を書いたのかもしれない。
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