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この世には、自分の力ではどうしようもないことがある。そのことに苦しみ切なく感じても、「生きているだけで大仕事」と思ってやり過ごせばいい――。「仕方なく、適当に」「万事を休息せよ」「死んだ後のことは放っておけ」など、心の重荷を軽くする後ろ向き人生訓。死者を求め辺境の霊場を訪れる人々、逸話だらけの修行時代、よい宗教とわるい宗教、親ガチャや苦の正体――恐山の禅僧が“生老病死”に本音で寄り添う。
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Posted by ブクログ
南先生による坊さんらしくない仏教にまつわるエッセイ。 表題は大層であるが、中身は肩の力を抜いて楽しみながら読める。 著者は読みやすく時々ユーモアある語り口の中に聞く者の心に残り続けるであろう本質的な事柄を織り込むのが秀逸で、心揺さぶられる事が多かった。 今までの著書の内容と重複するような内容でも新...続きを読む鮮な気持ちで読めたし、コロナ禍明けという社会の激変時についても書かれるなど最近の事柄にも書かれているので、今を俯瞰するには良い本だと思う。
エッセイをまとめたものなので読みやすく、そして内容は深い。一気読みしました。客観的な考えが綴られていて、苦しい思いをしてる人に必要以上に寄り添ったり、人生を鼓舞するような文章が一切なく良かったです。
著者のこれまでの本と同じ思想が、雑誌向けの柔らかい言葉遣いの中に貫かれており心地よい。これまでと同じ思想、と言うのはこの場合良い意味で、これまでの著作で語られた内容が変わっていない、と言うのは、確固たる信念と思想の根幹は変わることなく、語り口を少しずつ変えながら現れているだけ、という事を感じ取れるか...続きを読むら。そして雑誌向けの言葉であるが故か、著者の人間に向ける優しい(と一口で言うのは僭越だが)視線がより感じ取れる。 中でも、「無駄な時間を取り戻さなくてはならない」「取り戻した無駄な時間を何かで埋める事を急いではならない」が特に響いた。 生は一切皆苦であり、生は他人から勝手に課せられたものでしかなく、生にも死にもそれ自体に付与された意味がないのならば、その意味を問うことに執着せず、意味を自分で与える事を考えなくてはならない。 付与された意味がない生ならば、それ自体は無駄である。あるかのような「生きる目的」を錯覚するのでなく、無駄な生という事を受け入れて、その上で意味を付与すると決意できるかどうか。 確かに、「生きているだけで大仕事」なのだろう。でも、一度そう思う事で、「好きで生まれたわけじゃない」という重荷を降ろしてやる事は、結構大事なのでは。少なくとも、社会貢献の名で人生を盲目的に塗り潰し続けるよりは、一度万事を休息して見ることは大事に思える。たとえ、生きている意味に疑問を今は持っていないとしても。それが「自分を見つめる」と言うことではないかと思う。
南直哉さんのファンや。これ何冊目やろ。彼の坊さんらしくないところや彼の哲学が好きや。 そもそも僕らは生まれとうて生まれてきたんとちゃう。問答無用にこの世界に投げ出されて、一方的に体と名前を押し付けられて「自分」にさせられた。不本意なままあらかじめ人生が始まってしもうた。 これは重荷に違いあれへん、生...続きを読むき始めた最初からすでに大仕事になってるやん。その重荷を投げ出さんと今までよう生きてきた!その事実だけで大したもんやで。 せんとあかんことなんて何もあらへん。生きる意味や目的や理由なんか誰にも知らされてへんし、何かの役に立つために生まれてきたんでもないし、ま、生きてたら何かの役に立つこともあるにすぎひん。無駄な時間と無駄な自分があるだけや。せやけど、その無駄をあえて受け入れて、人生を持ち堪えるために、無駄の上に意味をおいて謙虚に考えることが尊いことやねん。自分は何を大切に、何を大事に思って生きるんか? でもこの世には自分の力ではどもならんことがある。そんな時は「しゃーないなぁ」と思い切る。ギブアップとちゃうし逃げるんちゃうし、とりあえずやり過ごして切り抜けるんや。こだわったり執着したらあかんで。「しゃーないなぁ」は過去と正解を捨てる決意。僕らはしゃーなしに生き始めたんやからしゃーなしに生きたらええし、それが生きるための大事なテクニックやねん。 って直也さんが言うてはります。 他にもいっぱいおもろいこと言うてはんねん。
恐山の住職代理を務めるお坊さんの本。 失礼ながら、本書を読むまでまったく知らなかった。 はじめ面白く、次第に考えさせられる内容。 法話の採録かと思ったが、そうではない模様。 雑誌か何かの連載をまとめた本であるそうだ。 直哉(じきさい)師の実家はお寺ではなく、大学を出て、会社勤めの経験もあるとのこ...続きを読むと。 子どものころから死とは何か、自分という存在があることへの懐疑などに取りつかれ、出家し、永平寺で修業をしてこの道に入ったという。 癒し系、ではない。 むしろズバズバと言ってしまう感じ。 分からないことは分からない、とはっきり書く。 本書を最後まで読んで振り返ると、カルト宗教と伝統宗教の差が、教祖がすべてを知っていると言い切るかどうかで弁別できるとするのは、実にこの人らしい言い方だと思った。 しかし、だからこそ、この人の言葉は読み手に届く。 お坊さんは話し上手な人が多いと思うが、この人もまたきっとそういうタイプの人なのだろう。 自分の失敗談を実に上手に加工して、主題に回収していってしまう。 その筆致(文章だから話術とは言い難い)の鮮やかさに、笑うより先に驚かされる。
匿名
ここ数年仏教に関する本をいろいろ読んで南直哉さんに辿り着いた。私はいわゆる「ありがたい話」が苦手で、そんなもんお前に言われんでも分かっとるわと生意気なことを言いたくなってしまうのだが、南直哉さんの問題関心は自己の根拠の不在や実存の不安とでも言えるような哲学的なテーマで、納得感と安心感を持って読めるの...続きを読むである。思えば私が仏教に関する書籍をいろいろ読み始めたきっかけも「諸行無常」という言葉に出会い直したことだった。無常、無我、縁起、空。これらの言葉が仏教の根幹にあることを知り、それにまつわる本ばかり読んでいた。 本書はエッセイの形式で、とても読みやすいが語られる言葉の裏には、当然だけど仏教的な思想の裏付けが見えて、それゆえに深く自分の身に沁み入る。
両親ともに教師の家庭で育ち、有名大学の学生時代は引きこもって、道元禅師の『正法眼蔵』とハイデガーの『存在と時間』を読みふけり、大学にいかない生活をいっとき送るも有名企業に就職。その後出家。若僧の頃には永平寺のダースベイダーと呼ばれ、2005年に恐山菩提寺院代、霊泉寺住職となった南直哉(みなみ・じきさ...続きを読むい)さんのエッセイ集。 私にはタイトルがストレートで少し抵抗があったが、南さんも「抵抗があった」と、『はじめに』に書かれている。連載時のタイトルは『坊さんらしく、ない』。どちらも編集者の方の発案だそう。 現タイトルは、ほんとうに弱ってるひとがふらふらと本屋をさまよってるところに目につきやすいように考えられた周到なタイトル。 本(でもなんでも)は必要としてくれるひとに届いてこそなので、これで、ふだん本を読まないひとも手に取ってくれたらいいなと思う。(誰目線) 私が手に取った理由はダ・ヴィンチの占いコーナー、メグさんの読書占いで引用されていた文章に感銘を受けたから。 ──「【親ガチャ】は仏教の【無常】【無我】に通底し、【無理ゲー】は【一切皆苦】、【コミュ力】は幻想だと述べる。 私たちは〈一方的に体と名前を押し付けられて【自分】にさせられる〉。だから【あなたが、ただそこにいてくれるだけで、私は嬉しい】と無条件で断言し、そう、【子】に実感させられる者が赤の他人でも【子】の【親】。それが【命の種】を植えることだと言う」──ダ・ヴィンチ『メグさんの読書占い』より引用。 まるでよく整えられたお寺のお庭をみながら南さんと雑談をしながら大切なことも話しているような気分になり、落ち込んで荒ぶっていた心も静まる。
興味をもっている場所の禅僧の話を読むことができて、よかったです。自分のことなのに自分でコントロールが難しいことと付き合っていくのは苦しいですが、踏ん張っていきたいです。 そしていつか恐山に行ってみたいと思いま。
こうでないといけない、などと思う必要などないんだな、と感じた。 くすっと笑ってしまうところも散りばめられていて、あっという間に読み終えました。
本のタイトルと違和感ある感じ。 人が生きていて、悩んだり違和感がある事について、優しく説いてくれるかな? いろいろな方のお話を聞かれていて経験も豊富なので、万人に分かりやすく読みやすい本。 一度はお会いし説法を直に聞いてみたいな。
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