Posted by ブクログ
2013年08月18日
食生活の「五十五年体制」崩壊へという第1章を見てそうかと思った。それは、米や味噌汁、煮物などの和食から、著者曰く「カタカナ」の食べ物が入り込んですっかり定着して、人々の食生活ががらりと変化したことを表している。
学校給食に欠かせないものの一つとして牛乳が挙げられる。牛乳は栄養によく、カルシウム...続きを読むが豊富に含まれているからいいとしてまるで栄養の方このように語られてきた。ところが著者によると、「あくまで牛の赤ちゃんにとっての完全栄養食品だ。しかも、ビンや紙パックに入ったものではなく、母牛の乳房から直接飲んだ場合に完全栄養食品としての価値がある」と述べている。
しかも、牛乳、牛乳と牛乳信仰の信者にならずとも、日本人は、ひじき、わかめなどでたくさんのカルシウムを取ってきたともある。著者のほかにも、新谷弘実著「病気にならない生き方」(サンマーク出版)などでも牛乳信仰への警鐘が鳴らされている。
当然、酪農、牛乳業界からかみつかれて公開質問状が出される騒ぎになったとある。不都合な真実を突き付けられて困ったと言ったところか。
著者は、昨今の健康法ブームに警鐘を鳴らしている。「これを飲めば、健康になる」、「これを食べるとはつらつとしていられる」などと言ったうたい文句で人々の関心を引く飲食物やサプリメントがテレビCMやインターネットの広告でよく目にする。
これさえ摂ればもう安全などと単純なものではなく、いろいろな食材を摂り、睡眠、ストレスなど多様な要素がうまく組み合わさって初めて健康でいられる。物事を単純にして一見わかりやすり論点で語られると、つい飛びつきたくなるが甘い言葉には注意だな。
「カタカナ」食品よりも「ひらがな」食品で健康をと著者は説いている。サンドイッチよりもおにぎり、サラダよりもお浸し、スイートポテトよりも焼き芋と言った具合だ。ただし、おにぎりの場合、マヨネースがこってりつけられているコンビニやスーパーのものは体によくないので避けた方がいい。
頭や体がキレるよりも神経がキレてすぐに感情制御不能になってしまう人の原因の一つとして食生活がある。甘いものを飲み食いしていると、血糖値が上がりインシュリンの過剰分泌で精神衛生上よくない状態になると指摘している。非行に走ったり、交通事故の原因になったりと社会生活を送るうえで困ったことになる。
食べ物と生活は密接につながっていることがこの本を通してわかる。何を口に入れるかは本人の選択でどうにもなる。健康に生きていくためにも何を口に入れるのかよく考える必要がある。