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言葉を書くということは,どんな経験だろう.それは技法の問題ではない.よりよく考えるための,自分と向かい合うための経験の場だ.このことは,同時に批評の方法へとつながっていく.経験としての書くということの意味を,考えるということの1つの方法として位置付ける,これまでの文章教室とは異なったユニークな講義.※この電子書籍は「固定レイアウト型」で作成されており,タブレットなど大きなディスプレイを備えた端末で読むことに適しています.また,文字だけを拡大すること,文字列のハイライト,検索,辞書の参照,引用などの機能は使用できません.
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Posted by ブクログ
いかめしい名前だけれど、その中身はタイトルから想像されるよりもずっと和かい。不自由な言葉の自由さを感じることができて、もっと自分の頭にあることを言葉にしてみたいなと感じた。
七歳の男の子が書いたとという日記の言葉
ぼく かえる みつけた。
しみそう。
くさのところへ いきました。
これを正しくすると、
ぼくはかえるをみつけました。
しにそうでした。
くさのところへいきました。
となるけれど、途端に最初にあった言葉が持つ余韻が消えてしまっている。最初の文章は書いた男の子の姿までをも想像させるものだったのだろう。明らかに不完全な文章なのだろうけれど、完全である必要なんてどこにあるのだろう?
僕は普段の仕事で明確な言葉を使うようにしている。というよりも、それはサイエンスというものの大事な一部だ。ただ、サイエンスの言葉と文学の言葉とは同じ文字でも役割と目的が全く違う。この本を読んで、僕は不自由でも許されるような言葉の自由さをやっぱり愛しているなと感じた。こんなブログでも僕が10年弱の歳月、絶えず書き続けることができているのは、言葉を愛しているからだろうな。
一人酒のようなものかもしれない。誰にも害はないし、本人は悦に入っている。いや、それよりも幾分ましかもしれない。言葉はどんなに拙くとも、時々人を救う。
Posted by ブクログ
『敗戦後論』で良くも悪くも著名な筆者だが(高橋哲哉に代表的な「良心的」知識人からの批判等)、個人的には以前かなり救われた一冊。あくまでも個人的だけど、かけがえのない感動した本、マイ・ベスト10――あるいは、ベスト5でも入れるだろうなあ、と思う。数年来、どうも思ったような言葉にならず、我ながら腑に落ちない日々…。勇気を振り絞って(?)痛み苦しみながら、最初からゆるゆると読み直している。が、ああ、やっぱりどの講義(章)も切実で真摯だなあという印象。自分の足場(デカルトの「格率」論も出てくる)がわからなくなってしまった…そんな思いを感じている人には、文章表現にかかわらずとも、救われるところがあるような気がする。それは勿論、棘だらけの茨の道を自力で踏みしめる以外にはやはりない、ということではあるけれど(笑)。でも、踏み固めて、一歩片足を出すことさえ難しい時期もあるもの――蝸牛の歩であれ、また本気で言葉に向き合うことがあったとしたら、多分、本書と出会った(再会した)おかげになるのだろうな…と思っている。
Posted by ブクログ
考えるために書くこと、書き表すこと。硬派な見かけによらず、平易なことばと例えで語られて面白かった。現国の先生を思い出した、こんな先生の講義を受けてみたいものだ。
良い文章とは、1)自分にしか書けないことを 2)だれが読んでもわかるように書く
感動が深くても文章がいいことの保証にはならない。書きたいことがあることは必要条件にすぎない、これの他によそからくるものが必要。過飽和のホウ酸水に結晶ができるように。
吉本ばなな以降の文章、言葉はモノではなくコトに戻った、半独言。言葉を書く経験が、コトバを駆使し、操り、料理することから、何かにぶつかり、何かを考える、というところまで「差し戻され」た。
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