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この本の聞き手、糸井重里は“ピーコさんは21世紀の日本のおかあさん”だという。そんなピーコは、いかにしてピーコになったのか。伸び伸びと育ててくれた家族のこと。ゲイであること。「愛に生きてるのに、愛されないという、愛の吸血鬼なのよ(笑)」と語る、独特の恋愛観。片目を失う闘病を経て、最後に残った大切なものとは。テレビに収まりきらないピーコの魅力が満載。“自分の裸をさらけ出しちゃうような「はずかしい本」は、これっきり”という貴重な一冊。
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Posted by ブクログ
ピーコの自伝的な内容で、その語られている内容もかなり面白いのだけれど、何といっても、糸井重里氏の話しの引き出し方が素晴らしいと思った。文章にも話し言葉の特徴がはっきりと残っていて、その場で直接、本人同士の会話を聞いているような臨場感がある。 自伝というのは、自分自身が書いてしまうと、内容によっては...続きを読むイヤミな感じが出てしまうと思うのだけれど、この自伝は、ピーコ自身がそういうイヤミを感じさせないキャラクターであるということもあるし、心から面白がってその話しを聞いている「聞き手」という存在があることで、ものすごく素直にこれまでの生い立ちが語られているような気がする。 この本の内容は、聞き手と語り手との間に信頼関係がないと引き出せない話しばかりだと思うし、その話しが見事にまとめられているからこそ出来上がった、説教がましくない箴言集という感じだった。 野球はあんまり好きじゃないし、そもそもよく知らない。 −−はー、なるほど。野球、興味ないと。 といっても、スコアブックぐらいはつけられるんですけどね。 −−おいおい!なんで野球知らないで、スコアブックつけられるんだ! その理由を話すと、少し長くなるんだけど、いい? −−いいですとも。あなたの時間なんだから。(p.17) もらった金は全部つかっちゃうって生活だったから、いくら稼いでも、いつもおカネに追いかけられていたけどね。 でも、悪いことはしていなかったわ。ま、踏み倒した飲み代もあったけれど。 −−それ、「悪いこと」なんですよ(笑)。(p.168) −−ピーコさん、かわいがられることの天才なんだね。 かわいいかどうかは、わからないわよ。 −−いや、見た目がかわいいかどうかは別としても。 やな感じ(笑)。こんないやなインタビューが長く続くとは思わないわ。 −−もうずいぶん長く続いてますよ(笑)。ま、正直にいきましょう。(p.238) わたし、女の子だったら、キレイでバカよりもブスで頭のいいほうがずっと好きだわ。よく、恋人の理論でものをしゃべるキレイな女っているじゃない。女優なんかに多いんだけどね(笑)。こういう子って、恋人が変わると理論も変わっちゃうのよ。 で、この手の女が、自分の男の知識の受け売りで、たとえばいきなり政治的な発言をしたりする。バカよねえ。わたし、そういうの、ぜんぜんだめだわ。認められない。人と人とが出会ったら、会話をしてなんぼでしょ。その会話がつまんなかったら、顔を合わせてる意味がないじゃない。 バカは話しができませんからね、相手をしているのは、時間の損だわよ。 キレイっていうだけであとは話しもできないような女なんて、あっちが「コワイわね」って言う前に、切って捨ててやるわよ。 −−「切って捨ててやる」!(笑)。(p.256) わたしくらいの年になっちゃうと、いまさら、きれいだったから得だったとか、きたなかったから損だったっていっても、意味ないのよ。 どんなにきれいだって、年をとったら、きたなくなるんです。(p.267)
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