安土往還記(新潮文庫)

安土往還記(新潮文庫)

小説・文芸
605円 (税込)

3pt

争乱渦巻く戦国時代、宣教師を送りとどけるために渡来した外国の船員を語り手とし、争乱のさ中にあっても、純粋にこの世の道理を求め、自己に課した掟に一貫して忠実であろうとする“尾張の大殿(シニョーレ)”織田信長の心と行動を描く。ゆたかな想像力と抑制のきいたストイックな文体で信長一代の栄華を鮮やかに定着させ、生の高貴さを追究した長編。文部省芸術選奨新人賞を受けた力作。(解説・饗庭孝男)

詳しい情報を見る

  • カテゴリ
    :
    小説・文芸
  • ジャンル
    :
    小説 / 国内小説
  • 出版社
    :
    新潮社
  • 掲載誌・レーベル
    :
    新潮文庫
  • タイトル
    :
    安土往還記(新潮文庫)
  • タイトルID
    :
    1261053
  • 電子版発売日
    :
    2022年11月25日
  • コンテンツ形式
    :
    EPUB
  • サイズ(目安)
    :
    2MB

閲覧環境

  • 【閲覧できる環境】
  • ・ブックライブ for Windows PC(アプリ)
  • ・ブックライブ for iOS(アプリ)
  • ・ブックライブ for Android(アプリ)
  • ・ブックライブ PLUS for Android(アプリ)
  • ・ブラウザビューア

※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。

安土往還記(新潮文庫) のユーザーレビュー

\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    西欧人が語る大殿(シニョーレ)織田信長は、きっとこのような人物だったのだろうと思わせる。
    好奇心高く芸術家を敬い西洋の技術に深く関心を持ち、道理を求め「事が成る」ことをもって自身の道を貫くために非情となり、それは周囲の理解を得られず孤立していく。
    宣教師らには人なつこく冗談に笑うほど心を許したと言うのも安土城下にその城郭と同じ青瓦のセミナリオを建立させた事からも本当だったのだろう。
    宣教師ヴァリニャーノがヨーロッパに帰国する事になった際、見送る為に催した夜の祭典で、安土城が一斉の篝火で浮かび上がった情景は素晴らしく、黒装束で信長自らがたいまつを掲げ宣教師に言葉を送ったと言うのも、西洋の宣教師らに対する深い思いが伝わってくる。
    信長の時代がもっと続いたらどうだったかななど思いを巡らせながら歴史が現在につながっている事を痛感するから史実は面白い。
    豪華絢爛な安土城が現存していないのが本当に残念です。

    0
    2021年11月06日

    Posted by ブクログ

    辻邦生の安土三部作のうちで最も有名であろう。鬱屈する事情を抱えたジェノバ出身のある船員の書簡の形で、信長の周囲の人物たちの思考と行動とが、一種突き放した観察の乾いた描写で書かれ、そのことによって、孤高のシニョーレ信長が鮮烈に浮かび上がる。そういうしかけの物語。

    数十年にわたって再読三読している本(焦げ茶の単行本)だが、若いときには、その物語性、圧倒的に美しく知的な文章、ライトアップされた安土城に松明持つ馬を駆けさせる、といった耽美的ともいえる情景創造に驚き、正に耽溺しつつ読んでいたように思う。

    今、再読して特に思うのは、「理に適うことを持って事を成す」という西欧的思考を1960年代後半に既に突き詰めていたことの特異性である。
    一貫して執拗といえるほどに描かれるのは、信長における「「理に適うこと、事が成ること」が全てに優先される」という思考と姿勢と行動である。だからこそ日本社会において孤独であり、(イエズス会という政治的思惑があるのだが)宣教師達の思考と行動に触れ共鳴した。そして、そのことに深いところで気づいたのは、おそらく巡察司ヴァリニアーノとこの船員だけであったろう、ということが語られる。

    実際には、周囲の人物の思考と行動が信長との緊迫した関係性とともに書き込まれており、その一つ一つが信長の像を浮かび上がらせていく。
      ・生の喜びに溢れる好人物なのに、信長の思考を理解できない故に滅ぼされた荒木
      ・信長の論理を理解できる故に、限界まで自己を追い込み耐えられず滅びた明智
      ・日本的村社会に溶け込むことで宣教活動を成功させたオルガンティノ
      ・透徹した戦略的視点を持ち信長が理の人だと理解して近づく「美貌の」ヴァリニアーノ
      ・武器特需の波に乗ろうとする境商人・・・

    今でこそ、ロジカル・シンキング云々と取りざたされているが、1960年代の後半に、理に適うことを至上とする西欧の思考と、時々の現場感覚を優先する日本的感性とを、ここまで明確に書き分けていたことは稀有なことだったと思う。数十年「西欧の光」を追い続け、テクニック的には西欧的論理思考の方法を手に入れた我々は、もともと持っている感性の論理との間にどういう折り合いをつけているのだろうか・・・などと思う。

    0
    2016年07月05日

    Posted by ブクログ

    1回目は中学の国語の先生に進められて読んだ。その時はこんな視点で信長を見れるのかという点に感心した。
    最近、読み直して、「事が成る」ために下劣な温情に堕ちる事なく淡々と仕事をこなしていく信長像に感心した。
    荒木村重謀反の際の信長の思考は、一番合点がいった。

    0
    2012年08月19日

    Posted by ブクログ

    『一番カッコイイ戦国時代小説』の座、私の中で、何十年も揺るがないままです。
    あの時代で、自分も呼吸しているかのような臨場感は「嵯峨野名月記」のほうが、より強かったですが、こちらのほうが登場人物への感情移入がしやすいぶん、数々の場面の印象が鮮烈に残っています。

    安土城で信長が、バリニャーノを歓待するために行った『演出』のシーン、何度も読み返しては脳内で映像化して(貧弱な想像力ながら)酔いしれたものでありました…。
    思い出しつつ、また再読したくなりました☆何年かおきに読み返すのですが、読むたびに、また違う輝きに出会えるような小説です。

    大河ドラマの「信長 King of Zipangu」は、この小説を『原作』にしたくて、でも許諾が得られなくて脚本家さん原作ということにしたのでは…と長年思い続けているのですが…。
    今も真相が気になるところです☆

    0
    2012年04月13日

    Posted by ブクログ

    辻邦生さんは大好きな作家さん。
    その辻さんが織田信長??と読む前は思ったものの、読んでみて納得。
    織田信長がとても知性的でストイックな武将に描かれています。
    明智光秀との関係も、とても深い人間同士のつながりのようなものが感じられて感動。本能寺の変に至ってしまった二人の葛藤に、せつなさを感じます。
    歴史小説、というより、やっぱり文学作品だなあ、と思います。

    0
    2011年10月15日

    Posted by ブクログ

    読んだのはたぶん30年以上前だが、辻邦生の中では1,2を争うおもしろさだった。背教者ユリアヌスの次に読んだのかもしれない。こんなに面白い小説を書く人がいるのかとうれしくなってしまった一冊だ。

    0
    2011年05月29日

    Posted by ブクログ

    辻邦生は1957年から61年までフランスに留学していたらしい。

    あの国内激動の時代に留守していたんだ。

    0
    2011年03月01日

    Posted by ブクログ

    本店しかないヴィレッジヴァンガードに『唯一の信長本』とかなりの高さの平積み。以降、しばらくその本のセレクトに足を運ぶ。台風でさらされた土壁の資料よりも後世に送るもの。

    0
    2009年10月04日

    Posted by ブクログ

     宣教師と共に来た船乗りのにほんでの滞在記。オルガンティーノ、ヴェリニャーノ、フロイスと共に日本で、布教活動のなかで、大砲、小銃などの制作、兵の銃指導、兵法指導、教会の建築などをしながら宣教師たちと信長に近づき、信長を近くから、また遠くから見つめ信長の冷徹なまでの武将としての振る舞い、国を統一し統治する信長の苦悩をみている。
     最後の明智光秀の謀反に遭うことで終わるが、明智光秀が信長と共通する苦悩を抱き、その苦悩から逃れるため下剋上に及んだと辻邦生はみている。
     辻邦生のストイックな文体、読み応えのある歴史小説だった。

    0
    2026年06月04日

    Posted by ブクログ

    本の中に入って、登場人物と空気を共有している感覚になる

    作者が伝えたかったのは 織田信長とキリシタンとの共鳴点としてのメッセージ「孤独になっても、道理に適うべく意志を貫く」と思う

    0
    2025年10月25日

安土往還記(新潮文庫) の詳細情報

  • カテゴリ
    :
    小説・文芸
  • ジャンル
    :
    小説 / 国内小説
  • 出版社
    :
    新潮社
  • 掲載誌・レーベル
    :
    新潮文庫
  • タイトル
    :
    安土往還記(新潮文庫)
  • タイトルID
    :
    1261053
  • 電子版発売日
    :
    2022年11月25日
  • コンテンツ形式
    :
    EPUB
  • サイズ(目安)
    :
    2MB

閲覧環境

  • 【閲覧できる環境】
  • ・ブックライブ for Windows PC(アプリ)
  • ・ブックライブ for iOS(アプリ)
  • ・ブックライブ for Android(アプリ)
  • ・ブックライブ PLUS for Android(アプリ)
  • ・ブラウザビューア

※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。

この本をチェックした人は、こんな本もチェックしています

新潮文庫 の最新刊

無料で読める 小説

小説 ランキング

辻邦生 のこれもおすすめ

同じジャンルの本を探す