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『極夜行』後、再び旅する一人と一匹に、いったい何が起こったか。 GPSのない暗黒世界の探検で、日本のノンフィクション界に衝撃を与えた著者の新たなる挑戦! 探検家はなぜ過酷な漂泊行にのぞんだのか。未来予測のない世界を通じ、人間性の始原に迫る新シリーズの第一作です。 「この旅で、私は本当に変わってしまった。覚醒し、物の見方が一変し、私の人格は焼き焦がれるように変状した」 ―――本文より
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Posted by ブクログ
極地探検家・角幡唯介が新たな旅の視点に気づく2018年の旅とそれにつながるまでの経緯を記した一冊。「狩り」を通じて土地を見ることで、新たな自分だけの地図をつくる旅がここから始まっていく
極夜行と比べたらゆるいのかと思って読み始めたけど今回もグイグイと引き込まれて一気読みでした。次作が楽しみ
「四十三歳の落とし穴」という一章から始まる。旺盛な体力の勢いのまま冒険行を重ね経験値をあげていき、降下し始める体力と、積み上げていくことが可能な経験値が、いつか逆転を起こしてしまう。スポーツであればその帰結先は競技としての「敗北」だが、冒険行においてそれは「死」だ。 本書では実例として河野兵一...続きを読むさんと植村直己さんをあげている。著者はどうだ。ぎりぎりの冒険旅行を生還し、さらに狩猟を通じて価値観が転換する経験をすることにより、これからも大丈夫なようだ。 著者は価値観の転換を、狩猟を通じてと描かれているが、私はまさにその思考こそ四十三歳の転換点だと思う。『狩猟』ではなく、四十三歳という年齢が転換の引金だ。加齢こそが価値観を転換させる原動力だ。 そうであれば、読者である僕も著者のような価値観の転換を経験できるはずだ。ある地点まで移動することが目的ではなく、自身の価値観による視線でその土地を経験する、そういう旅だ。 その人の経験値から思いつくテーマを実行することが、その人らしさを強調していくというからには、より思いつくままに旅してみたいと思う。
白夜に極地を漂泊することでひとりの人間に芽生えた「思いつき」を辿るようなストーリーとなっていて読後感がよかった。極限状態で食い繋ぐ狩猟が筆者に哲学的な命題を突き付けたかと思いきや、間髪入れず陽気なJPOPの鼻歌に展開する表現力に脱帽した。
2022/08/07 ギリギリの時のウヤミリックとのやりとりが好きです。ネタバレになるので書けないのですが。
空白の五マイルでは、地図上の空白を埋めた。 極夜行では、地図上に時間をかけあわせて空白を作り出し、埋めた。 本作では、自らの頭の中を空白にして、埋めていくという行為。本作は第一部で、自分だけの地図を創る旅に出ると筆者は言う。 本作を読んでの感想は、 筆者のいうように、現代人は計画がないと行動できない...続きを読む、という点は共感できた。そしてそれは、人類全体としてみると、個としての力を弱体化させているように思う。システム化されればされるほど、個としての力は必要とされなくなる。北極でも、大都会でも身一つで投げ出された時、生き抜く力を我々は持っているのか。人類の脆弱性はそういうところにあると思う。
文体がくどくていまいち自分の好みではないけど、実体験者にしか書けない圧倒される描写。 偶然アザラシがいた、だから生きられた、獲物を仕留められた。だからもう数日旅を続けられる。 白夜の北極を犬一匹と橇を引いて徒歩。地図も時計もなし。食料は一応あるけど現地で調達。日常とかけ離れすぎですごい。 広末涼子...続きを読むもこんな環境で口ずさまれるとは思ってなかったよな…(麝香牛の解体中)
未来予期せずにという漂泊旅の目的は面白い 最後の方、時間感覚が狂っていったのも興味深かった。 極限状態など体験したことがないし、したくもないが、こういうリアルに生と死を感じる体験に誘われてしまう人もいるんだなあと、疑似体験させてくれてありがとうと思う。 文章は全体的には拙速な感じというか 荒々しい...続きを読む感じがした。 そして、なんとなく探検家ってゲームをクリアしていく感覚でやってるのかな?と思った。 でもそれがまた探検家っぽくて 角幡さんの人柄が表れているのだと思い面白く感じた。 以前、星野道夫さんの本を読んだとき 探検家というよりは写真家だからか 土地のこと、動物のことを深く知ろうという意志を感じて、そしてすごく静かな感じがした。 対照的だなと思う。 次回展望では、土地への関心が高まっていたので、どんなふうに変わるか次回も読んでみたい。
いわゆる冒険家としてはかなりの冊数を出しているので、ほぼ作家と言ってもよいのではないか。文章も非常に達者でユーモアにあふれているのでとても読みやすい。いずれ冒険から離れても面白いものを書くんじゃないかと思っています。 さて、極地探検ものをかなり連続して書いているので、新味は正直なくどちらかというと今...続きを読む後の決意表明みたいな本に感じました。 そりで氷の壁を超えるってどういう状況なんだろう。ジャコウウシってどんな味なんだろう、臭いなんだろうと想像働かせて読みますがなかなか頭に像を結ばないです。経験したことがないからサンプルが無いんですね。そう考えると本当にすごい体験しているなあ。 彼が今後やろうとしている漂泊の狩猟者としてその土地に深く根ざしていくのはとても面白いし、狩猟主体の冒険譚とても読みたいです。という期待も込めてここでは☆3。
ーーあらゆる細密な情報が書きこまれた、私以外のすべての人にとっては完全に無用な地図。でもだからこそ、そこに書きこまれていることが私という存在そのものであるという、そういう地図。…そういう地図を、私はつくろうと思った。(p.284) 時系列的には『狩りの思考法』の前段にあたる極地行。角幡さんとウヤミ...続きを読むリックの1人と一匹で旅するのは、確かこれで最後だったはず。この後、犬橇という新しい旅行法に舵を切る、そのきっかけとなった出来事が語られる。 冒頭で引用したのは、その末尾の部分。 角幡さんは足と文字の両方で物語を語る人なんだなと思った。地図の上に自分の足跡を残し、そして残した足跡が如何なる意味を持つのかを文字化することで理解し、腹に落としているように思える。 たぶん似たような(もちろんスケール的には極小の)経験は自分もしていて、それは幼少時の体験に顕著だ。たとえば、無謀にも三輪車で四キロ以上離れた集落に住む曽祖母に会いに行った時の道は、四歳の記憶のはずなのに田んぼの稲の伸び具合や空の青さ、橋の勾配の具合すら鮮やかに記憶されていて、それ以後30年以上訪れていないが、今行ったとしても、迷わずに行ける自信がある。それはおそらく、行けば曽祖母に会えるという根拠のない自信と、この道を真っ直ぐ行って橋を越えて果樹園を抜けた先の用水路を右、という記憶だけを頼りに自分の足で目的地に向かったからなのだろう。しかも、ひとりぼっちだという、不安を抱えながら進んでいたはずだ。だからこそ、その時、五感を通して体の中に入ってきたあらゆる情報が、地図、として自分の中にストックされている感覚があるのだと思う。 逆に、どんなに長く住んだ土地でも、車の移動が主になってしまった今では体に染み込む感じがしない。住居の近所でさえ、だ。このことはおそらく娘も同様で、近くの川に住んでいる魚のことさえ知らないに違いない。私と夫の仕事の関係で預かり保育や学童に預け、ろくに近所で遊ばせていないことをものすごく申し訳なく感じている。 幼少時の自然体験の大切さがあちこちで強調されているけれど、その本当の意味というのが、冒頭にあげた一節で示されているように思う。その人が何者であるかということは、どういう土地とどういう結びつきを作り、どういう地図を描いてきたかということに集約されるのだ。そして、地図は自分の体を使って歩き回らないことには、作れない。点から点へと乗り物で移動することによっては、地図、にはならないのだ。生きて、ドキドキしながらそこを這いずり回らないといけないのだ。 角幡さんは、ここから犬橇のための訓練に入り、チーム・ウヤミリックを結成する。その先に待つものを既に知ってはいるけれど、あらまし、としてではなく、角幡さんの物語、として早く読みたい気持ちでいっぱいだ。続刊が待たれる。
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