アンネ・フランクの記憶

アンネ・フランクの記憶

小説・文芸
715円 (税込)

3pt

少女期『アンネの日記』を読み、作家を志した小川洋子。アンネの悲劇的境遇だけではなく、言葉が心を表現することに衝撃を受けたからだ。以来、アンネを心の友にしてきた著者は万感の思いでアンネの足跡を訪ねる。フランクフルトの生家、アムステルダムの隠れ家、アウシュヴィッツへと歩き、フランク家の恩人ミープさん、親友ヨーピーさんと語り合う。少女の言葉に導かれた作家の魂の旅路である。

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アンネ・フランクの記憶 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    今度オランダ旅行へ行くので、『アンネの日記』を読み始めました。
    そこからアンネに興味が出て調べていたところ、こちらの本を発見。
    アンネの足跡を辿るエッセイという事で、旅行前にピッタリだと思い読んでみました。
    実際にアンネの日記に登場する方にお会いしていて驚き。小川さんの繊細な言葉遣い、描写に涙が出そうになる場面もありました。
    旅行関係なく、すごく好きなエッセイになりました。

    0
    2025年05月05日

    Posted by ブクログ

    作家の小川洋子さんが、アンネ・フランクの足跡を辿りに隠れ家や親友を訪ねて取材する。
    彼女は、ユダヤ人虐殺やナチスの蛮行のシンボルとしてではなく、純粋にアンネの文章を楽しみ、友人として接する。
    強制収容所では、「何百万人が」とか「無数の人が」と言ってひとまとめにしてしまうのではなく、一人一人の遺品、旅行カバンや、メガネや、靴や、子どものおもちゃやおしゃぶりなど…
    一人一人を尊重し、想いを馳せる。

    大雑把にまとめて、分かった気になるのはよくあることだと思う。
    「戦争になったらたくさんの人が死ぬ」
    そこには、人一人が死ぬということの恐怖が宿らない。
    だから、こうやってアンネフランクという一人の少女の人生と関わって、友だちになった小川洋子さんが書いたようなエッセイには、途方もない価値があると思った。

    0
    2024年10月09日

    Posted by ブクログ

    史実を読むだけでも胸が詰まるような悲惨な出来事ではあるが、それを小川洋子という一人の人間の感性を通してみると、アンネ・フランクという1人の少女の生活や当時の息の詰まる雰囲気がまざまざと感じられて最後は涙無しには読めなかった。

    0
    2023年02月10日

    Posted by ブクログ

    小川洋子さんが、ものを書くということの力を見出す源となった、アンネ・フランクの日記。そのアンネの足跡を辿ってゆく旅の記録。小川洋子さんの視線から、アンネを捉え直すことができて、とても興味深い。日記をもう一度読み直そうと思う。

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    2014年02月06日

    Posted by ブクログ

    「アンネの日記」には感傷的な少女のアンソロジーというイメージがあり、実は読んだことがない。でも最近出た≪完全版≫をぜひ読みたくなった。いまだ読んだことのない私にも、圧倒的なパワーでアンネ・フランクの記憶をイメージさせる小川洋子さんの手腕は、凄いと思う。

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    2010年08月12日

    Posted by ブクログ

    1990年代、著者がアンネゆかりの地を歩いて綴ったもの。アンネの日記については、「良書」として読み、アンネの記号化されたシンボルが残っていく読み手、そういう記号化されたイメージを敬遠する読者などさまざまある中で、著者は自分と同じ一人の少女に親近感を感じながら魅了され、その歩んだ道をたどる旅に出るまでに至ったようだ。アムステルダムのアンネの家(隠れ家)からフランクフルトの生家、アウシュヴィッツ、ビルケナウ、そしてウィーンと回り、ジャクリーヌさんやミープさんに会い、他の支援者たちに思いを馳せ、生き延びた2人のユダヤ人に会っている。

    去年、アムスのアンネの家を訪ねる前にアンネの日記を読んだ。多感な少女が綴る生活は、おそらくは大人が描くほどの悲惨さを醸し出さず、読書や好きな歴史の勉強、語学、狭い隠れ家での人間関係の観察、両親や姉との関係などを通して、自身を深く掘り下げる日々が淡々と報告されている。言葉を尽くして正直に書き綴っていて、ナチに追われる隠れ家の日記、という先入観を打ち破る瑞々しさにあふれていた。プツンと途切れた日記の最後はもちろん、ナチの連行だったわけで、アンネの家を訪ねた時に感じた「隠れ家での窮屈な生活」の先にあった収容所は、私の中では想像力の及ばない別次元の話になっている。
    まったく別の時に訪ねたナチの収容所は2カ所。ダッハウとザクセンハウゼン。その時感じた収容所の一糸乱れぬ規則性は、著者の受けた印象とまったく同じだった。もう数十年前のことなのに、ダッハウでは複数の焼却炉の蓋がまったく同じ角度で開かれていて、ここで人が焼かれたのだということを忘れてしまうほど「展示物」と化していた鮮明な記憶がある。
    この本を読みながら、日記の先にあったアンネの最期を改めて日記につなげて想像し、やはり「想像を超えている」という言葉しか浮かばないことに改めて愕然としている。

    0
    2026年05月10日

    Posted by ブクログ

    私は大分前からアウシュビッツにはとても興味がある。アンネの日記を知ったのは小学生の頃だったけど、ちゃんとは読んでなかった。
    偶々手に取ったこの一冊。もう、余計な事は今は言えない。まずはアンネの日記をちゃんと読む。初版と完全版と、どちらも。

    0
    2024年11月27日

    Posted by ブクログ

    アンネを作家を通して知るには最適な本 マララの本を読んだ後、次に浮かんだのはアンネ。戦争によりどのような人生を生きたのか、彼女の日記を本としてその存在を知ることが出来る唯一の人。そしてその本に魅了された作者がアンネが生きて生活していた現地を訪れた一連の旅行記。実際、オランダやドイツに一緒に行っているかのように読み進めることが出来る。きっと現地のその空気感を体感したら、言葉にすることはおろか、目を背けたくなってしまうような現場まで足を運んでいる(アウシュビッツ)のはすごい。

    0
    2026年03月14日

    Posted by ブクログ

     小川洋子の作家になる原点が、『アンネの日記』というのが、よくうかがえる。小川洋子は中学一年の時、『アンネの日記』を読み、日記を書く喜びを知った。その積み重ねが小川洋子という作家を作った。アンネに対する信愛の情が、この本にはある。小川洋子のつむぎだす文章が温度があると感じていたが、そのことを納得する。そして、1994年にアンネ・フランクのほんの僅かな人生を送ったところを訪ねる。そしてアンネにまつわる人にインタビューし、アウシュビッツ収容所を見る。人間の殺伐として残酷な歴史を自分の目と身体から感じる紀行文。アンネ・フランクの存在を言葉で表現する。小川洋子はいう「アンネを語ろうとすれば、当然ナチスドイツや人種差別問題やホロコーストについて考えなければならないだろう。けれどわたしが本当に知りたいのは、一人の人間が死ぬ、殺される、ということについてだ。歴史や国家や民族を通してではなく、一人の人間を通して真実を見たいのだ」いやはや。なるほど。その視点が、文学の起点だね。
     1994年6月30日出発。アムステルダム到着。7月1日。アンネフランクハウス、アンネの家族の隠れ家。7月2日。アンネの日記を見つけたミープ・リースにあい、インタビューする。ミープは1987年に『思い出のアンネフランク』という本を出している。7月3日。フランクフルト。隠れ家、アンネの生家。アンネフランク展。7月4日。ポーランド。クラクフ。7月5日アウシュビッツ。第二アウシュビッツ。7月6日。ウィーン。7月7日。二人のユダヤ人に出会う。たった1週間の旅行であるが、濃密だ。
     小川洋子は、「なぜ小説を書くようになったか」という質問にうまく答えられない。小川洋子は『アンネの日記』がきっかけで、自分の日記をつけ始めた。因縁の人だ。
     アンネの日記は、1942年6月12日から1944年8月1日まで記録されている。アンネは、1929年生まれ、1945年15歳で亡くなった。アンネはアウシュビッツに送られ、その後ベルゲンベルゼン収容所でチフスで死んだとされている。アンネの母、姉マルゴーは死に、父親オットーは、アウシュビッツで生き残った。戦争が終わり、アンネの日記を世に送り出した。
     小川洋子は、アンネの自由さ、伸びやかさ、10代の少女が悩む姿などをうまく掬い上げてアンネのいた場所に佇む。50年以上の時間の隔たりを感じさせない完成でそこにあるものを見る。実に叙情的な文体とアンネを思う気持ちが吐露される。
     アウシュビッツで、メガネだけの部屋、靴だけの部屋、髪の毛だけの部屋の展示に身が悶える。
     「アウシュビッツ収容所で生き延びるために、一番必要だった条件はなんでしょう。体力でしょ羽化。それとも精神力?」と問うと、ユダヤ人アントン・ウインターは「誰が生きのび、誰が死ぬか。そこに条件などありません。運命を知っていたのは神だけです。そして、絶対に自分は生きのびる、と信じていた」。ウインターは「遺体を焼いたあとの骨を、粉々にする作業、これだけはつらくて私にはとてもできなかった」という、そういう凄惨な体験をしている。それでも生き残ろうとした。
     小川洋子の成り立ちがよく理解でき、その視点が一人の人間の目で見ようとしている。なんのために生きるのかを知り得た作家だった。戦争の持つすざましいほどの人間の破壊力。あらためて戦争はしてはいけないと思った。本当に、人はなぜ戦争をするのだろうか

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    2023年10月25日

    Posted by ブクログ

    自分がもしアウシュビッツの職員だったら、非人道的な行為を拒否することはできただろうか。拒否したら罰せられるから仕方なく、と言い訳することはできるかもしれない。それで良いのか?

    We were no heroes, we only did our human duty, helping people who need help

    この言葉のように、人間として当たり前のことをしたい。人間としてしてはいけないことは、いかなる場合でも拒否できる強さを持った大人になりたい。第二のアンネ・フランクを生み出さないために。

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    2023年05月12日

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