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Posted by ブクログ
シンボリックで満足感のあるエンディング。オープニングでは主人公の死んだおばさんの話から始まる。夜中に一人で熟柿に小さい穴をあけてじゅるじゅるすするという行動は、親戚中から嫌われている風変わりでドケチなおばさんのイメージを見事に象徴づけている。
ストーリー展開は、主人公の市木かおりの不遇で孤独な運命に、流されながらも自分を保ち、目的を見つけてなんとかサバイブする姿が描かれていく。後半までは感情移入できなくて、読み進めるのが辛かった。それでも、読者をちゃんと連れていくのは、人物描写の妙と、少しずつ意外な角度に跳ねる展開だろう。やがて訪れるクライマックス。予想通りの場面だが、ここでもそこに至る道のりに意外性を感じた。
最後のシーンは、かおりから土居への電話だ。かおりに好意を抱き、静かに見守る土居の誠実な人間性が透けて見える言動に惹きつけられた。あんな風に自分もありたいと思う。そして、自然にぽとりと落ちる熟柿のイメージが、かおりの未来への希望と重なる。ジーンとした余韻が残る素晴らしいエンディングでした。
Posted by ブクログ
ほぼ一人称の話。女性の 主人公が 、自分の心の内をとうとうとしゃべっている。
本の帯には、
どうにかして 我が子と再会したい
でも子供の将来を思うなら
私は遠く離れていなければならない
とありました。
うん、ほんま、これ。
これだけが、このストーリーです。
この思いに縛られて、次々とマズイ手をうってしまい、どーしてか不幸の道をヨボヨボと進んでいく。
なんでそーなるの!( ´;゚;∀;゚;)
と、時おりイライラしながらも、主人公の生活に、人生に、つきあってしまいます。
そんで、ラスト。
ほんま、ラストの数ページで、タイトルの『熟柿』に救われました。
救われたというか、腑に落ちたというか、人生観というか。
タイパとか、ナルハヤとか、そんな時代に『熟柿』。
みんな、『熟柿』大事だよー。
あと、咲ちゃんは、このストーリーのキラ星です。清涼剤です。
咲ちゃん、いてくれてありがとう。
スカッと話ではありません。
でも、これを反面教師とできるかも。
帯にある、角田光代さんの言葉
絶望しても、裏切られても
繰り返すしかない生活が
私たちを救うのだと
思わせてくれる 小説 だった
これにつきます(さすがです)
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