熟柿

熟柿

小説・文芸
2,035円 (税込)

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激しい雨の降る夜、眠る夫を乗せた車で老婆を撥ねたかおりは轢き逃げの罪に問われ、服役中に息子を出産する。出所後、息子に会いたいあまり園児連れ去り事件を起こした彼女は息子との接見を禁じられ、追われるように西へ西へと各地を流れてゆく。

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熟柿 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    冒頭が村田沙耶香さんの小説のようなエキセントリックな話に?と誘導してからの…我が子を想う母の一途さの切ない話に展開しました。
    不憫な状況が続き相当無理してメンタルがキツめだけど腐らずヤケを起こさず自分には我が子がいるという想いだけで自らを鼓舞して淡々と社会生活を送るかおりさんの強さに好感を持ちました。
    とくに最後の辺りが好き最高でした。

    0
    2026年10月10日

    Posted by ブクログ

    シンボリックで満足感のあるエンディング。オープニングでは主人公の死んだおばさんの話から始まる。夜中に一人で熟柿に小さい穴をあけてじゅるじゅるすするという行動は、親戚中から嫌われている風変わりでドケチなおばさんのイメージを見事に象徴づけている。

    ストーリー展開は、主人公の市木かおりの不遇で孤独な運命に、流されながらも自分を保ち、目的を見つけてなんとかサバイブする姿が描かれていく。後半までは感情移入できなくて、読み進めるのが辛かった。それでも、読者をちゃんと連れていくのは、人物描写の妙と、少しずつ意外な角度に跳ねる展開だろう。やがて訪れるクライマックス。予想通りの場面だが、ここでもそこに至る道のりに意外性を感じた。

    最後のシーンは、かおりから土居への電話だ。かおりに好意を抱き、静かに見守る土居の誠実な人間性が透けて見える言動に惹きつけられた。あんな風に自分もありたいと思う。そして、自然にぽとりと落ちる熟柿のイメージが、かおりの未来への希望と重なる。ジーンとした余韻が残る素晴らしいエンディングでした。

    0
    2026年10月10日

    Posted by ブクログ

    終始、切ない気持ちで読み進めた。
    最初の伯母さんの描写がどこの場面でどのようにリンクしてくるのか思った(読み終えてから「ここだったか!」と納得。)。
    途中、一人で罪を背負いながら生きていく姿が生々しく描かれ、切ない気持ちになりながらも、一方で仕方がないことなのかなとも思った。
    そんな状況の中でも、自分の助けになる人はいるんだなと勇気づけられたこと、待ち続ければ光が見えてくること、があるんだなと読み終えてから前向きにはなれた気がする。

    0
    2026年10月08日

    Posted by ブクログ

    はじめはおばさんが亡くなったんだーそれで?と思って読み進めていたけど、途中からドキドキハラハラの連続、まるでサスペンスのようでした。
    誰にでも隠したい、蓋をしてしまいたい過去がきっとあってこのかおりさんにもあってでもどうしようもなくて、そこを深掘りしていくけど後半は涙でなかなか読めませんでした。揺れ動く感情がしっかり感じ取れて本の題名と表紙に納得。人生悪いことばかりではないんだ、待って流れに身を任せることも大切なんだなー深い、深いなあ。読み終わったあとしばらく放心状態でした。本屋大賞とってほしかったな。

    0
    2026年10月02日

    Posted by ブクログ

    著者、初読み。最初から悲しい話で、途中読むのが辛くなってきたけど、旅で展開して最後まで読ませて、泣かせる。それもいわゆる系のハッピーエンドでもなく、現実的な、しっとりとした、ちょっとした灯が見える。どっちに転んでも悲しい人は出てくるし。この本の装丁、よく出来ていますね!読んだ後に、何故この装丁か、分かりました。題名も。評判に違わぬ作品でした。ありがとうございました。

    0
    2026年09月28日

    Posted by ブクログ

    母親なら誰でも自分の産んだ子どもに逢いたいという気持ちは痛いほど解る
    どうにかして逢おうと試行錯誤…
    しかし全て裏目に出てしまう
    ただただ息子に逢いたいだけなのに上手くいかない
    なんとか逢わせてあげたい
    最後に主人公の味方でいてくれたサキチちゃんのアシストのおかげで息子に逢えた
    本当に良かった

    0
    2026年10月08日

    Posted by ブクログ

    ほぼ一人称の話。女性の 主人公が 、自分の心の内をとうとうとしゃべっている。

    本の帯には、
    どうにかして 我が子と再会したい
    でも子供の将来を思うなら
    私は遠く離れていなければならない
    とありました。

    うん、ほんま、これ。
    これだけが、このストーリーです。

    この思いに縛られて、次々とマズイ手をうってしまい、どーしてか不幸の道をヨボヨボと進んでいく。
    なんでそーなるの!( ´;゚;∀;゚;)
    と、時おりイライラしながらも、主人公の生活に、人生に、つきあってしまいます。

    そんで、ラスト。
    ほんま、ラストの数ページで、タイトルの『熟柿』に救われました。
    救われたというか、腑に落ちたというか、人生観というか。
    タイパとか、ナルハヤとか、そんな時代に『熟柿』。
    みんな、『熟柿』大事だよー。

    あと、咲ちゃんは、このストーリーのキラ星です。清涼剤です。
    咲ちゃん、いてくれてありがとう。


    スカッと話ではありません。
    でも、これを反面教師とできるかも。

    帯にある、角田光代さんの言葉

    絶望しても、裏切られても
    繰り返すしかない生活が
    私たちを救うのだと
    思わせてくれる 小説 だった

    これにつきます(さすがです)

    0
    2026年10月08日

    Posted by ブクログ

    オーディブル形式で。最初の頃は主人公はなんとなくぼんやりした性格に見えて、「信頼できない語り手」とはこういうこと?と脳裏に浮かぶ。
    後半は主人公がとにかく働くことに没頭(+生活する上での悩みの吐露)していて、こんな境遇なのに、めげずに偉いよ…という応援する心境に。

    最終的に前向きな終わり方だったので、読後も良かった。
    終盤が一気にスピード感が上がって、面白かった。

    0
    2026年10月04日

    Posted by ブクログ

    主人公の人生、いったい何なんだ?
    主人公のしたことが犯罪であることはわかっている。わかっていてもこのやるせない気持ちが主人公を最後まで応援させる。貯金を持ち逃げされた時、夫の真相がわかった時、そしてなんといっても息子に会えるラストは、主人公は意外と落ち着いているのに読者の私は、本に向かって「えー!」「うん、うん」と感情を爆発させながら一気読みした。

    0
    2026年10月03日

    Posted by ブクログ

    面白かったです。途中胸が締め付けられる苦しさもありましたが、読み応えのある作品でした。装丁にコメントを記載されてた「絶望しても裏切られても、繰り返すしかない毎日が、私たちを救う」という角田光代さんの言葉に深く頷けました。

    0
    2026年10月02日

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